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2004.05.15

年金は省庁の資金源争いか

年金について、国会議員等の未納問題が新聞紙上をにぎわしておりますが、記事を読む限り、本人というよりも、システム(および運用する官庁)に問題があるとしか思えません。払う意思/能力がある人たちに対して、一言切り替えを通知すればすむだけの話が多いようなのです。それに対して、社会保険庁側から「過去はこうだったから、今後はこういうシステムにしよう」という話は聞こえてきません。

さて、予算の話になります。省あって国なし、という言葉があるように、各省庁は独自に業務を執行し、重なっている部分を改めようとはしていないようです。使う方で見ると、道路が国土交通省所管部分以外にも農水省所管の農道があったりするように(時には平行して走ることもあるようで)。

さて、今度は入ってくる方で見ますと、ガソリン税などの自動車関連税と同様に、「年金保険料」が厚生労働省所管の資金として「自分達の金」と思っているのではないでしょうか。

となると、税方式への議論が進まないのはある意味当たり前でしょう。厚生労働省側から見れば、年金財源を消費税かでまかなうとなると自分達の金ではなくなりますから。

木村氏流に言えば、省庁については「ガバナンスが効いていない」ことになってしまうのです。本来であれば、政府が全体としてバランスを考えて作った予算を、国会が中立の立場で議論し問題がある部分についてチェックしていくはずなのですが、政府首脳=国会議員であり、かつ各省庁の立場で考える「族議員」が力をもってしまっている現状では、ガバナンスとして機能するはずがないのです。議院内閣制の元では、野党と与党による政権交代の可能性が、一般企業では他の企業との競争、という形で圧力が働き暴走を防ぐのですが、現状ではこれも圧力として機能していません。このあたりは、私が以前の記事で書いたとおりです。

政治=予算配分=権力になる要素が大きい以上、理想論だけでは動かないし、おのおのが考える理想も違うでしょう。ただ、ガバナンスが効いている=健全な圧力がかかっている、という状態になるように、投票行動なり、通常の意思表明なりをしていくことが必要と思っています。

2004 05 15 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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コメント

サイト作者様

メールアドレスが分からなかったので
こちらにコメントさせていただきます。
『月間!木村剛』の件でお願いしたいことが
ございます。
恐れ入りますが、haneda@infobahn.co.jp
までご連絡をいただけませんでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

株式会社インフォバーン 羽田法子

投稿者: 羽田法子 (Jun 13, 2004, 1:05:24 AM)