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2004.08.21
統合は確かに便利だけど
現在、インターネット上でメールアカウントやプロバイダへのアカウントを複数もっている人は沢山いると思います。ネットショップのアカウントなどもそうですね。これらを統一的に管理し、一度認証すればあとは大丈夫(シングルサインオン)、ということでMicorsoftが .NET Passportというサービスを始めました。ただ、このサービス自体の利用度は相当低いままで終わっている、というのが現状のようです。
この普及率の低さの要因は、PCの世界で強大な力を持つMicrosoftに顧客情報が流れるかもしれない、という恐れを各サービス提供者が持ったことを挙げることができます。ただ、ユーザーの方も一箇所にまとめることへの拒否感を持っていることも普及が進まない原因では無いかと思うのです。
私自身でいうと、預金口座やクレジットカードの口座は複数もち、それらが相互乗り入れ「しない」ような情報管理をしてきました。1箇所で全ての金の動きを見えるようにはしたくなかったのです。神経質かもしれませんが、動きの情報からDMなどが来てしまうのがいやだった、というのが始めた当時の気持ちです。
「週刊!木村 剛」の過去記事(2004年5月14日付)で、「知る権利」と「プライバシー」というコラムが掲載されています。 ここで、ある新興企業の社長さんがものすごい努力をしてプライバシーを維持しているさまが描かれていました。
そして、金融機関の口座内容も利用者にとっては間違いなく「プライバシー」になるのではないか、と思うのです。
各金融機関での「名寄せ」すら満足に出来ていない状況で、(特に富裕層に対して)アカウント・アグリゲーションが進むとはとても思えないのですよね。
物事を判断するには独立した複数の目(医療でも「セカンド・オピニオン」が普及しようとしています)を持つことが重要だと思います。この点でも、資産を全部一箇所に単純に預ける、ではなく複数の場所に分けて見て、相互の動きを見ながら適切な方へ振っていく、ということの方が普通では無いか、と思うのですよね。この場合は、「ローカルでの自分の分身としてのアシストシステム」の方が普及する見込みがあると思います。
2004 08 21 [パソコン・インターネット] | 固定リンク
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