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2004.10.29
今週のニュース(10/24~10/29)
週末出かけるため短縮版ですが、今週のニュースで気になったところをピックアップしていきます。
1.新潟中越地震でマスコミが傍若無人に活動を続ける
今回はあえてネット系の記事を取り上げます。従来メディアではいっこうにネタになりませんが、新潟中越地震を取材する各メディアが、かえって被災者の邪魔をしている様子が伺えます。私自身は今のところ現地に入る予定はありませんので伝聞形でしか物が言えませんが、もし会社として救援するならば、というシミュレートを行った際、現地入りする際は自分たちの分の食料や機材は事前に自前で全部揃えておいて、というのが阪神大震災以来の教訓だと思っていました。しかし、書き込みを読む限りは「自分のカメラでいい絵を取る」が最優先しており、自分たちの活動が現地にどういう影響を与えるかが意識されていないように思えます。今までマスメディアは「透明な存在」(被写体と視聴者の間にあって、存在を意識しなくて済む)だったわけですが、今はネットなどの既存メディアにコントロールされない形でみんなが見ている、ということを忘れないで欲しいと思っています。
(山崩れから救出された子供を病院に入れる際に突っ込んだカメラマンは、自分が間接的に殺人を犯すかもしれないことを意識しているでしょうか?)
2.岩手で建設会社に談合の疑いにより公取委の立ち入り
新潟で公共工事の談合について、検察が告訴を行いましたが、今度は岩手で建設業者30社に公取委の立ち入りがありました。公共工事については、従来から談合やら、それに準じた調整があるとのもっぱらのうわさがありました。これは、政治(さらには住民)がそれを望んでいる、という部分があるのは否めません。ただ、これで全体として高い公共工事となってしまった場合、他の事業にその予算が振り向けられない、ということを無視してはいけないと思います。勝負を避けることは楽ですが、永久に談合を続けていては強みを伸ばすことも出来なくなる、ということは覚えておくべきと考えます。(企業でも、自治体でもね。自治体間で競争はありますから)。
3.三位一体改革、省庁側はやる気なし
国と地方の財源見直しを行っているいわゆる三位一体改革について、地方側は3兆円の財源委譲案をだしましたが、国側は各省庁がまるでやる気がないのか、文部科学省などはゼロ回答を出してきました。役人が自分の仕事を減らせないというのは昔からの問題ですけども、政治側のコントロールが出来ていない、と思えます。政治側も本気ならば、人事権を発動するなどの措置をとってもよさそうなものなんですけどね。
(私が某大企業の工場見学に行って工場長にお話を伺った際、その工場長は「担当が抵抗するならば、変えてしまえばいいじゃない」と、事も無げに語っていました(直接聞いた話です))。ガバナンスが効いている企業ならでは、といえます。省庁に対してはどうなんでしょ。
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2004 10 29 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.28
ネットメディアのスターは生まれるか
かつて、TV放送が始まったとき、当時のトップメディアである映画界からはスターの出演が得られませんでした。当時は映画界ですら、各社専属俳優だったため、新興のTVに出そうなどという考えは無かったのです。
そして、今ネットでTVや映画などの既存メディアで作られたコンテンツを流そうとして、なかなか協力が得られていない状況があります。TVドラマのマルチユースが難しい、という点についてはこのコラムに詳しく書かれています。
確かに、売れるかどうか判らない二次使用を前提とした契約が難しいとか、メディアとして成り立っていないネットに、コンテンツを流すのに躊躇するのはわかります。ただ、これについてはネット側のアプローチが弱いようにも思うのです。
かつてのTV界のように、ネットに即したコンテンツの開拓や、メディアとして商売になることを見せていかないで、単なる既存コンテンツを使いたい、といっているだけではネット側も発展が無いように思えます。
今話題のライブドアですが、去年ショートフィルムの配信をして黒字化した、との記事があり、こういう面でも先見の明というか、先行努力をしている様子が伺えます。1年経って、ドラマを配信するにはまだメディアとして充実はしてないようですけども、色々な試みをすることで思わぬビジネスチャンスがあるかもしれません。既に出版されている「電車男」のよう(これは小説では無いですけどね)に、小説の分野ではネット発が多くでています。ネット発でTVや映画に持っていけるような意気込みが大事なのだと思いました。
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2004 10 28 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.27
FJの今後への期待
前回、FJ(フィナンシャル・ジャパン)を.買ってきました、という記事を書きました。前回も書きましたが、内容そのものはいわゆるオヤジ雑誌を超えた深みのある内容で読み応えがありました。
ただ、やはり「読んだら終わり」という印象がぬぐえないのです。出来れば、各記事ごとに参考文献とか、ネットの時代であれば、参考になるURLをつけるとか(対象読者からはずれるでしょうけど)、の発展性のある内容であれば良かったのかな、という印象を受けています。
コンサルタント業からすると、これをきっかけに、と思われるのかもしれませんけどね。
2004 10 27 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.25
日常できる防災対策
先週は台風23号と新潟中越地震と大規模な災害が続き、被災された方々はさぞかし大変だったと思います。私は幸運にしてたまたま今回は被災していない地域にいましたが、普段から風が強いため強風による被害などは他人事ではないな、と感じています。
で、今回の状況を見て、日常から出来る防災対策があるのではと改めて思いました。
色々ありますが、以下のサイトにまとまった情報があります。
家庭防災ハンドブック
で、これらに書いてあることが全部できればよいでしょうが、普段の生活を非常時対応にするのはなかなか難しいと思います。面倒ですしね。それに、非常持ち出し袋に準備だけしておいて、電池が切れていた、というのはありがちなことかもしれません。
そこで、普段の生活を少し変えるだけでより災害に強い習慣を作れないか、ということを考えてみました。
1.使用する水の一部にミネラルウォーターを使用する
多少贅沢ではありますが、ミネラルウォーターのPETボトルが常備してあるだけで、飲料水が確保できていることになります。常に、の必要は無いと思いますが、使わないものに場所をとられても仕方が無いし忘れがちでしょうから。
2.バーベキューなどのアウトドアの経験を積んでおく。
屋外で調理をするにしても経験が必要でしょう。炭とコンロがあって、料理経験があればいざというときに役立つはずです。
3.整理整頓
何を、といわれるかもしれませんが、非常時にすぐに動けるようにするためには貴重品などの整理整頓が必要でしょう。
自分はどうだ、といわれると1については△(数が足らない)ので、すぐにでも増やしておこうと思います。2は、一応揃っているし、なべでご飯が炊ける技術はあるのでOK、3は△~×なのであらためて整理をしようと思っています。
他に、阪神大震災以降で気をつけていることや実行したことは、
4.カバンの中に常にツール(ナイフやドライバーがセットになっているあれ。個人的にアーミーナイフではなく、レザーマンツールにしてある)とハンドライトを入れておくようにしています。これは、別に災害でなくても色々役に立つので、災害時でもあわてずに済むと思っています。
