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2004.11.04
ネット時代の映像CM
ネット時代、ブロードバンドが普及するようになると既存メディアはどうなる、という話が以前からあります。最近は新聞などの報道メディアがネットでどう変わっていくのか、ということが話題になっている状態ですが、実のところ、一番影響を受けるのは民放のCMではないか、と実は思っています。
というのも、TVCMは限られた時間の枠で最大限の力を発揮するように出来ていますが、ネットでは時間、枠、料金などの制限がなくなってしまい、極端な話、1時間かかるCMだってできるようになるからです。既に実験的に自動車メーカーなどがプロモーションビデオ(ショートフィルム)の作成を行っています(私が知っているのは、マツダのアテンザについてリュック・ベッソンがプロデュースして作った、というものがありました。今は公開されていません)。
さらに、ネット配信でのコンテンツ配信が普及し、リビングPC(のようなもの。ネットからコンテンツを拾ってこれる情報家電でもOK)でチャンネルとサイトがシームレスに繋がるようになれば余計に「コンテンツそのものの魅力」で視聴者を引き付けないと、端から見てくれない、という状況が生じると思うのです。
通常のテレビ番組も、HDDレコーダのようなタイムシフターが普及すれば、「見たいときに見たいものを見る」が普通になります。麻倉怜士氏は「全録」という言葉を使い、全チャンネルを取り込んで見たいものだけを発掘するという形を提唱しています。これは、放送局の編成権を奪うものですのでそれなりの各局の抵抗はあるでしょうが、デジタルコンテンツでも録画したものの早送りすら許さない、というプログラムは顰蹙をかうだけだと思いますので限界があるでしょう。
そして、ネットでは個別視聴率をいままでよりも計測することが簡単ですので、企業にとってもよりターゲットを絞り込んだ広告展開が可能になるでしょう。さらに、CMのコストとして大きな要素を占める「電波料」がかからない、ということがコスト構造上視聴者が少なくてもトータルとして計算があう、という可能性があります。
ブロードバンド接続が、電話と同様の「情報ライフライン」というレベルにまで普及したときに大きな転換点がくるように思っています。そして、その時に「時間とチャンネル数で規制された」既存民放が果たしてやっていけるかどうか、難しいところに来ているように思えます。
実験レベルですが、DVDハイブリッドレコーダに光ファイバで映像を配信することが始まります。PCを使わないことで自由度が多少落ちますが、ネットを使って自由に配信、という点では変わりません。
不特定多数に向けて新商品をアピール、とか、知名度アップ、という点では従来型のCMはなくならないと思いますが、ネットでは、どう、という競争相手が出てきているのは間違いないと思います。
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2004 11 04 [メディア] | 固定リンク
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