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2004.08.29

TVは突発事態が得意でない?

TVの取材や報道番組について、「起きている事を素直に伝える」というように思われている人が多いかもしれません。ただ、私の経験や状況を見るに、実は上記の事が実は報道機関はあまり得意ではないのかもしれない、という気がしてきました。

まず、取材番組。これは間違いなく「台本」があります。現地でのハプニングなどはいくつかあるでしょうが、基本的にはあらかじめ定められた「構成」に沿って作られると思ってよいでしょう。

ある意味、これは当たり前かもしれません。適当に行き当たりばったりで取材に行っても、「番組を構成するための必要な絵」は撮れないと思うのです。もちろん、行ってみたら思っていたより良い絵が撮れた、元の構成には無かったけど使える面白い状況がある、ということで構成を作り変える、ということはあるでしょう。ただ、通常は限られた時間と予算(適当に撮ってまとめてみたら絵が足らなかったといって再取材するコストは誰が持つの?)で運用する場合、準備をきっちりする(構成をあらかじめまとめておく)ことで現場での取材を円滑にする、というのは当然のことかもしれません。

まあ、通常の気候番組などはこれでも良いでしょう。虚偽や誇張がなければ大きな問題にはならないでしょうし。(これで「やらせ」があった、などで時々問題になりますが)。

ただ、問題はこれを一般のニュース報道でもやるクセがついていないのか、ということですね。「予断を持って取材しない」のが事件報道では重要なはずですが、時間がない、予算がない、絵が足らない、訓練が不足している、などが貯まると「型にはまった」絵作りにあわせた映像やナレーションをつけて作ってしまうと思います。(たとえば、今大型の台風16号が九州地方に接近していますが、「台風」の絵作りって海岸に行って波を撮るとか、新人にレポートさせる、とかギャグのネタになるくらい型がありますよね)。

TV番組を作るには、ニュースにしても相当の人と手間がかかると思います。そこで、急にハプニングが起こってしまうとそれに対応するためにはかなりのエネルギーが必要だと思います。だからこそ、トラブルが起きないような準備が必要なのですがそれが「報道」の枠をこえて型にはまったものになってしまうのではないのかな、と思うのですよね。
オリンピック報道では、終わった後でメダリストをスタジオに呼んでインタビュー、というのがセッティングされていたと思います。特に有名どころは事前にスケジュールを抑えておいたでしょう。ただ、逆にメダルを取れなかったらどうなるか。当然選手は出ませんが、選手と対談させようとしていた相手も自動的にキャンセルされてしまうのですよね。そして、空いた枠も埋めなければなりません。民放では特にこの状況は深刻になってしまうと思います。

 事象を素直に受け取り、ちゃんと考えて間違った印象を与えないように絵と音を作っていくのがベストの報道なのでしょうが、現場はなかなかそうはなって無いと感じられるのが難しいところかな、と思います。

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