5.携帯TV(ラジオ付)を買いました。今は台所のサブTVとして使っていますが、電池を入れれば停電時でも役立つので、予備として控えています。実際、おととしの台風(鉄塔が倒れたとき)の停電時に、情報収集に役立ちました。
で、木村氏には、被災体験をもっと語って欲しいです。有名な経済人が真っ暗な中、線路を降りて駅まで歩き、毛布にくるまって駅の構内の床で寝る、なんてのはあまり経験できないことでしょう。そして、実体験に基づく提言こそ説得力を持つでしょうから。
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2004 10 25 [防災情報] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック
2004.10.24
今週のニュース(10/17~10/23)
今週も気になったニュースを取り上げていきます。
1.新潟地震で安否情報をテレビで提供
昨日、新潟を中心に震度6強の地震が連続しておきました。被害にあわれた方へのお見舞いを申し上げます。
私は、この時間ちょうど車を運転しており、千葉でも揺れたはずなのですが特に感じませんでした。で、ラジオを聴いていてFMと教育テレビで安否情報を流し始めたこと、電話がかかりにくくなり、緊急以外の電話の利用を控えてほしい旨の呼びかけを聞いていました。これは、ケータイでも同じことが言えると思います。特に、一つの基地局でカバーする範囲が広いケータイでは、より沢山の通話が一気に起きることに弱いといえるでしょう。ここから先は思いつきなのですが、ケータイに緊急時機能として「私は無事」コールを1ボタンで行えるような機能はつけられないでしょうか。事前に登録したメールまたは音声メッセージを、ケータイの特定のメニューとしてつながるようにし、この要求は優先して行えるようにして、安否連絡による通話の抑制を図れないか、とも思ったのです。
私はボーダフォンを使っていますので他社は知らないのですが、ボーダフォンにはプッシュで情報配信する「ステーション」機能があり、ここには「緊急情報」というメニューがあります。今のところ、アメリカの同時多発テロの時以外で受信したことは無いのですが、個人へ緊急時の連絡をする方法として、ケータイの活用はもっと考えてよいと思います。
避難勧告も、自治体に事前登録したケータイメールで行えるようにすればより確実でしょう。既にこのような試みは、検索した中では東京都稲城市、三重県四日市市、他多数の市町村で行われています。それぞれの地域での取り組みを改めて見直されることをお勧めします。(銚子は無いようだ・・・意見に書いてみるか)。
2.台風23号、豪雨でバス立ち往生
台風23号は平成に入って最悪の被害となってしまいました。その中で、今回の台風を象徴するような事件がこの観光バス立ち往生だと思います。ただ、今回はバスの上で一夜を明かし、全員無事だったこと、色々な工夫で流されないよう、意識を失わないよう努力されたことは見習わなければ、と思っています。自分を省みるに、60~70歳台の方は苦労されている分、このような緊急時に経験が生きてくるのかな、とも思っています。
社会保険庁長官は、年金加入者全員に支給見込み額を通知する方針を明らかにしました。08年度ですから、4年も先ですが、やっと「契約に基づく保険」になりつつあるのかな、と思います。システムの見直しが必要だということですが、複雑化している年金の状況やシミュレートができるような形に変化していくきっかけになればよいな、と思います。
4.NTT加入権料、廃止の方向へ
以前から言われていましたが、NTTの固定電話加入時に必要な加入権(施設設置負担金)を廃止する方向が打ち出されました。確かに、たとえば光ファイバーを新規に引いたってこんな金額(7万2千円)はかかっていないのに、加入するだけ(実質工事が特に必要でなくても)でこんな金額がいる、というのは時代に合わなくなっていると思います。どんなサービスでも、「昔は高かったのに」というのはよくあることです。インターネットのプロバイダ料金も典型ですね。ただ、NTTの加入権は、「財産」として転売可能だった、という点が他と違う点です。
こうしてみると、先送りにしていったツケがここで出ているように思います。私はもう加入権廃止はやむをえないかな、と思っていますが、経過措置をどうするか、たとえば付加サービスの料金を下げるとか、光への移行料金を下げるとかの手は考えられますが難しいところだと思います。
2004 10 24 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.23
危機に役立つ科学教育を
今年は台風の当たり年で、既に10個の台風が上陸と新記録を起こしています。また、今日は新潟で震度6強の地震が連続して起こり、多くの被害が出ている状態です。
さて、台風に関しては既に衛星写真や進路予想を見ていくことはある程度一般化していると思います。テレビや新聞などでも普通に流れていますし、見た目でわかりやすいからです。しかし、この間の台風23号で、どの程度の被害が起こりうるか、大雨がどうか、雨の通過時間はどの程度か、ということを判断するための情報はインターネットで公開されていますが、これらを使いこなすための基礎教育がされているか、ということには疑問を持っています。
たとえば、台風の風が反時計回りで中心に向かって吹いている、ということがどれだけ知られているか(まとめサイトは気象庁のこちらが参考になります)。また、レーダーアメダスの画面が色々なサイト(たとえば気象庁)で公開されていますが、これを見て自分が住んでいる地域が安全か判断できるか。河川の水位テレメータ情報が公開されていますが、これを見て自分が住んでいる地域の危険性が予測できるか。ハザードマップが公開されているか。行政の避難勧告が出てからでは遅い、ということもありますし、避難勧告が出やすい地域かどうか、ということも知っているか、ということなどが生死を分ける可能性があると思うのです。
これらの「生情報」を自分の住んでいる地域に結びつけるためには、「雨量とはなにか」「川の水位の上がり方の原因は」「雨雲の移動方向は」などを基礎知識として知っている必要があります。同時に、これらの基礎知識を防災に結びつけるための方法も同時に身につけておく必要があります。レベル的には小学校~中学校の理科で十分習うのですが、たとえば「防災」ということに結び付けて学んでいるか、というと単なる定義の暗記だけになってしまっているきらいがあり、実用的な展開や、展開のさせかたを教えているとは思えないのです。
科学について判りやすく伝える「サイエンス・ライター」を国が支援して育てる、というニュースもありました。こういうのは国が支援して、というとうまく行かないことが多いのですが、方向性としては間違っていないと思います。ただ、単に結果を判りやすく伝えるではなく、「科学的な物の考え方(定量的、再現性・・など)」をうまく伝えていける方法が無いか、自分達の生活に結びつけるためにはどうしたらよいか、ということも注意をしていければ、将来大人になったときに別に「理科系」という方向に行かなくても、色々な未知の現象に遭遇したり、科学的な考え方で判断をしなくてはいけない状況になったとき(上記の防災や、新製品開発や、経営などなんでも)に、冷静な判断をできるようになると思います。
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2004 10 23 [教育] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.22
プロ野球オーナー、続々辞任
