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2004.12.05
今週のニュース(11/28~12/4)
今週も気になったニュースをピックアップしていきます。
1.東大チーム、1000兆分の1秒だけの発光に成功
通常私たちが物を見るときは、光を当ててその反射した光を見ています。そして、これは連続した光のため、すごく短い周期で動くものについてはシャッタースピードを上げるか、光が無いところで一瞬だけ光らせてその瞬間の状況を見るという方法しかありません。そして、シャッター速度を早くするには機械的な限度があるため、一瞬だけの光のその「一瞬」をどこまで短くできるかが研究されてきました。そして、今回東大チームが1000兆分の1秒、というきわめて短い間だけ光っているレーザー光の発光に成功しました。
1000兆分の1秒というと、光の速さでも300ナノメートル(1ミリの3000分の1)しか進めません。人の目に見える光の波長は通常400~800ナノメートルですので、紫外線の1波長分くらいの間しか光っていないことになります。
これは、色々な応用が期待できます。例えば生物の細胞の中での酵素の働き、分子同士がどのようにくっついているか、どの形の時に反応しているか、などが判れば新しい酵素のデザインなどができるようになり、酵素を使った物質の製造などに役立つようになります。他にも製造技術の改善、物質表面の動きなど考えられることは無数にあります。
一見何の役に立つのかわからない基礎研究も、別の目でみれば役に立つ。これは別に研究に限った話ではなく物事を解決するための基本的な考えだと思います。多くの目で役立たせることもまた必要なのでしょう。
2.人身売買対策の案がいくつかまとまる
現在日本には、国際的な人身売買を直接取り締まる法律はありません。そして、アメリカなどから「要監視国」と言われる羽目になってしまいました。これを踏まえ、人身売買罪の新設や、不法滞在にたいしても即時の強制退去を行わない、などの対策が進んでいます。ただ、どうもニュース等を見ていると人身売買を行っている組織そのものに対して断固たる処置を行う、という態度が見えてきません。江戸時代からの「娘を売る」、明治以降も「女工哀史」などの暗い伝統がいまだに陰を落としており態度が明確に出来ていない、というのはうがちすぎでしょうか。
3.元日本代表を中心とするジーコドリーム、アルビレックスと震災支援のチャリティ試合実施
新潟県中越地震被災者支援を目的として、三浦和良選手をキャプテンとするジーコドリームと地元新潟アルビレックスとの試合が行われ、これに先立ち新潟入りしたジーコ監督以下選手たちが各地を慰問しました。それにつけても、日本サッカー協会の動きは実に素早いものがあります。この試合の企画が発表されたのが11月12日ですから、地震発生から20日、ということは企画は地震直後からすでに動き始めていたと思います。最初は誰かの発案だったのでしょう。そして、これを現実のものとするためには多くのスタッフがものすごい速度で動いたことが創造できます。もちろん、地元アルビレックスやジーコ監督、そして選手を出す各チームの承諾を得ることが最重要となります。また、チケットシステムやスタッフの確保を含め、3週間ですべて手当てしてしまったこと、企画にゴーをだしたサッカー協会上層部も判断と実行速度は並みの企業では負けてしまう勢いだと思います(プロジェクXのネタにもなりそう)。
それにつけても、プロ野球側で何かイベントをした、というのは寡聞にして聞きません。義援金については清原選手や日本野球連盟が寄付をした、というニュースはあるのですが・・
こういう被災者支援という点では実際に現地に入って活動するほうが「より感謝される」と思います。湾岸戦争の時の日本ではありませんが、「金を出しただけ」といわれかねないところがプロ野球側の動きの取れなさを象徴しているようにも思えて仕方がありません。
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