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2005.02.28

流通を抑えたものがすべてを握る

タイトルは、「そうは問屋が卸さない」という言葉が示しているものですね。作るだけでは商売にならない、売るための手段を握っている方が強い、ということをあらわしています。ただ、流通もカルテル化すると売る方、買う方双方に不満が募るため、自由化や新規参入への圧力となっていくと思うのです。

で、ここ近年の日本で傾いていった企業を考えると広義の流通関係企業が多いですね。不動産、金融、スーパーやデパート、そして今回の報道と。

不動産業は自分で土地を作るわけではなく、既にある土地の所有権移転を手伝う業務です。この中で、整理して大きくしたり地ならしをするなどの付加価値をつけることはできますが、埋め立てをして増やしていくということをした、という話は聞いたことがありません。

金融機関も同様です。自分で金を作り出すことはありません。集めて動かしやすくする、欲しがるところへ持っていくのが金融機関の仕事でしょう。

スーパーも同様ですね。ここは文字通りの流通業です。そして、報道機関は情報の流通業です。自分で整理して記事を書くことはあるのですが、事象そのものを発生させることはありません(あったらそれは報道ではなくなる)。

これらを見るに、「そうは問屋が卸さない」という問屋に安住してしまったことがすべての敗因ではないか、と思ってしまいます。そして、今回報道という情報流通に同じ波が襲ってきています。それもネットという大波が。

ネットは既に能力としては映像と音声と文字を総合的に流すことができるなどテレビを超えています。劣っているのは知名度、使いやすさ、レスポンス、現状流れているコンテンツの質という程度にまでなっていると思います。

まあ、ユーザーの習慣としていきなりテレビがすべて食われるということは無いでしょうが、何かあったときに現状報道機関を抑えれば情報が伝わるのを防げる、ということは既になくなっています。ライブドアの意見にしても、今までならば報道機関側が抑制するようなことが起きたかも知れませんが、現状ではライブドアが少ないユーザー向けとは言え独自に自分の好きな様に声明を出すことができます。ネットで裏を取る、という行動が普通になっていくと思うのです。

囲い込み戦略はWin-Winの関係になって初めて通用するのであり、片方だけが利益を得る、というのではどこかに無理が生じるでしょう。あらかじめ明文化されたルールで自由にアイディアを出し合う、というのが発展の源だと思います。

(本エントリは、週刊!木村 剛への投稿でもあります)


2005 02 28 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.27

ネットラジオは意外にありかも

ライブドアが本当にニッポン放送を子会社化できるかはおいときまして(笑)、ネットでのラジオ配信と広告、というのは意外にありなのではないか、と思い始めています。今、海外の放送局で音楽番組などがあり、たま~に見たり聞いたりしています。音質的にはAMラジオ以下ってことは無いでしょうから、問題なし。あとは、うまく番組(というかチャンネル)を認知させられるか、だと思っています。

というのも、今高校生が深夜番組をラジオでどう聞いているかはしりませんが、これからはPCに向かって勉強、というケースが多くなることが想像できます。となると、いまどきネットにつながっていないPCは考えにくいですので、ここで音声のチャンネルを用意しておいて、というのは十分考えられます。同様に、家で家庭内残業をしているお父さんが同時に野球中継を聞く、というのもあるかもしれません(ソフトバンクや楽天がやるか?RCC(中国放送)もカープの中継やってくれているけど)。

音声だけであれば、ブロードバンドでなくてもなとか大丈夫ですし、FMのエアチェックならぬ、ネット配信で音質を落としてDJが流す曲を視聴的に録音可能で流す(DRMで1週間とかの期限付きでもオッケー)とか、さらにこれから実際の売り場までリンクさせることもできるでしょうね。実現には色々な権利関係をクリアする必要があるでしょうけど。


PCとブロードバンド普及率には自分でもやや懐疑的な見方も無いわけではないのですが、電話のIP化が進むと同時に電話機自体にブレークが起きると面白いと思います。ケータイの1セグ放送でも良いですし、地デジのデジタルラジオという、流しているけどだれも注目していないジャンルを復活させられるかもしれません。