明治大学の一場投手に対し、「食事代」として金銭を渡していたことに対し、ジャイアンツの渡辺オーナー(当時)が辞任した、というニュースは既にご存知のことと思います。そして、同投手に対して横浜、阪神もやはり同様の金銭授受があったとして両球団のオーナーが辞任、ということになりました。
西武の堤オーナーも、シリーズ終了後の辞任を表明していますため、一気に4球団のオーナー(近鉄も合わせれば5球団)のオーナーが変わることになりました。
これらの動きを見ていますと、「旦那衆がやる気をなくした」という気がしてなりません。渡辺オーナーにしても、今までだったら大きな話題にならなかったり、適当に握りつぶせたものが、思った以上に騒ぎになってしまっため、「おれはしらん」という感じで奥に引っ込んでしまった、という印象があるのです。
ホークスも、このまま行くとオーナー交代になるでしょう。半分のオーナーが変わり、オーナー会議も様変わりすることが予想されます。この中で、仙台への新球団を審査するオーナー会議がどうなるか、ますますもって院政が引かれるようであれば、崩壊の始まりだろうし、これを気にプロ野球システム全体の近代化が図られるのであれば、より面白いスポーツとして生まれ変われるチャンスだと思います。
1ファンとしても、「面白い試合が見たい」というだけ、ということですので敷居を下げ、プレーヤーの魅力を引き出せる形で組織運営をしていって欲しいものです。
そうしていけば、公共財としてのプロ野球を持つことの意義が親会社にも出てくるのかな、とおもいます。現状、すねに傷持つ企業はいくらでもあり、「罪なきものから石もて追え」といわれて石をもてる企業は無いでしょうから。
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2004 10 22 [スポーツ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
リアルタイム防災情報
ガ島通信にて、自宅が被災されて情報不足になり大変だった、との記載がありました。特に、「今どうなっているか」「これからどうしたらよいのか」という情報が入手しにくくて大変だった、とのことでした。
確かに、私も「今この町が出している警報などはどうやって知ればよいのか」というのに悩むことがあります。ただ、それでも既にいくつかある情報を集めればなんとかなるのか、と思っていくつかリンクを張っています。特に、テレメータ系のサイトがこういうときに役に立つと思います。ただ、数字の読み方を知らないと難しい欠点がありますが。
まず、今回の河川の増水について
リアルタイム川の防災情報
国土交通省が提供している、各河川の水位テレメータ情報をそのまま流しているものです。豪雨の時に事前においかけるようにしていけば、危なそうなところは事前の策が打てるかもしれません。
気象庁ここでは、レーダー情報が役に立つと思います。10分おきに更新しますので、集中豪雨がおきそうな動きもある程度予想がつきます。
雨量・雷観測情報東京電力によるサイトです。関東甲信越限定ですが、6分おきに雨量情報を自動更新しますので、雨雲や落雷の可能性をある程度予想することが出来ると思います。
地震情報リンク集
地震ですので起きた後になりますが、どこでどれくらいの地震が起きたかをできるだけすばやく知ることが出来ると思います。津波情報もありますが、これは見ている暇があったら逃げた方がよいかも。
いずれの情報も、生データに近い形ですので、「判断」については自分でするしかないので難易度が高いと思います。ただ、データがあることを知っているだけでも、行動を起こすきっかけに出来れば、と思います。
2004 10 22 [防災情報] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.21
FJ創刊号読みました
木村剛氏が立ち上げた新しい雑誌、Financial Japan(以下FJ)の創刊号を買ってきました。一通り読んだ中では、JFEの合併立ち上げの記事が読み応えがあり面白かったです。
最初はいわゆる「オヤジ雑誌」を想像していましたが、より突っ込んだ形での記事があり、結構面白かったですね。ただ、「専門誌」ではないな、とも感じました。つまり、「プロ(どんな分野でも)」が読む雑誌では無い、という印象を受けています。
たとえば、上記JFE下垣内氏が「現場は統合しても福山製鉄所はなくならないとわかっている」と述べています。これは、現場感覚を失っていない経営者だからこそ言えることだし、自社の分析が出来ている証明だと思います。そして、こういうことが言える経営者がこの雑誌を熱心に読むか、というとどうだろう?と疑問符が付いてしまうのです。
迷っている一般経営者、投資家にはきっかけやガイドラインとなりうる良い記事が沢山あると感じます。その上で、よりプロフェッショナルに繋がる道が見えるような記事を次号以降期待したいと思います。
2004 10 21 [メディア] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.20
観光地はやっぱり不景気か
この間の土日で日光・那須に1泊旅行に行っていました。今年は猛暑と台風の影響か、紅葉にはまだ少し早い感じで、日光もまだちらほらと紅葉している木があった程度でした。
土曜日に日光に行き、東照宮で流鏑馬を見たり、翌日日曜日は那須で茶臼岳にあがったりして、久々の晴れた休日を楽しめました。
さて、10月の日光、那須といえば紅葉で渋滞、ということが容易に想像できます。私も、最初かなり覚悟して行って来ました。ただ、上記の流鏑馬も30分前に行ったにしては最前列が空いている、駐車場も混雑はしていましたが少し離れた民間の駐車場は空いている、日光宇都宮道路も渋滞ゼロ、と予想外でした。もちろん、紅葉のピークでは無い、というのはあるでしょう。それにしても、秋の日光の土曜日でこれ?というのは完全に予想外です。以前(7年前)、やはり秋に紅葉を見ようと思って日光に行き、朝の7時で既に日光宇都宮道路が渋滞しており、中禅寺湖には結局上がれず霧降高原方面に逃げた覚えがあります。その後、帰りに宇都宮のガソリンスタンドで話をしたら、地元民は朝の5時に上にいて、8時に降りてくるくらいで無いとだめだよ、とも言われたのです。
まあ、翌日の那須ロープウェイはさすがに混んでおり、通常の駐車場には泊まれず少し下の駐車場に車を停めてロープウェイ駅まで30分軽く登った、ということもありましたからそれなりに人手はあった、と言えるでしょう。それでも那須ボルケーノハイウェイがいっぱいになるほどでは無いところや、那須高原の道路もどこも渋滞していないし、観光客でごった返してはいない点を見ると、メジャーな観光地ですらこれくらいしか来ていないのか、と感じました。
宿泊は那須のペンションで、ここは感じがよくほぼ満室でした。ただ、人出を見る限り大型ホテルは苦しそうかな、とも思えます。
那須は、東京からも近く交通も発達しています。地元での遊ぶ場所も沢山あるのですが、これでも客が少ない。なまなかな振興策では観光やリゾートなんて成り立たないのでは無いか、とすら感じてしまいました。
これだけだと寂しいので、良かった点を挙げておきます。次に行く時まで残って欲しい、という意図もあります。
ステンドグラス美術館
イギリスのマナーハウスを再現した建物で、教会を模しています。内装などもアンティークが多くあり、比較的ゆっくりとした時間が過ごせます。迷路のような構造も面白いですね。ミニコンサートなども多く開かれており、雰囲気を盛り上げていると思います。
扇屋 献上饅頭
那須のお土産として有名な「みそきん」のメーカーがここ。みそきんも買いましたが、御用邸ゆかり、ということで献上饅頭を買ってきました。8個いり2000円ですので1個250円ですね。あっさりしていて、美味しかったです。
2004 10 20 [旅行・地域] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.19
マニュアルはなんのため?
