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2004.12.17

混合診療:医療保険は完璧ではない

最近の規制緩和の一環として、医療保険における混合診療を認めるか、ということが議論されていました。そして、とりあえずは例外の拡大といういかにも日本的な形で一定の前進が見られるようになりました。
 現在の公的医療保険制度は、ある特定医療行為にのみ保険適用が認められ、その枠外から少しでも外れたことが入ると一貫した治療行為すべてが自費となるシステムです。医療行為の内容が保険適用が認められる範囲ですめば何の問題も無いのですが、治療行為が研究途上だったり、同じ薬でも新しい薬効がみつかったりして保険適用が遅れているような場合で、従来の方法では治療できない場合、いきなりすべての治療が自費になってしまうというと、「保険の切れ目が命の切れ目」になってしまっていました。つまり、厚労省側が主張する「公平な医療を」という思想は既に壊れてしまっているわけです。

 その中で、現行保健医療をベースとしたオプションを認める、というのは妥協策としては自然なものでしょう。まあ、このオプションに関する民間保険の参入を狙っている、という点ではオリックスの野望があったり、保険財政の危機に対する公的保険の縮小を狙っている財務省の陰謀と取れなくもないですが、現場で現実に困っていることを解決する、という思想で行けば「自費でやるからプラスアルファをやらせろ」というのはそう無理のある意見では無いと思っています。特に外国で既に実用化されている薬の使用がいつまでたっても保険適用の議論にもあがらない、というのは規制が命を奪っている、という見方すら出来ます。
 
 また、既に差額ベッド、リネン代などのホテルコスト部分、食費などでもオプションという形での保険外混合は実質行われているのが実態です。これらが病院経営の大きな柱となっていたり、不明朗な請求をされたりする原因となっている、という問題は確かにありますが、それこそ民間保険の充実や経営の透明化を図っていくことで解決できる部分ではないかと思います。

 医療に関する経費に関しては、無駄な部分、逆にがんばっている現場の医師、看護師に報いられていない部分など効率化の余地が多くあると思います。さらには、医療~看護~介護というのは本来は連続したスペクトラムなのですが制度上の断層があるためシステムがうまく整備できていません。ここでも、マーケティングの思想が欠けているように思えます。

 みんなのために、という事が「誰のためでもない」ということになっている現状、現場に多くの裁量と責任、そして違反したときの厳罰と情報公開がトータルとしての最適化につながる早道のように思えます。

 

2004 12 17 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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