ながら聴取にはテレビよりもラジオの方が向いているのは昔から実証されています。チャットしながらラジオを聴く、というスタイルもありなのかな、と感じています。


19:40分追記。ニッポン放送ブロードバンドにつなげてみました。この時間だと番組紹介だけで、中身が無いです。おまけに動画だし。ラジオのよさである、ながらで気楽に聞ける、という方向では作られていませんね。ラジオはテレビとは違うメディアなんですから、テレビになろうとはしないほうが良いと思うのですが・・


2005 02 27 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

今週のニュース(2/20~2/26)

今週も気になったニュースを取り上げて行きます。

1.中台直行便、拡大へ向けて綱引き

 春節(旧正月)にあわせて久しぶりに中国と台湾とで航空直行便が運行されました。経済の面では、既に台湾のハイテク企業などが中国に工場を作るなど結びつきが強まっています。ただ、政治的には独立だの、認めないだの、軍事演習をどうするだのきな臭い部分がまだまだ多く残っています。実はこれは日本と中国の間でも同様で、政冷経熱といわれるくらい国家レベルと企業(個人)レベルでの付き合い方にギャップが生じています。

 これは、国家対国家、という形で意見がぶつかり合ったときにうまい具合に妥協するということがより難しくなっていることが原因のようにも思えるのですよね。ネットの発達は個人の意見を広く発信できるようになり、政府もこれを黙殺できなくなりつつあります。これ自体は悪いことではないのですが、逆に個人に関係の無い部分で感情の吐露をしやすくなったとも言えるためナショナリズムが先鋭化しやすくなっているとも思えるのです。そして、政府は民主化が進むほど国民の意識を優先するようになるため、合理性(経済的にも、安全のためにも)よりも、その場の感情が先にたった意見が暴走しがちになってしまうように思えます。
 政府について国民が監視するのは当然ですが、合理性を無視した感情論はろくなことにならない、というのが太平洋戦争に突き進んでいった歴史が証明しているように思えます。

2.家庭でも「あったか~い」と「つめた~い」を一つの入れ物に
 今はどの家庭でも冷蔵庫があり、冷やして保存ができます。しかし、温かいまま保存する、ということはレンジやコンロがあるため需要が無いと思われてきました。
 今回、シャープが温蔵庫一体型冷蔵庫(でいいのか?)を始めて発売しました。電子レンジで温める、ではべたつきがちになるものを、温かいまま(55℃)で8時間程度保管できる、というものです。これを過ぎると自動で冷蔵に切り替わるため、腐ることも(たぶん)無いでしょう。
 受けるか受けないかは賭けだと思いますが、料理をその場で作る、という事が減っている今はこういうのもありなのかな、とも思いました。

3.西武再生、コクドと一体化を堤氏が了承
 西武鉄道の改革について、キーマンとなっている大株主の堤義明氏が、西武鉄道とコクドの一体的な改革に同意しました。以前から西武グループはコクドを中心として堤氏の独裁体制となっているといわれていましたが、逆に言えば堤氏さえ納得すれば赤字事業でもなんとかできていたわけです。事実上の公共事業化していたプリンス系の開発ですが、これでかなりのリストラが起きる可能性が生じてきています。スキー場など、ただでさえ不景気なのですがこれで不景気に拍車がかかる恐れが出てきました。

ただ、先日のガイアの夜明けでニセコスキー場でのオーストラリア人による開発と観光リゾートに関する考え方として「金を払って今までの生活レベルを落としたがる人はいない」ということが示されていました。やり方と視点を変えてサービス業に徹すれば再生の道もあるように思えます。団体客を裁くのは楽(相手に幹事がいて、基本的には幹事相手で仕事をすればよい)のでしょうが、やはり個人客を積み重ねたのが団体である、とのようにして欲しいな、と一ユーザとして思っています(だから、最近は私が夫婦で旅行をするときは中途半端なホテルでは無くて目が行き届くある程度評判の良いペンションなり民宿に行くようにしています)