UFJは検査忌避による銀行法違反を行ったとして金融庁に刑事告発を受け、これに対する対応として業務監視委員会ができ内部監査を強化する、と週刊!木村 剛にありました。
ただ、どんな器も「実行しよう」という魂、さらには内部のシステムとして構成員それぞれに「この器(マニュアル)を実行すればよくなる」というように思わせるだけの経営方針があるかどうか、というところも問われていると思います。
私も、今自分が属している組織について業務マニュアルを作っていますが、「マニュアルのバックボーン」も同時に作らないと意味がないな、と痛感しています。マニュアルを作ると「これだけやっていれば良い」という免罪符になってしまい、「最低限これだけは」という意図がうまく伝わっていかないからです。
これを防ぐには、マニュアルを作る段階で、最初から改定を前提として作ること、マニュアルを作る際の基本方針やガイドラインを別途作っておき、レベルアップを常に図れるようにすること、監査を行い、マニュアルから外れているかどうかだけではなく、マニュアルの改定方針も示唆できるような方向性を持たせることが必要だと感じています。
以前書いたことですが、東京ディズニーランドには接客マニュアルは無いそうです。また、今日の日経産業の記事では、スターバックスコーヒーにも接客マニュアルは無く、接客意図の教育のみだそうです。
UFJも、今回の業務監視が「意味があって、行員一人一人にスピリットを叩き込む」ようなレベルにできるか、経営そのものが問われていると思います。
で、このマニュアルを「法令」、経営を「政治」に置き換えると国家と役所にそのまんま対応できるのだけど・・現実はねぇ・・不祥事発生時に「法令違反ではなかった」が言い訳として通用する、というのは魂が入っていない象徴と感じています。
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2004 10 19 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.17
贅沢なけんかをしている場合だろうか
ダイエーが産業再生機構へ支援要請をしました。結局再生機構利用に落ち着きました。三方一両損のような結果です。しかし、今回は純粋な経済的な問題というよりは、政治問題(つぶしたときの雇用や取引など)もそうですが、省庁対決になってしまったようにも思えます。
ただ、今の日本の国の状態って内部の派閥争いをしているような状態では無いと思うのですよね。企業などで派閥争いをして専務派だ、常務派だ、などという小説や映画がありますが、これって外部に対する営業が安定していて初めてできるある意味贅沢なけんかだ、ということだと思います。(内輪もめしても会社が安定しているのが前提の争いなんですね)。で、日本の国の状態って、とっくにつぶれてもおかしくないのにいまだにこんな内輪もめが成立しうる、これは何か変です。
とんでもない借金がある状態だから、それこそ「挙国一致政府」で財政再建と業務の効率化を行わなければならないのですが、各省庁は自分のところの維持と拡大を汲々として行っているようにも思えます。競争原理が働いて、各省庁から一つの政策に対して複数の案が出てくるのはよいのですが、ポジティブな競争というよりも、談合して競争状態をやめようとする圧力の方が強いようにも思えます。
ライブドアと楽天の審査も大変でしょうが、国の予算設定に関する審査はもっと大変だと思います。ただ、それだからこそ案をオープンにし、妙な決定が出来ないようにして、結果として全体最適になるような形にもっていけないか、と感じました。
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2004 10 17 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.16
役所にやる気を出させるために
長崎県のCIO(情報処理主管)に外部から招かれ、オープンソースシステムを使ってコストを下げた、という記事がありました。この記事で興味深かったのは、「役所の現場は変化や苦労するリスクを負いたがらない」ということです。
また、システム発注にあたり、「役所もミスを認める」ようにした、というくだりがあり、ここも大きな変化かと思います。
そして、最大の問題点としてあった「丸投げ意識」を変えるために、業務を分割し、リスクをコントロールできるようにした、というのも参考になります。
さて、今社会保険庁の問題が多く言われています。今日も民間出身者二名をさらに着任させる、との記事がありました。 ただ、現場の意識を変えないと本質的な改革(徴収率のアップ、無駄な費用の削減)はなかなか進まないと思います。そして、この改革を阻むのが、「変化をいやがる役所意識」だと思うのです(これは別に公務員だけでなくて民間企業でも大企業病としてありがち)。
職員個々に成績を上げたことへの向上心を与え、変化を先読みし、内部/外部の監査により進むべき道があっているかどうかチェックする。以前の社会保険庁であれば、余裕があり誰も見ていなかったためにこれだけの無駄ができたのでしょうが、今後はこうはいかなくなっています。腰掛の幹部人事ではなく、プロフェッショナルとしての幹部が育たない、というのも問題でしょう。
地方で人事での競争が働かないケースが多いため、より改革を阻む要因となっているとは思いますが、各担当者には強い意志で「赤字をこれだけ減らした、だからおれにはこれだけの報酬をよこせ」と言わせるだけのシステム改革が必要なのかもしれません。
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2004 10 16 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
今週のニュース(10/10~10/16)
今週も気になったニュースをピックアップしていきます。
将来のエネルギー源として、またリサイクル可能なエネルギー源として石油に代わって水素を使う研究がずっと続いています。そして、水素を取り出す方法として、炭化水素(石油など)から水素を取り出し燃料電池に使うシステムが石油会社を中心に研究が進んでいますが、どうしてもこの過程でCO2が発生します。(まとまった記事はこちら
また、水を直接電気分解して水素を取り出す場合は、その分解に使う電力に石油や原子力を使っていては意味が無いため、太陽電池や風力発電とセットが望まれます。
そして、上記記事では、木材(植物が太陽エネルギーを使って固定した水素と炭素と酸素)から水素を取り出す際、カルシウムを使って二酸化炭素を固定することで空気中への放出を防ぎ、高効率の水素を取り出すことに成功したというものです。すなわち、今自然にある太陽光を利用するシステム、ともいえます。
産業的に見た場合は、このような地味なシステムは大きなビジネスにつながりにくいため育たずに終わってしまうことが時に見られます。このような新技術を使って、トータルとして二酸化炭素削減につなげていく方法をうまく育てていく必要があるのではないか、と思います。
