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2004.12.15

企業の適正規模はどれくらい?

かつて流通の王者と言われたダイエー、マイカル、そごう、そして西武百貨店、西友と大型流通業の破綻、身売り、再生が相次いでいます。そして、逆に地方のリージョナルチェーンが元気を取り戻しているそうです。(元記事はこちら
 そして、これらの元気な店舗群に共通しているのは、規模拡大を志向していない、ということだそうです。また、私の地元でも小さな魚屋ですが高品質で売っているところがあり、ここも規模拡大をしようとはしていません。これらには、ある共通項があるように思えます。

一つは、身の丈経営というか、リーダーの目の届く範囲にとどめた経営をしている、ということです。人間一人がきちんと見て判断が出来る組織の範囲は限度があると思います。1万人の企業で全員の能力を一人で見て適材適所に配置する、各事業に適切な判断を下すことが出来る、ということは不可能です。これがある程度以下の規模で抑えておけば、(リーダーが正しい判断を下す限り)、機動性と統一性をもった運営が可能です。

 それから、地域密着型といいますか、地域の特性を理解した形の運営が出来ていることです。日本は狭いとはいえ、地域ごとに生活特性は相当異なります。正月、お盆、お彼岸の時の用品にしても個々の地方により必要とされる品物は違うと思います。これらに対して中央本部で決めて各地域の店舗に、とやると間に合わない、ジャストフィットしない、ということになりかねません。

 さらに、食品スーパーを考えた場合、大型店であればあるほどチラシを打つために必要な商品の仕入れが難しくなることです。少し考えてみればわかりますが、例えば水産物はそんなに一定に水揚げがあるわけではありません。今日漁に出た水揚げと明日の水揚げについて品物の種類、数、品質が異なるのは当然です。しかし、TVCMを使うような場合ですとCM作成に何日、そのための企画に何日、となってしまい、「今日上がった本当に美味しいもの」というのは提供できなくなってしまいます。出来ても、各店舗独自企画となってしまい本部のコントロールをすればするほど適切な食材提供が不能になってしまいます。また、逆にきちんと管理できるものは工業的に生産できる食材か、冷凍物か、になってしまって「何でもあるけど欲しいものが無い」状態になりかねません。

 顧客一人一人の要望が異なっています。これらに対してマスプロダクションの製品ですべて対応するのは無理がきているのではないでしょうかマスプロ製品には品質の安定、安価、安定供給などのメリットがありますが各顧客個々の要望にはジャストフィットしない(最大公約数ゆえに、誰にもジャストフィットはしないという矛盾)という問題点があります。そして、個人~小型店であれば一品物や今日だけ売り、というのもありなのでしょうが組織管理になると計画性を求められるためこのような行動が出来にくくなってしまいます。

 これは流通業だけでなく、製造業、そしてマーケティングにかかわる部分すべてに共通するように思えます。さらには、行政の考え方にも通ずるものがあるでしょう。中央集権が難しくなっているのは、みんなに公平にサービスを、という考え方がみんなに公平に不満を持たせるようになってしまっている面があると思います。

 個別マーケティングは個々の顧客に最適化が可能です。というか、最適化できないようであれば個別マーケティングをしている意味が無いと思います。そして、顧客が最適化したサービスを求めるようになってきている今、個別マーケティングが出来る規模の企業(行政もサービス企業の一つとして)が適正になりつつあるように思います。

2004 12 15 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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