4.楽天ホームスタジアム、なんとか間に合いそう
 オープン戦で初陣を飾ったゴールデンイーグルスですが、ホームグラウンドの改修もなんとか間に合いそうなところまで工事が進んでいるようです。当初は雪による工事の遅れが心配されていましたが、無事開幕を迎えることとなりました。

 さて、ここへの大型スクリーンはLEDを使ったものになっています。青LEDあってこそのカラー表示ですね。で、今回東芝が受注したわけですが、これは神戸球場(スカイマークスタジアムと名乗っています)への実績も買われたとか。名前が変わる球場への納入実績、というのは中々表現がしにくいような気がしています。

2005 02 27 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.26

H2A打ち上げ成功

普段見ている衛星による雲の写真ですが、しばらく前から「ひまわり」という名前がニュースに出てこなくなっていたことにお気づきでしょうか。実は、今の写真はアメリカのGOESという衛星を使って撮られており、日本のひまわり5号はほとんど運用できない状態になっていたのです。というのも、代替の衛星を打ち上げるはずが前回の打ち上げ失敗で延び延びとなってしまっていたからです。

今回のH2A7号機は、長期的にみれば日本の宇宙開発をどうする、という話になります。当初は高い信頼性と低コスト、そして大きなペイロードで世界市場に出て行くはずでしたが、連続して失敗したことにより存続するかどうかの岐路にすら立っていたと言えるでしょう。安全保障とか色々要素はあるでしょうが、無秩序に経費をかけられるものではありませんし、成功しないことには話しになりませんから。

まあ、国家戦略の部分はともかく、短期的に見てもまともに使える気象衛星が無い、というのはとてもまずいことになります。太平洋地域の基本を成している気象衛星ですし、昨年のように台風が多いような状況では余計に衛星による観測の価値が上がってきます。

衛星の運用はまだこれからテストをしながらですが、まずは打ち上げ成功を祝いたいと思います。


2005 02 26 [防災情報] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.25

これでも公的機関だから大丈夫と言えるのか

年金未納の騒ぎがあったとき、社会保険庁の職員が小泉首相などの年金保険料納付状況について業務外で観ていたことがわかりました。この件は以前から言われていたことが裏付けられた事になります。

さて、社会保険庁が迷走しているのはとりあえずいいです(いや、良くはないんだけどここでは取り上げない)。ここで問題とすべきなのは、公務員だから規則は守られる、という形で作られている法律や規則が多いことや、この説明ですべてを済ませようとしていることが多いことです。例えば、住基ネット導入時の説明がまさにこれに当たります。

ある意味、民間の方が風当たりが強い分信頼度を高めようとする努力が見られます。実害が発生した場合も対応が早いですしね。

国民総背番号制自体は、まあ、やむを得ないのかな、というのが私の個人的考えです。ただ、運用にあたっては恣意的な運用ができないようにオープンシステムにするくらいの発想が必要なように感じます。ルールの運用は厳格に、誰に対しても平等に、ということですね。

社会が安全であり、公平なルール運用がされるならば個人IDがきちんと管理されていること自体はメリットが多くあります。管理、という規制する方向ではなく、補佐する役所、と考えた場合は特にそうですね。支配するための管理番号ではなく、サービス機関としてのお客様番号として思わせるくらいの発想が必要かと思います。さらには、電子化して早めの納税があれば割引とか、大胆な発想もありかと思うのですよね。

2/26追記
河野太郎代議士のWebページにどういう人がデータの覗き見をして、いか詳細が載っていました。内容はこちらをご覧下さい。新聞報道では適当にぼかされていますが、リストを見れば改めて情けなさがこみ上げてきます。

(本エントリは週刊!木村 剛への投稿でもあります)

2005 02 25 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.23

ライブドアの功績とは

ライブドアによるニッポン放送の株買収はフジテレビに対するストックオプションの発行という大技の繰り出しによりますますわけがわからなくなってきています。個々の策についての合法性とか、有効性については、正直私はわかりません。ただ、一つ言えるのは、この騒動でみんな結構M&Aについて勉強や経験をしたのではないか、と思うのです。特に素人株主のような人たちに。