(エネルギー収支と二酸化炭素排出でバランスできるような方程式があれば評価がしやすいか?→自分で作れって)
2.住友信託がUFJと東京三菱の統合差し止め提訴
いまだ決着のメドが見えないUFJの行方ですが、住友と三菱の前面的な争いになってきました。これらをみるに、「予定調和」的な動きはもうなくなったのだなと感じています。
以前ならば、大体の筋書きがあり、根回しをして、表に出る時点では既に大勢が決まっている、ということが多かったと思いますし、逆にいかに予定調和の状態に落とすか、が政治的な能力がある、とみなされてきました(「落としどころ」という言葉が象徴していると思います)。
しかし、変化が激しい時代になり、これらの予定調和に持っていくことで見かけの平和を保つことが既に出来なくなっているようにも思えます。役者が自由に出入りするようになっていることもあるでしょう。
今後の社会、誰も予定調和の状態には持っていってくれないし、それをあてにすることも間違っている世の中に変わっていると思います。自主判断と自主責任、そしてこれをサポートする社会になるように努力が必要と思います。
3.会計検査院、橋脚の耐震補強工事の遅れを指摘
今年の会計検査院による検査で、阪神・淡路大震災後指摘された古い橋脚の補強工事の進行が思ったほど進んでいないことが指摘されました。改修計画も、期限が定められていないため今後もどうなるかはわかりません。全体としての優先順位はすぐにはわかりませんが、予算配分の硬直化が優先順位の変更が出来ないことにつながっている可能性があると思います。政策決定のゆがみがここにも出ているのではないでしょうか。
2004 10 16 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.14
千里の道も一歩から
先日のニュースで、シベリアをマラソンで9000km走った女性の記事がありました。7ヶ月(210日)で9000kmですから、まさに毎日フルマラソンを続けてきたわけです。凄いことだと思います。
このニュースを聞いて思ったのは「人間って移動する生き物だな」ということと、「先がわかっていれば9000kmも走ることが出来るんだな」ということです。
ヒトという生物を考えた場合、地球上どこにでもいます。分布と生態系がまるで一致していません。熱帯性の動物とも、寒帯性の動物ともいえないわけです。もちろん、衣服や建物を作る技術などがあるため、自己生活環境を作り出す能力を持っている故の分布なわけですが、それにしても生き物としては異常といってよいでしょう。
さて、ヒトは二足直立歩行をする特殊な生き物です。これは、手が自由になることで文明を身につけることができた、という意味もありますが、同時に高い走破性も身につけたと言ってよいと思います。体の大きさに対して、足が長すぎるのです。
この長い足が、遠くへ歩いて移動するのに適しているといえるのです。同時に、サル族の仲間として、腕を使った登坂も可能になっています。
かくして、熱帯から極地まで分布する陸上大型哺乳類として稀有な存在になった、と言ってよいでしょう。
また、ヒトにとっての距離を考えた場合「物理的距離」と「心理的距離」の二つが存在します。知らない土地、この先に何があるかわからない(世界の果てには巨大な滝があり、流れ落ちていると思われているような場合)、遠くへ行くことはきわめて心理的抵抗が大きくなります。知らなければ、隣町へすら行くのを怖がるようなものです。
逆に、帰ってこれることが判れば、あとは物理的にどうするか、というだけになってしまいます。コロンブス以降の大西洋がまさにこの状態でした。そして、上記のロシア横断の女性も、快挙ではありますが「探検」では無い、というのはすでに道ができているからです。そして、道は既にあるために、あとは頑張ればできる、ということになるのでしょう。
ところで、人は普通死ぬまでにどれくらい歩くのでしょうか?1日5kmと考えると、1年で2000km弱、20年たつと地球を一周してしまいます。今の日本人の寿命を考えると、地球2週分くらいは歩いていると考えてよいのではないでしょうか。
かように、人とは「移動する生き物」であると思ってよいと思います。それも、自分が意識するよりもずっと長距離を。これが無意識であればどうということは無いのでしょうが、意識して、計画し、挑戦すれば、かなりの人がずっと大きなことを成し遂げることができるのではないかと思うのです。
イチローの年間最多安打というのは誰にでも出来ることではないでしょう。でも、メジャーリーガーを目指し、節制し、調整を続けていくことで挑戦は出来ると思うのです。
「千里の道も一歩から」ということわざ、計画性と継続性が大事である、ということを改めて上記ニュースを見て感じました。
また、今日は会社でISO14001の継続審査があり、これに担当の一人として参加したのですが、手法として継続性と計画性を要求され、実行する中であらためて大きいことを積み上げながら実現していく、ということが身についてきたのかな、と感じています。今の教育で実はここが欠けているのでは無いかと思います。特に「計画性」について。
人生設計、という言葉が保険のCMで出てきますが、実際、投資にしてもこの設計の一部として行わなければならないのだな、と感じました。
(木村氏の長期で金持ちに、というのもこういうことなのかもしれません)
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2004 10 14 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.12
技術発達の波と変革
今年のCEATECは、大型薄型ディスプレイというわかりやすい技術もあり、相当にぎわっていたと思います。また、技術発達にはなぜか波があり、なにもこんなにまとめて出なくても、と思うくらい無いときは静かで、出るときはまとまって出てきます。ここ2年くらいは、この上げ潮の時期では無いかと思うのです。
さて、最近の新技術について共通のニオイを感じる、というコラムがありました。これは、人の動きをそのまま使って情報伝達や認証にしよう、というものです。言ってみれば「人が正しいと認めているものは機械ばそれに従う」というものと言っていいかもしれません。逆に言えば、理論レベルで厳密性を求めるほどのものでないものも沢山あり、そういう程度のものならばもっと簡単にしよう、という動きとも取れます。
最近の技術の発達に関しては、疎外感を持っている人も多いと思います。特にIT関連で多く見られます。ただ、これは「技術を使いこなす」ことをユーザーに要求しているためであり、もっと技術が発達すればまた人が前面に出てきてより使いやすいシステムになっていくと思うのです。エージェントにしても、その人に常にくっついていてパターンを読み、適当にいうだけでその人にあったものを出していく、ということが期待できます。既に実用化されているのでは、ケータイメールの辞書ですね。少しの入力で先読みして候補語を出していく。そして、その人が良く使う言葉が優先し、どんどん使いやすくなっていく。これが、エージェントの基本的な姿でしょう。でしゃばることなく、機能を判りやすく提示し、使っていく。エージェントの存在すら意識させないレベルになって、初めて「使いやすい」ものになっていくと思います。
