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2004.04.02

回転ドアと鳥インフルエンザ

先日、京都で感染がみつかった鳥インフルエンザだが、社長が逮捕されるに至った。浅田農産の会長が自殺するなど、大変不幸な事件である。そして、社長のコメントとして「怖くて電話できなかった」というものが報道されている。

今回、客観的に見れば被害拡大を防ぐために感染を報告しなかった浅田農産に一定の非があることは認めざるを得ない。しかし、もし主体者として考えた場合、どうすべきだったのだろう?

今回の問題を整理すると、

1:鳥インフルエンザの感染自体は不可抗力に近く、感染が起きたこと自体は責められない。
2:通報をした場合、今ある鳥や卵は出荷不能になり、倒産に追い込まれる可能性が高い。
3:通報をせず、ほとぼりがさめた場合、何事もなかった状態に持ってこれる。
4:通報をして、なおかつ被害を最小限にとどめるためには、被害者であることを強調して支援を要請するしかないが、現状では経済的損失をカバーする方策は行政にはない。

要するに、業者には通報することによるインセンティブが少ないのである。

社会的な防疫体制として考えるならば、単純に業者の良心に頼るまたは罰則で締め付ける、では実効性は上がらないだろう。通報されなかったことによる社会的コストを考えて防疫体制を整えるのならば、
「通報した場合はちゃんと補償します」「その代わり、通報を怠ったら罰せられます」という方策が自然なのではないだろうか?

企業の危機管理としては、通報した上で被害者であることを最大限強調して補償なりを引き出す、というのが最善策だが、現状では「生き残れる」可能性は五分五分以下であろう。

さて、翻って回転ドアの事件である。こちらは人災の可能性が強くなってきたようだ。設計、組み付け、運用すべてにおいて事故防止を最大限に考えたとは思えない状況である。

さらに、多数の類似事件がおきていることも報道されている。これらは、メーカーレベルではある程度情報があったものと思われる。ただ、クライアントの要望を押し切れたかどうかはなんともいえない。

事象の重大性をどう考えるか、想像力を問われる状況が多くなっているといえよう。

2004 04 02 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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