ライブドアは、資本主義のルールについてはほとんど直球しか投げてきていないように思えます。株式の買い付けを行い、過半数を取ればオッケー、というのは確かに株式会社の成り立ちを考えればその通り。そして、この直球勝負に対して周りが翻弄されているように感じます。

で、議決権は、拒否権は、25%ルール、5%の開示ルールなど、今まで新聞やテレビにはほとんど出ていなかったM&Aや株主総会での決まりがこと細かく解説されるようになりました。

東京三菱と三井住友によるUFJの取り合いも表に出てきたこと自体が今まで無かったことですが、今度は買収の過程自体が表に出てきたことで、周りの企業にとっては願っても無い事例研究になっていると思います。そして、これは一般投資家にもいえるでしょう。


まだ決着はついていないようですが、衆目監視の中で詳細が報道されながら買収合戦が行われているという点では、歴史に名を残すような出来事ではないかと思います。

(本エントリは週刊!木村 剛への投稿でもあります)


2005 02 23 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.22

ニフティの終焉とネット上のコミュニティ

この3月、ついにニフティのパソコン通信サービスであるNifty-Serveが終了します。以前のエントリにも書きましたが、私は13年前からニフティの会員であり、今に至っています(同じIDをずっと使ってますしね)。で、そこで色々な経験を積んできました。


小寺氏のコラムにもあるように、パソコン通信でもっとも重要な要素は ネットという仮想空間上でもコミュニティが作れることを証明したことでしょう。まだまだ各サービス会社で閉じた空間であったため、インターネットほどのオープン空間ではありませんでしたが、それなりに居心地の良い空間でした。そして、その空間を維持しようと会員が皆努力もしていたと思います(一歩間違えると排他的になりますけどね)。まあ、当時でもPC-VAN(今のBiglobe)とニフティではニフティの方が荒れていないとか、実名主義か否か、などの議論が多くありました。その中で、文字しかない中での議論の技術を学んできたと思っています。

それゆえに、2ちゃんねるの文化には却ってなじみがなく、まだ入っていませんがSNSの方がなじめるかもしれません。

当時のニフティでアクティブに活躍していた人たちが、今度はBlogで帰ってきているのを多く見かけています。懐かしいと思うのと同時に、また負けないようにしていかなければな、と感じています。

Blogの特徴はトラックバックによるつながりが作りやすい事にありますので、皆がシスオペである緩やかなグループを作っていければ、と感じています。

2005 02 22 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.21

スタジオジブリはルーカスフィルムになれるか

本来はディズニースタジオになれるか、と書くべきでしょうが、現代を考えれば近いのはこちらか、と。

スタジオジブリは、アニメーション製作スタジオとして、また日本の映画スタジオとしてもトップレベルの収益力を誇るようになりました。まあ、高品質ゆえに寡作、という面が強くありますけどね。最近は安心して見られる作品としてもブランド化しつつあるようです。

さて、私個人で見た場合、ジブリ(というか、宮崎監督)の作品は「ルパン三世」の頃から意識しており、ナウシカもラピュタも映画館で見ました。当時は高品質な変わったアニメ、という程度で興行的にも中々苦しかったように覚えています。ラピュタをテレビで流してトトロを新作として紹介した際に宮崎監督が「お金を払ってきてください」と発言したことが強烈に記憶に残っています。当時はそれくらいマイナーだったのですね。同時に、宮崎監督のプロ意識も強く感じたえがあります。興行成績については、山口氏のこちらのBlogでうまくまとめられていますのでご参照ください。

