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2004.09.10
TVメディアとそれを支えるCM
日本のTVCMは漠然としたイメージ訴求型、アメリカはより直裁な利点訴求型、というのは以前から言われています。そして、単に「これを買ってください」ということから、「この商品を使ったライフスタイルのイメージ提供」へCMは進化してきました。また、CM=トイレタイムとされないように、目を離されないような工夫も色々とされてきたと思います(最近では、サントリーの「アミノ式」での驚くような体操アクションが有名ですね)。
ただ、今まではTVのCMはある程度確実に「見られる」ことが期待できたわけですが、デジタルレコーダの登場で「ワンタッチでスキップ」がされるようになりました。確かに、映画番組などではCMは間がそがれてしまうため飛ばして連続で見たほうが良いわけですね。しかし、他の自主制作番組などではCM、しかもどんなCMが流れるかを前提としたつくりであるならばCMも含めた番組として視聴者にとっては一体のものとしっかり見られるようになるでしょう。ただ、一般スポットCMではなかなかそうもいかないでしょうから、この方法も限られたやり方になってしまいます。
他にも、色々な番組で連続性のあるCMを流して追いかけさせるなどのマニア受けする方法はありますが、いわゆる不特定多数向け、という点ではこの方法も使えません(これは商品の性格にもよりますけどね)。
そもそもTVCMが威力があるのは、受動的なTVメディアと、CMを見せることで商品をなじませることで商店で手に取らせることの敷居を下げる効果の相性が良かった、ということだと思います。ただ、情報があふれている今、逆にTVCMにはきっかけを与える効果しか無いのでは無いか(詳細を知りたい場合にはWebに行きますし)、という可能性があります。ケータイの高速化と定額化、そして情報提供が進めば、「店頭でなにこれ、と思ったときに表示されたQRコードへケータイのカメラを向ければよい」ということになっていく可能性もあります。
まあ、そこまで積極的にみんながみんな情報を取りに行くようになるか、というと疑問もありますけどね。
不特定多数を対象とした「マス」メディアの崩壊、というのは政治やスポーツ、そして報道という「社会性」を持つもの全てに影響をしているのでしょう。個性が尊重されるのはよいことでしょうが、「暗黙の共通基盤」も同様に尊重されるような社会、というのはどうすればよいのか、これは難しくて正直分かりません。ただ、問題があることだけでも認識しておいた方が良いように思えます。
2004 09 10 [メディア] | 固定リンク
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