インターフェースも、音声よりはむしろスイッチの方が「人」でないものを扱うためには人の意識としては使いやすいのかもしれません。人に似すぎていると、使わなくて良い人に対する気遣いまで必要になってしまうことになりかねませんので。
そうなると、今試験されているロボットのデザインが、人の形をしていても表情を持たせないようにしているのは、技術者の本能としても正しいように感じます。
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2004.10.10
黒潮よさこい祭りを見てきました
台風22号で10日の開催が危ぶまれていた黒潮よさこい祭りですが、なんとか無事に予定通り銚子市で開催されました。地元民としては、初めての開催でもあり、今後につなげるためにも、と思い見てきました。
元々祭りが盛んな土地柄でもあり、1000人単位では観客がいたように思えます。連数も23と、まずまずの数でした。
衣装も、結構派手なものもあり、単なる素人さんが集まっている、というレベルは超えられたかな、と思います。
まあ、時折音楽が途切れたりのハプニングもありましたが、観客にもそれなりに受けていたでしょう。ただ、観客のノリが今ひとつだったかな、とも感じました(まだ照れがある?)
以下は、少々苦言。
1.オフィシャルホームページにタイムテーブルが無い。事前にパンフを入手していればよかったのですが、これでは外部から情報を調べようがありません(結局、色々探してなんとか見つけました)。
2.同様に、台風に関する開催情報もありませんでした。ネットを見てくる人は少ないため、とも思えますが、「観客」を意識するならばこの辺の体制も少し整えられたほうが良かったと思えます。
3.観客に楽しみ方を教える(手拍子をスタッフが誘導する、声をかけるなど)がもう少しあっても良かったと思います。
4.場所が無いのはわかっていますが、駐車場の案内をなんとか・・
次は良かった点。
1.運営、交通整理などよく準備が練られていたと思われ、スムーズでした。
2.道路を使って4箇所のステージで同時開催なのですが、音響的にかぶらず、かつそのステージではきちんと聞こえるということでバランスがうまく取れていました。
今回は第1回ということで、踊るほうもまだレベルがそれなり(外部から呼んだ連と比べると差が・・)ですし、見るほうも慣れていないと思います。ただ、これを繰り返し、なんとか10年出来れば場所の知名度とあわせてうまく観光資源につなげられると思いました。また、市民にとっても足が遠ざかっている商店街を見直す機会にもなったのかな、とも思います。連によっては銚子で盛んなお囃子の生演奏とセットで、ということも出来るかも知れません。これが出来れば、他の場所とはまた違ったよさこい祭りに発展できる可能性があると思いたいです。
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今週のニュース(10/3~10/9)
今週も気になったニュースをピックアップしていきます。
1.大容量キャパシタ、実用化目前か
キャパシタは、通常の電池が化学反応を使って間接的に電気を蓄えているのと違い、直接電気のまま蓄えることができるため充電・放電が高速かつ高電圧が取れる性質を持っています。そのため、電気自動車などへの利用が期待されてきましたが、今までは小さなものしか無かったため、動力に使う、というところまでは出来ませんでした(電子回路にあるコンデンサがそう)。
ただ、炭素を特殊加工するなどにより、化学反応型二次電池として利用されているニッケル水素電池とほぼ同等の充電能力を持つようにできるメドがたっており、上記ニュースではPCの電池として技術展示が行われました。
また、キャパシタはその高速充電、高圧放電の性質のため、動力、特に発電することでブレーキをかける回生ブレーキによる充電と、この電力で動く電気自動車の省エネなどに強い期待が出来ます。電気自動車が燃費が良い、というのは、単に外部充電(エンジンによる自家発電含む)だから、というのではなく、回生ブレーキが使えるから、という面が大きいと思います。つまり、加速するために使うエネルギーを、ブレーキをかけるときや下り坂を降りるときに回収できるからです(電車はシステム全体で積極的に回生ブレーキを使って発電もするようになっています)。ただ、ブレーキによる発電は瞬間的に大電力が発生するため、十分なエネルギー回収を行うためには充電容量と共に充電速度が求められてきました。キャパシタはこの目的に最適と思われます。
将来のハイブリッド車、燃料電池プラス大容量キャパシタ、という電動になるのかもしれません。
2.自民党、公共工事の品質確保法案提出へ
公共工事に関して、最低価格で落札しても品質確保が出来ないと判断すればその業者には出さない、という趣旨ですね。理屈は通っていますが価格競争を阻害するような動きではないか、とも取れます。品質確保、というのであれば、大規模工事の入札資格にISO9000s(品質管理に関わる国際標準)の認証取得を義務付けるとか、客観的に判りやすく、かつ競争阻害では無い形にしてほしいものです。
国と地方の権限と財政の見直しを骨子とする(でいいんだよね?)国と地方の税財政改革(三位一体改革)について、権限と予算を削られる形になる省庁から有形、無形の圧力が各自治体へかかっているようです。反対にあたり、林野庁がその雛形まで作って各自治体に「この書面で反対しなさい」ということすらした、という疑惑もあるようです。
そうかと思えば、今度は郵政民営化について各地方議会で反対の決議が多くされたようですが、これは郵政関係団体の働きかけによるものといわれています。どちらにしても、ユーザーの意見がそのまま反映されたかどうか、という点では疑問があります。
いろんな人がいろんな意見を持っているのが民主主義だとは思いますが、提案に対して「経済的にはこう」、「福祉の観点からいくらまでなら我慢できる」という定量的な計算ができるような形に持っていくことが重要かと思います。
4.イチロー、国民栄誉賞辞退
メジャーリーグで年間最多安打記録を破ったイチロー選手に対し、政府が国民栄誉賞の授与を打診したところ、本人が辞退する、という希望が代理人を通じて伝えられました。
国民栄誉賞については、政府のパフォーマンスというか、ネタ作りというか、そういう面が見られるため私はどちらかというと反対です。特に、後付の賞は格好悪いと私は思っていますので。山口県が国道262号を「イチローロード」と名づける、という話もあるようですが、かなり無理があるようにも思えます。
ノーベル賞があれだけ権威があるというのは、内容の妥当性もさることながら、「最初に自分が賞を出す」という気概にもあると思います。賞の安売りはその賞を貶めるだけ、ということを出す方も意識してもらいたいと思います。
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2004.10.09