で、今回徳間書店から独立(もともと独立会社だったのですが徳間の都合で吸収された)ということになりました。これは、徳間書店のリストラの一環として、清算するための資金を得ることが目的であった、とのことです。今日の日経産業新聞によれば、徳間書店の1300億円にまで膨らんだ有利子負債について「千と千尋の神隠し」が大ヒットしたことである程度借金が返せるメドがつき、その後の映画のヒットでこれが600億円まで減少、今回のジブリの独立と営業権譲渡に伴う200億円の収入となり、400億円まで減った(900億円は返した)ところで、清算に関してまとまった、ということのようです。ここでジブリと出版部門を切り離すのは「もともと別なので出版部門の気が緩む」のを防ぐため、のようです。出版部門に関しても、昨年は「北斗の拳」をリバイバル発行し(集英社じゃなかったんですね)、10億円以上の営業黒字を出す見込みとなりました。これで出版部門も軌道にのりそうなメドが着いてきたこともジブリ独立の追い風となっています。

ということで、徳間書店に関しては恩を返した形になるジブリですが、これからは独立した企業としてどうするのか、が問題となります。宮崎後、についてはホープであった近藤喜文氏の急逝もあり、今のところまだ見えてきていません(猫の恩返しは興行的には成功ですが・・)

まあ、過去の映画スタジオを見ても、名物プロデューサーの引退後に、などはよくありコンテンツ産業が属人的になってしまうのは仕方が無いことでしょう。マンガにしてもドラマにしても、配給会社や出版社を見て読んだり観たりするわけではないですしね。となると、ジブリという「仕組み」が宮崎駿という作家個人の表現の場としてあっても良いのでは、とも思えます。そして、そこで鍛えられたスタッフや技術が他の作品についても技術支援や実務担当として業務を行う、ということもあるのではないでしょうか。ルーカスフィルムとILMの関係のように。

ILM(Industrial Light and Magic)は、ルーカスの映画の特撮部門として作られ、スターウォーズなどのルーカスの映画以外でも独立した特撮技術会社としてトップクラスとなっています。ジブリとジブリアニメーション、という形に別れることも、企業として存続し、技術レベルを維持していく(技術を持った人間をつなぎとめておく)ということはありなのかな、とも思います。ILM印は、現状映画でもある程度の映像の質が確保されているブランドとなっていますので、アニメーション(CGIを含む)の技術レベルに関してジブリが同様に成り立って行ける可能性もあるように思えます。

今年はスターウォーズ最後の年であり、ルーカス自身がメガホンを取ることは今後無いかもしれません。ただ、ILMはデニス・ミューレン引退後でも生き残っていける可能性を持っています。ジブリについても、同じようなことが起きていくのではないでしょうか。(イノセンス(押井 守監督)にジブリが入っているように)


2005 02 21 [アニメ・コミック] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005.02.20

今週のニュース(2/13~2/19)

今週も気になったニュースを取り上げて行きます。

1.セントレア始動、見学客でごった返す

中部国際空港”セントレア”が17日開港しました。商業施設やなど最初から空港利用客以外をも取り込む設計でしたがオープン当初ということもあり珍しさゆえの見学客が多くオーバーキャパシティとなっているようです(アクアラインの海ほたるのようなものですね)。まあ、商業施設のオーバーキャパは最初の珍しさが一巡すれば落ち着くものと思われます。ただ、現段階では本来の利用客の切り替えにもまだいくつか細かい問題点があるようで、今後はトヨタ流に「カイゼン」を積み重ね、今あがっている問題点をつぶしていくことになるでしょう。従来のメディアの論調としては最初問題点が出てきた際、鬼の首を取ったように騒ぐ傾向もありますが、こういう新しい施設は最初はベータテストのようなものでやって見なければわからない要素は多分にあるでしょう。致命的な事故防がなければなりませんが、逆に言えば今のところオーバーキャパの割にはうまく裁いているように感じています。

