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2004.07.10

保険が成立する要件とは

 最近のニュースで、「保険商品が売れすぎて内容を見直す」というものがありました。商品は、損保ジャパンの終身医療保険「Dr.ジャパン」です。市場金利が上がると保険料が下がる、とか、入院時の給付金について入院日数無制限などの特徴があり人気を呼んで予想以上の契約数になっているとか。

 保険もそうなのですが、「そのとき売れればよい」というワンウェイの商品では、売れた数=利益の増大に通常はつながりますので数売れたことによるリスクというのは発生しません(欠陥発生時の回収リスクは置いておきます)。

 ただ、保険のように、未知であることによるリスクを回避することを目的とした商品では、ユーザー数の増大=利益の増大とならないところが難しいところでしょう。

 たとえば、自動車保険を考えます。もし1社しかなくて、全員義務だったら、保険料の合計>支払い保険料の総額が成立しないと経営として成り立ちません。で、支払い保険料の総額を見積もることが保険料設定の重要な業務になると思います。

 で、保険料見積もりの際に未知要素が多いとぶれが大きくなるのですが、逆に全てがわかっていると保険として成立しない(わかっているのならば突発的なリスクにはならない)という矛盾を保険というシステムは抱えていると思うのです。

 実は、生命保険がこの「平衡状態」に陥ろうとしているのではないか、と思うのです。対象とする市場が、死亡率がどんどん下がっている、被保険者がどんどん増えている、というような状況では保険会社は顧客を増やすほど利益が増えていくという状態になります(去年よりも今年の方が平均寿命が長くなる=支払い保険料が予想よりも減る=利益となる)。しかし、人口ピラミッドが一定となり平均寿命も頭打ちとなるとどうなるか。何歳で入って何歳で死ぬ、ということが予想されると保険にはならなくなってしまうのですよね。なぜなら、払い込み保険料と死亡時にもらえる保険料の差が明確に計算できますから。支払額の方が多ければ客は増えますが、一定である以上支払額>払い込み保険料額になってしまって保険会社の経営が成り立たなくなってしまうと思うのです(残るは運用益のみ)。

市場の運用益分しか保険料にプラスして受け取れないとなれば、単なる投資信託でしかなくなります。

経済的に「熱死」(エントロピーが増大して完全平衡状態になってしまう)は簡単にはおきないと思いますが、経済がグローバル化し、共産圏というエントロピーの逃げ場もなくなってしまった(共産圏が自由主義になればもっと成長ができる、ということは逆に変化の目標が存在した、ということ)今、新しい考え方を見つけていく必要がある段階に達していると思います。

2004 07 10 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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