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2004.11.16

商業メディアが成り立つ基盤

 新潟地震の際に、各メディアが取材を行いその中の一部には地元に迷惑をかけたり被災地の状況を鑑みない行動があった、と聞いています。そして、「受けるためにはどこまでも」という部分があるのではないか、とも感じています。これは、なんでメディア企業が営業が成り立っているか、というところが原因ではないかと思うのです。

 さて、商業メディアと言えば民放が代表です。広告料金がその主たる収入源であり、ユーザーから直接料金を取る形態はとっていません(一部の有料放送チャンネルは除きます)。そして、マス広告である以上、「まず見てもらう」ということに力点を置かざるを得ないと思われています。では、広告なしで成り立つ商業メディアはあるのでしょうか。

 科学雑誌の”Newton"は、かつて「広告なし」を掲げて創刊し、しばらくその状態が続きました。今でも、雑誌全体に占める広告の割合はごく一部です。それで、オールカラーの科学雑誌を成り立たせているのはたいした経営努力だと思います。

 テレビ番組で言えば、例えばガンダムとか仮面ライダーとかは、番組そのものがCMと言えます。キャラクターや関連グッズを売るための。スポンサーが自分で番組を作り、局は流しているだけ、というものと言えます(ガンダムなんて、バンダイの子会社であるサンライズが作成し、親会社のバンダイがプラモデルで売る、という形態ですね)。
ただ、そうであっても作品としてつまらなければ打ち切りなどとなるため、製作者側はシナリオを練り、視聴者に受けるために努力をしています。一般番組も当然手抜きなどはしていないと思いますが二次利用等が難しい状態では、うまくペイできるシステムが成り立っていないのではないでしょうか。

 日本でマンガがこれだけ普及したのは、国民に文化的に受け入れる素地があったから、というものあるでしょうが、それ以前に「マンガは儲かる」「マンガ家もヒットすれば大もうけ」というシステムがうまくできたから、と思います。少年ジャンプなどを見れば判りますが、これらのマンガ雑誌には「広告」はほとんどありません。あってもそれは出版社のものであり単行本が出た、とか新作はこうなる、というものであって中身とまるで関係ない広告は無いと言ってよいでしょう。

 コンテンツそのもので売れる形態が無ければ、広告で成り立つフリーペーパー、となります。現状の民間放送メディアがまさにこうなのですが、これが「視聴者をひきつけなければならない」という構造的な状況を生み出していると思います。

そして、「コンテンツ」として独立して売れるものは単独でも成り立たせていく方向がふさわしいだろう、といえますが、では「報道」にかかるコストは誰が負担するのが「ビジネスとして成り立つ」のでしょうか。

 広告依存型では広告主に対する制限がかかるのと、量的に多くを求められるため今と同様に「マス追求型」になってしまいます。新聞のような「ペイペーパー」の場合、テレビ系で行うと緊急時に「みんなが持っているメディア」にならなくなってしまいます。(限られた人にしか伝わらない、では例えば台風報道などができなくなります。(国が枠を買って流すとしても訓練された人員が急に出るわけではない)。ペイTVの一時無料化もできないわけではないでしょうが、ペイTVだけとなると普及はそうは進まないでしょう。

 公共放送はそのためにある、という見方もできますが、「別に見られなくても良い」、「ネタがないから流しません」とまでの割り切りはなかなか難しいと思います。

 今のテレビにしろ、新聞にしろ、「絶対に全国津々浦々まで伝えるべき」という報道ネタはそう多くは無いと思います。しかし、広告モデルである以上多くに見てもらうことが優先するために必要以上に引っ張り出す、掘り返す、追いかける、などの行為がなされているのでしょう。

 Blogがメディア、ジャーナリズムになり得るかといえば、チェック機関、誰かがどこかで見ている、というレベルのジャーナルは起こりうると思います。また、何かのムーブメントのきっかけになるとか。しかし、1次取材能力や、多くの取材者をまとめて編集する能力は個人ベースで行われているために「組織力」には勝てない部分が生じます。
メディア企業がネットという媒体をうまく使っていく要素と、個人がチェックして暴走を防ぐ、ということでのバランスが取れていく形に落ち着いていくのでは、と感じます。そして、そのコストは個人ベースは相互扶助以上にはならないでしょうが、企業ベースでは広告、マーケティング、ライフラインという観点では場合によっては税金、ということもありえるのかもしれません。(権力チェックにならないという大問題がありますが)。


2004 11 16 [メディア] | 固定リンク

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