2.東京三菱とUFJ、統合へ調印
三井住友からUFJをかっさらった形になった東京三菱フィナンシャルグループ(MTFG)ですが、裁判などで争った結果なんとか統合にこぎつけました。で、名前が「三菱UFJフィナンシャルグループ」(MUFG)となり、東京が消えてしまいました。DDIとKDDとIDOが合併したときにKDDIになってIDOはどこ?と言われたようなものですかな。これで、都市銀行は三菱UFJ、みずほ、三井住友の3つに絞られました。ただ、今後都市銀行はどのような戦略で金融を行うのか、岐路にたたされているように感じます。個人に対するリテールを行うためのシステム投資に耐えられる規模が必要、とも言えますが、郵貯との戦いが待っています。企業相手もリターンに比例するリスクをうまくとっていけるか、まだバブルの後遺症が癒えているように思えません。さらに、大きくなればなるほど雑音(政治とかね)が出てきて攻撃的になれなくなってしまうように感じます。
 投資銀行的な要素にしても「金を払っても良い」と思われるコンサルティング能力がどこまであるのか。これらは調整ではなく実際に現場で行動してなんぼ、というところなので、体質そのものの転換が図られるべきでしょう。

3.全国知事会会長、初の選挙による選出
 三位一体の改革で政府に対する対案を纏め上げたことで存在感を高めてきた全国知事会の会長が、初めて選挙によって選ばれました。今までは名誉職で回りもちのような幹事の役職でしたが、意識を持っていけばかなりのことができる、という証明でしょう。ただ、これで地方の意見がまとまってくるという形になると、従来の「国と地方の間を取り持つ」という意識の国会議員は立つ瀬がなくなりますね。なにせ、知事は各地方においては首長であり実際の行政権を持っています。そして、彼らが地域の意見代表を兼ねてくると、国の予算をとってくるには俺を通せ、というような意識で持っている国会議員は存在価値がなくなってしまうからです。本来は国会議員は国全体の立法を行うのが主務のはずなのですが、予算分捕りこそわが任務と思ってしまったところにねじれ現象の悲劇があるのかもしれません。行政=権力ではなく、戦略をもってこの戦略に沿ったルール作りを行うことが政治である、という形に議員も国民も意識を切り替えていかないと、自分に返ってくるということだと思います。

4.ダルビッシュ、パチンコ屋で喫煙がみつかり謹慎
 ファイターズ気体の新人、ダルビッシュ投手がキャンプ中に行ったパチンコ屋で喫煙していることが見つかり、チームから鎌ヶ谷市にある2軍合宿所での謹慎を言い渡されました。まあ、飲酒、喫煙を20歳未満の人間が行うことは違法行為ですので、やむを得ないでしょう。以前は飲酒、喫煙は法律はともかく社会人になれば黙認されているケースもあったように感じていますが、今後は法令順守を求められることを考えると、一罰百戒という意味はあると思います。法令を知り、守ることで社会を回し、さらに不都合な法令であるならば直していく、ということが必要なのでしょう。

2005 02 20 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.19

PC文化は壁にあたっていないか

個人が持てるコンピュータとして、Appleが登場し、その後IBM-PC、Macintosh,そしてWindowsPCが出て、既に20年以上経過しております。インターネット、という考えで見てもWindows95以降とみれば既に10年になります。しかし、どうも周りでPCを使う人の割合が増えているか、というとどうもそうではないのでは、という気がしています。携帯電話やTV並みにはならないような気がするのです。

実のところ、今のところインターネットでのサービスを十分使おうとすればPCが必要でしょう。携帯やPDAではまだサブセット程度であり、速度や情報量という点ではまだまだ、という感じです。メールもそうですね。テキストメールはともかく、添付ファイルを送られてきても展開のしようがありません(一部の写真程度ですか、使えるのは)。

では、企業はともかく家庭でPCを使うような人々が増えているか。職場の若者を見ていても、ブロードバンドで使っている、というのはせいぜい2割程度では、と思うのです。黎明期はともかく、10年たってまだこれかよ、という気がしてなりません。

学歴の違いがそのままPCユーザにつながる要素もあるようには思えます。今後、大学全入時代となればもう少し増えるのかもしれませんが、これでは家庭でネットが普通に、というにはこの次の世代まで待たざるを得ないのか、と考えてしまうのです。

市場規模で言えば人口の2割で2500万、このうち10%が取れれば、ということはあるでしょうが、この数は珍しくは無いが私には関係ない、というレベルにしかならないように感じます。

