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2004.05.29

日本語ブームとその裏にあるもの

最近、「日本語ブーム」だそうです。今朝のNHKニュースで、「懐かしい日本の言葉ミニ辞典」という本の著者の紹介と、編集意図、そして昔からある言葉を使った小学校での授業を紹介していました。私はまだこの種の本を読んだことがないため評価は出来ないのですが、店頭で多く接することがあるな、と印象は持っていました。

多くの言葉が日常の生活で使われなくなり、「死語」と化しつつあるのは私も感じていました。番組で紹介していたのも、「こしらえる」といった本来は日常語であるものや、「おそれいります」などの挨拶語の減少が激しい、とのことでした。

聞いていると、「ビジネス語」としてはこれらの挨拶語はまだ生き残っていると思います。逆に言えば、営業現場とか、オフィス内での「上下関係が明確な場」でないと敬語表現に近いこれらの挨拶語が使われなくなっているのではないか、と感じました。

となると、これらの挨拶語が減っているのは日本の社会構造がかつての上下関係を意識しながら営まれていた(だからこそ言葉で明確にする必要があった)部分が減り、個対個が平等である、という前提の下で競争が行われている、ということをあらわしているのかな、とも感じます。さらには、かつての女性語の減少もそうでしょう。

これらの言葉は、「使いこなす」には結構訓練が必要です。ですので、比較的易きに流れる傾向がある現在、日常でどんどん使われなくなっているのはある意味必然と思います。言葉の修正をする社会的な圧力も働きにくくなっていますし。ただ、マイ・フェア・レディのように、言葉で社会的出自などまでわかってしまう、という要素もあるでしょうし、今のうちにとりもどそう、としているのはよいことなのかな、と思います。

他にも、「これらの言葉が使われていた時代」への思い入れや、さらには「かつてはこんな言葉を使えるくらいのんびりしていた」、「こういう言葉で年配者は尊敬されていた」という面すらあるのでは、という感覚も抱いています。

しかし、言葉の貧困さを表現するために意図的にやったかどうかわかりませんが、この本の紹介をするのに女性アナウンサーが「ニュアンスがうまく伝わりますね」と言ったのは、演出なのか、実際にこうしか言えない貧困さを明確にしたのかどっちなんだろう、と考えさせられてしまいました。

(蛇足:NHKが報道したらそのブームは終わっている、という説があるようですが、これに即すと言葉はすでに死んでいる、ということを明確にしたニュースなのかもしれません)。


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