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2004.09.17
文化と萌えとオタク市場
今日の週刊!木村 剛のコラムでは、いわゆるマニア市場が結構大きいという調査結果を受けてのものでした。確かに、以前から「おたく少女の経済学―コミックマーケットに群がる少女達」なる本が10年前に出ている位ですので、市場として存在しうる、という認識自体は別に珍しいものでは無いと思います。
ただ、10年前はまだ萌芽として(ああ、ここでも萌という字が出ている)しか見られなかったいわゆるオタク市場が、ついにメジャーとして認識されつつあるのかな、という感覚ですね。
メジャー化の最初のインパクトは、「チョコエッグ」だと思います。ここで、いままでガレージキットメーカーとして一部のマニアにしか知られていなかった「海洋堂」という模型会社が一般に認識されるようになりました。そして萌える英単語もえたんのヒットです。いわゆる今風の幼女系少女をネタにした英単語参考書がヒットしてしまい、類似書が複数出ている状況になってしまいました。
さて、日本の歴史を見る限り、(アニメ系はともかく)、オタク的な細かい仕事に走り、それを仲間内で理解しあう、という文化は古くからあったと思います。それが芸術として評価されるか、単なる好事家の楽しみで終わるかの社会的な判定はかなり微妙でしょうが、そんなに否定されるような要素は無かった、と思っています。
その中で、マーケットとして成立するかどうか。これは、逆に今の子供達がある程度大きくなったときにどのような新しい部分を作り出していけるか、ということにかかっているかもしれません。というのも、今のマニア市場をリードしているのは、オタク市場と言われるものを作り出した世代が作っていることが多いように思えるからです。
もちろん、新しい才能は出てきているでしょう。ただ、それは既存のTVやマンガというメディアではなく、たとえばネットやケータイのような新しいメディアの中での作品にあるように思えます。Flashという簡単に動画と音声を統一的に扱えるツールは、割と新しい世代の人たちが使いこなして文化として育てているように感じます。他にも、ケータイを使った、ケータイの画面で読んでちょうど良いリズムでの文学も出てきているでしょう。
文化的にオタク的な要素を受け入れる素地がある日本で、新しい形での作品が育つことにより、結果的に「ニッチ」とは言えないような形で社会的に認知されることで、ビジネスとしても認知される市場になっていくのかと思います。
ところで、木村氏もキャプテン翼ネタだと結構反応できているところを見ますと(そういう世代ですよね)、萌えはともかく「燃え」の方には結構反応が良いのかもしれませんね。
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2004 09 17 [文化・芸術] | 固定リンク
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