IT業界に見るオープントークの習慣
既に週刊!木村 剛 などでも話題になっていますが、経済産業省商務情報政策局と、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)が共同でBlogを運営し始めました。もちろん、ここで書かれる記事内容がそのまま政策にリンクする、ましてや陳情窓口になる、なんてことはないでしょう。
さて、既に上記Blogでも話題になっていますが、本Blogを始めるにあたって「IT業界の場合、ネットの中にはかなり良識的な人もいるはず」という一文がありました。これは、氏も書かれているように、IT業界ではネットを使って問題を討議して共に解決していく、という文化があることが前提としてあったのかな、とも思います。(メーリングリストやBBSにおける話し合いのノウハウが貯まっていた、ともいえます)。
まあ、ITのシステムでは「理論的にはできるが、実行をするには知恵がいる」ということが多いのと、「コンピュータに文句を言ったってそれは自分が悪いだけ」ということがあり、プラグマティックにならざるを得ない、ということも話し合いやすい文化を創ってきたことにつながるでしょう(ペンティアムに、動かないと首だ、と脅しても無駄ですし)。
世間的に、「権威」が通用しない世界は、既存の権力を持つ人たちに嫌われる傾向があると思います。今回のBlogの立ち上げが、打たれないくらい太くて大きい杭に育つことを願い、また出来るならば内容を理解して役に立つトラックバックを打てるようにしたいと思います。
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2004 10 09 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック
2004.10.08
TVは視聴者が増えなくても良い?
今、幕張メッセでCEATEC JAPAN 2004として、旧来のエレクトロニクスショーを発展させた形の展示会が開かれています。新しい画像表示システムや、各種センサーなど次世代を目指す技術の展示会として興味深いです。
この中で、AV評論家の麻倉怜士氏によるテレビに関する講演がありました。
氏は、発売まもないBlue-Rayディスクレコーダをフルに使い、デジタルハイビジョン番組を多く録画して楽しんでいます。ただ、今のデジタルハイビジョンは「コピーワンス」として一度録画したら、これをバックアップしたりすることが一切できません。また、編集もほとんど不能な状態です。これについて、氏がTV局関係者にコピーワンスはエアチェックのやる気をなくさせるのが目的か、と聞いたら、「放送は生で見るものです。アサクラさん」と言われたそうです。
TV番組って、「見られてなんぼ」の世界ではなかったのでしょうか?
今、ディスプレイに対する時間の奪い合いがTV,DVD,コンピュータで起きているのは周知の事実だと思います。その中で、ユーザーが番組を見ようとするタイムシフトをみずからつぶして視聴機会を奪おうとするのは、売る気がないのでは、とすら思えてしまいます。
もちろん、CMについてレコーダでは飛ばされてしまうから、という危惧や、海賊盤が多く出てコンテンツの2次利用の妨げになってしまう、ということはわかります。ただ、だからといってトータルでの視聴率を自ら減らしてしまうことが果たして正しいことなのか、はなはだ疑問に思うのです。特に、コンテンツの2次販売を考える場合、熱心なファンは録画して、さらに正規版まで買う、というのが「マニア市場」なんですけどね。「薄い」ネタではマーケットに見放されてしまうと思うのですが。
次々と番組を送り出し、タイムシフトも許さないことで新しい番組と古い番組とのぶつかり合いを防いでいる、とも言えますが、競争阻害型では質が上がっていかないのはいずれの業界でも同じと思いますので、ここは「見始めたらリモコンが意識から消えてしまう」ような番組を多く作っていって欲しいもの、と思います。
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2004 10 08 [メディア] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
借金のつけまわしは最後に破綻する
国の省庁別財務諸表が始めて計算され、公開されることになりました。国債を管轄する財務省をはじめ、3省庁が債務超過に陥っていることがわかりました。
さて、今国と地方合わせた借金が700兆円(国民一人当たり1500万円)といわれています。色々あるでしょうが、なぜこんなことになったのか。当初は先行投資、ということもあったでしょう。ただ、今「失われた10年」を見ると、「自分では既に信用力がなくなり、新たに借りられなくなったから、代わりに国に借金をさせていた」というように感じます。ミクロの分野では、公的保証を元に銀行が融資を借り替えさせていた、というのがわかりやすいですね。
これを「弱いものを助けるのが政治の役割」というのはたやすいです。ただ、美名に隠れて先を見なくなってしまったのではないか、とも思えるのです。
今を生きることはもちろん大切なのですが、同時に明日も生きることを考えていなかったのか、自分たちを含めて見つめなおす必要があると思います。
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2004 10 08 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.05
面白い方向になってきた
以前の記事で、メディア関係者が面白い座談会をしている、というのを書きました。ここでの主役の一人が、フィナンシャル・ジャパンの編集長でもあられる岡本氏。色々と興味深い内容でした。
で、岡本氏のサイトを見ていて面白かったのが手塚宏之氏のページ。経営エンジニアリング、という概念は新鮮で逆にしっくり来るものがあります。
「新日本人論」なども面白く感じました。今後を楽しみにしています。
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民間宇宙機、実用化へ一歩前進
以前にも紹介しましたが、民間機による宇宙到達へのX-Prizeについに受賞者が出ました。個人的には、今回の機体はまだ「宇宙船」というよりは「宇宙機」というほうがあっているように思っています(軌道周回はしていないし)。
ただ、従来のスペースシャトルなどでは出来なかった親子飛行機による空中発射方式が実用化に近づいた、ということでは、宇宙ビジネスへの民間参入がまた近づいた、と言えるでしょう。今回の機体を発展させれば、3段目として空中発射による小型の衛星打ち上げも可能になるかもしれません。
そして、今回のような飛行機型の空中発射機に関しては、日本も実は地理的には有利といえるでしょう。なぜなら、太平洋に向かって飛んで行く分には領空侵犯の心配をする必要が無いからです。軌道に乗せるためには、東側へ飛ばすのが有利(地球の自転速度も使える)のですが、日本はまさに極東ですので他国の心配をすることなく宇宙機を飛ばせる地理的環境にあります。
