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2004.11.12

天然はいいことか

昨日の読売新聞の投書欄に、新潟県中越地震によって起きた地滑りで川がせき止められてできた「天然ダム」について、「天然という言葉は肯定的なイメージがあって、災害を起こしかねないものに対して使うのはどうか」という趣旨の投稿がありました。そして、今日asahi.comに国土交通省が呼称を変える、という記事が掲載されました。投稿の方にも私は違和感を感じていましたが、国土交通省の決定に至っては、いったい何を考えているのだろう、と思ったものです。

確かに、「人工」「合成」に対して「天然」「自然」の方を良いように使ってきた商品や企業が多数あります。しかし、「天然ならば体に良い」なんてのは明らかに行き過ぎだと思うのです。

天然毒と人工毒、どっちが怖い、といった場合どちらも似たり寄ったりですね。毒キノコ、なんてのは間違いなく「天然」ですし。

人間が行うことは自然の営みに比べれば小さいものだ、というのは確かですが(今回の地震は間違いなく「自然災害」ですしね)、だからといって天然、自然を無条件に礼賛するのはそれも人のとる態度としては間違っていると思うのです。

「天然鮎」はうまいかもしれませんが、「天然キャベツ」がうまいという保証はありません。米も麦も人が一生懸命品種改良をして美味しくて食べやすいものを作ってきたわけです。そして、栽培も農家の方の懸命な努力あってこそ、ということですね。これらの人の努力もきちんと評価する、そして自然も天然も怖ろしい面があり、それでも単に怯えているだけではなく、敬意を持って立ち向かう。これが自然科学の基本的な態度であり、科学とは何か、ということを教える基本スタンスであると思うのです。

難しいことではありますが、国土交通省は突っ張ってほしかった、と思うのは私だけでしょうか。


2004 11 12 [科学、学問] | 固定リンク

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