インターネット(というか、電話のIP接続)は静かに進行していくでしょうが、これがすべての家庭にWebブラウザがついて、という形にはどうもならないように感じて仕方がありません。テレビもデジタル化し、IP化された電話機のディスプレイとして普通につながる、という状況にでもなって初めてネットの普遍化がなるように感じます。ただ、これはPC文化でもなければ双方向性重視でもない、テレビプラス、というものかな、と思っています。


2005 02 19 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

甲子園のライトスタンドとネット言論

マスコミ系のBlogがコメントで炎上、という事が何度か起きており、またコメントスクラムについても放置すれば怖くない、という発言もあったりします。これらについては、ある意味「ネットは全世界に大声で叫んでいるのと同じ」ということを理解していないのかな、という程度でしか思っていません。この3月ついに無くなるNiftyなどではむか~しからありましたしね。

ただ、気になるのはいわゆるリベラルと思われるような立場のBlogの方がこの手の炎上に逢いやすいというか、弱いな、というところです。

例えば、企業の経営側を組合側にたって批判するのはよいのですが、では極論を言えば組合が株式の例えば3分の1を握って経営に対して拒否権が出せるようにすべきなのか、ということに対する答えを持っていないように感じるからです。(MBO(Management Buy Out)ならぬRBO(Rabors Buy Out)?)一部の倒産企業での再生でこの形をとることはありますが、通常の労働運動での限界が「異議申し立てはするが当事者意識は低い」というここにあると思います。

で、ネット右翼と言われる人たちですが、これは私は甲子園のライトスタンド(別に東京ドームでも広島市民球場でも良い)で陣取ってホームチーム(ここでは自国)を応援している人たちの声に近いのでは、というように思っています。熱心なファンで造詣が深いほど、間抜けな采配やプレーに対してはホームチームであってもブーイングを飛ばしますが、相手チームの応援があまりに変であればそれに対する攻撃性は相当高くなっていきます。ただ、これは組織化されているものではないのですよね。ライトスタンド1号~とか行ってリーダーがいるわけではないですし(中には応援団、というようにある程度小さな組織はあるでしょうが)。

 いわゆる左翼言論人(こういうカテゴライズはすべきでは無いと思いますが)にしてみれば、せっかく見つけた安住の地を侵されているように感じているのかもしれない、とすら思ってしまいます。

少し話がそれますが、IT系の雑誌などは技術の進歩にあわせて出てきたため、書き手と読み手のレベルが比較的近いと思います。このような関係では、書き手は緊張感を持つと同時に、読み手も逆に相手のレベルがわかっているため過大な期待をしない、ということもあるのではと思っています(Longhornのリリース時期をスクープした、と言って間違えても誰も気にしませんしね)。

ただ、一般紙では逆にまだ「メディア幻想」が生きているのでは、とすら感じています。この意味では、グーグルニュースにしんぶん赤旗が入っているのは面白いでしょう。赤旗はご存知の通り日本共産党の機関紙です。ですから、偏っているのはある意味当たり前であり、読み手も書き手も了解している分、突っ走ることができるでしょう。そして、グーグルニュースという記事の並列読みができる環境で比べるとどうなるか。スクープ紙としての価値が上がるかもしれません(偏っている記事は読者が好みで取捨選択すれば済む話だし)。

で、話を戻しますとメディア側はもう中立という旗は降ろしたほうが良いのでは、少なくと「主張」するのならばそれなりの裏づけが無いと、スタンドからブーイングが聞こえてくるよ、ということだと思います。今まではテレビ観戦しかできなかった観客がスタジアムに入ってきたようなものだ、ということで。

2005 02 19 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.18

どこでもドアがある社会とコミュニティ

ドラえもんのひみつ道具の中で1,2を争う人気があるのが「どこでもドア」です。わかりやすいネーミングと機能により、人気があるのもうなづけます。しかし、このどこでもドアがある社会では、コミュニティというのは成り立つのでしょうか。

肯定的に考えれば、地理的条件がまったくなくなりますので現在インターネット上で見られる近い趣味や考え方の人たちが地理的条件を無視して(仮想的とはいえ)集まっている、ということがリアルに可能になる、という見方ができます。これは、現在ネットにおいても人々が集まって明るく暮らしている、ということからもいえるでしょう。