もっとも、アメリカ空軍が「作戦のためなら民間衛星だろうが打ち落とすかもしれない」というレポートを出している状況ですので、民間が宇宙に入っていくということは以前のような牧歌的な特別な場所ではなくなることも意味しています。今後、ビジネスや国家戦略の面で宇宙軌道という限られた資源を争っていく必要もあるかと思います。
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2004 10 05 [科学、学問] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2004.10.03
銚子でもよさこい祭り
来週の日曜日(10月10日)、銚子で第1回黒潮よさこい祭りが行われます。詳しい内容はこちらのオフィシャルサイトをご覧下さい。
で、今日たまたま実行委員の一人の方と話をする機会があり、出演者も気合が入っている様子が伝わってきました。24チームあり、地元周辺でもリハーサル段階でそうとううまく行ったとか、出演者がすっかりスマートになるくらい練習をした、などの元気がある話を聞けました。
そもそも土佐の祭りであるよさこい踊りが各地で行われるようになったのは、札幌で地元の大学生がはじめたよさこいソーラン祭りが成功したことがきっかけだと思います。そこでは、形にとらわれない参加ルールが作られ、盛り上がりをうまく作ることに成功しました。ここ銚子でも、祭りや踊りが盛んな土地柄ですが、外部から客が呼べるイベントにはなかなかならない、という問題があったと思います(夏になると、あちこちでお囃子の音が聞こえるのですよね・・盆踊りもテープではなく生演奏ですし)。
地元の町おこしだけではなく、外部から客を呼ぶことを意識して運営し、成功されることを願いたい(自分も見に行きます)と思います。
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今週のニュース(9/25~10/2)
今週気づいたニュースをいくつかピックアップしていきます。
1.イグノーベル賞(平和賞)に日本人のカラオケ発明者が受賞
ノーベル賞のパロディ版であるイグ・ノーベル賞が日本人のカラオケ発明者に送られました。イグ・ノーベル賞については、こちらの解説記事(HotWirerd)や、こちらの本(イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!)を見ていただくのが良いと思います。基本的にはおふざけなのですが、あくまでも真面目に、かつ科学的にパロっているところがこの賞の価値であり、意味だと思うのですよね。ですから、逆に権威付けられることは選定者の意図するところでは無いと思いますので、報道などでの評価も難しいかもしれません。
飲料などで多く使われているPET樹脂製のボトルについて、回収が軌道に乗りつつあるようです。始まった当初は使い途が無く自治体が回収してもさらに有料で処理していた状況がありましたが、昨年からはPETの分子レベルでの再利用システムが進み、再びPETボトルへの再利用が出来るようになってからはより効率的なリサイクルが出来るようになりました。(データはこちらを参照。当初は繊維がほとんどだったのが、昨年は1割近くまで再びボトル原料として使えていることが判ります。)
エネルギーの問題はありますが、少なくとも物質としてはリサイクルを進めることで無駄の無い資源の利用が出来るようになってきた一つの成果だと思います。
3.内閣改造、派閥は完全無視
といいつつ、副大臣、政務官は派閥均衡なんですけどね。ま、これはおいておいて今回の内閣人事について、森前首相が怒りをあらわにしました。
TVでの言動や新聞記事を見る限り、「今まで努力をしてきた人に報いていない」「挙党体制にはこれではならない」ということが怒りの理由のようですが、内閣の業務を論功行賞の対象として考える、ということ自体が問題ではないかと思います。小泉首相の人材配置がその業務において望ましいかどうかは、私は判断できません。ただ、各セクションの行政業務において、戦略的に考えてその業務を行うにふさわしい人を当てていくのが当然ではないでしょうか。今の政治において、「あるべき姿を掲げてそこに向かうための手段や状況を議論する」ではなく、「目標はどうでもいいが、どの役職に誰がつくかを争っている」のため、国民から愛想がつかされているのが現状ではないかと思います。国会議員の方々が色々と忙しく、かつ勉強を一所懸命されているのはわかります。ただ、では「自分はこの分野についてこういう勉強や内容を検討してきた。だから、これを実現するために大臣なりになりたい」というアピールはほとんどされていなかったと思います。小泉首相はこの点、郵政民営化については首尾一貫していますね。
政策論争の結果、大臣が選ばれる、ということができる、文句をつけるにあたっても「私はこの問題について彼は出来るから推薦したのに」という事をいえるような状況を望みたいと思います。
4.イチロー、メジャーリーグの年間最多安打記録を更新
記録の上位はイチロー以外全て1910~1930年代と、変化球なんてほとんどなかった時代のものでまず破られないだろうと思われていた記録なのですが、今年のイチローは大幅に更新しそうな状況です。こうなると、打率4割くらいしか大目標は残っていないような感じですね。進化論的に、フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説 ハヤカワ文庫NFもありますが、彼ならイチローを突然変異と見るか、最近の野球の状況から見た進化の必然と見るか、興味深いところです。
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2004.10.01
ローカルな選挙と世界への影響
核燃サイクル事業に19兆円、実際にはもっとかかると言われています。ただ、これらの事業については「地元が受け入れた」という理由で逆にブレーキをかける手段がなくなってしまっているのが実情です。そして、原子力については地元にとっては仕事、金、暮らしに貢献度が高いため、反対票を投じることも出来なくなってしまっていると思います。
もちろん国家事業ですから、国政に対して反対意見を持つ議員を多数送り込めれば無くなるのが民主主義ですが、実質的にダイナミックな変化を起こすことは難しくなっています。
さて、アメリカ大統領選挙も大詰めを迎え、二人の候補者がTV討論を行いました。これを見て、1国の首長選挙が世界情勢に大きな影響を与える、という点で上記の六ヶ所村の選挙とも状況が似ているように思ったのです。私のような非アメリカ国民(非六ヶ所村村民)が影響を与えることが出来ないが、その結果が自分に返ってくるという点でも同様に。
民主主義は複数の人間の意見をまとめて全体の福祉に結びつける現実的な方法ですが、グローバル、という面では限界もあるな、と二つの選挙について思いました。
(戦前責任は誰にでもあり、「こうなる前に選挙権もあっただろうに」と叫ばれないためにも、色々と考えなければならないのですけどね)