ただ、どこにでもすぐ行ける、ということは人々が通過することで集まっていく、という賑わいの場所というのは成立しにくいように思えます。例えば、大型ターミナル駅とか、空港とか。これは、今でもかつて交通の要衝と言われた宿場町などがことごとく寂れていることが象徴しているでしょう。

社会が個人単位でカプセル化し、どこでもドアでアクセス許可済みのところへ自在に行く、というのは自由ではありますが、カプセルから出て行けない社会になるかもしれません。前記のように、社交性のある人はネットだろうが、カプセル社会だろうが問題なくコミュニティを作っていくでしょうけど、かつてあった無理やりにでも作られるコミュニティがあり方を意識して作っていかないとできなくなる、というのは社会の不安定要因になるようにも思えます。

コミュニティリテラシーとでも言うものをネット教育と同時に行うことが必要なのでしょう。

2005 02 18 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.17

会津でスキー

先週の土日に会津田島町のだいくら山スキー場に行ってきました。ここは高速の東北道からも磐越道からも遠いため、どうしてもマイナーになってしまいますが、高原にあるだけのことはあり、ベース部分でもパウダースノーととても気持ちの良いところです。

いわゆるビッグゲレンデではないですが、施設も程よく整っており(リフトも高速はフードつき)、ゲレンデも広く楽しく滑れます。特に初心者の方には天国と言っても良いかもしれません。広くて空いている緩斜面でパウダースノーが楽しめる、というところは余りありませんから。ボーゲンができるくらいになった人には思いっきり練習ができると思います。

中級以上の人でも、やはり結構楽しめると思います。食堂のカツ丼のカツが厚くてきちんとあげてあったり、地元のそばが美味しかったりして色々と良いところが沢山ありました。

素朴といえば素朴ですが、遠さを補ってあまりある楽しいスキー場でした。お奨めです。

高速道路が発達していますので、雪の下道を1時間以上走る根性があれば東京から4時間程度なんですよね。スキーブームが去っている分、遠くは避けられるかもしれませんが、だからこそちゃんとしたスキー場には生き残って欲しいと思っています。

2005 02 17 [旅行・地域] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.16

所詮日本は極東なのか

「ガイアの夜明け」で、関空と中部国際空港が取り上げられていました。ただ、最後の締めは、アジアのハブ空港には負けてしまうのではないか、ということでした。海運と同じ道をたどるのではないか、というのです。

さて、少し話しはそれますが、イオンなどが新規出店を行う場合、周りに何も無い田んぼの中に巨艦店を作る、というケースが多いようです。これは地価が安い、車で来るのだから別に多少遠くてもOK,その上できっちり周囲に商圏を作れるようにする、ということと言われています。逆に言えば、多少都市の近くにあっても周囲から人を呼び込めるような状況に無ければそこに店を作る意味はありません。却って地価が高かったりするデメリットの方が大きくなります。ハブ空港や港も同じことがいえるのではないでしょうか。

つまり、北東アジアを考えた場合日本にハブを作る意味が無いように思えるのです。確かに日本は大消費地であり、重要なエリアです。しかし、日本に拠点を作ってしまうと東側には海しかなく、サークルの半分は有効に使えないことになってしまうのです。(米軍が沖縄を重視しているのと同じですね)

こうなると韓国や香港(上海)の優位性が強く出ます。どうせ長距離便を重視するのであれば多少都心から遠くても広くてでかい空港を安く作った方がOK,となります。近距離は別に乗り継ぎを便利にしていけばよいわけですから。さらに、日本の中でも東京や大阪のような大都市圏であれば直行便の意味がありますが他の地方都市では直行便はないため、どこで乗り継ごうが同じ、ということになってしまいます。となると、逆行したり遠回りになりかねない成田や関空を使う意味がほとんど出ません(施設的にも不便ですしね)。

日本の交通機関は、鉄道に関しては上記のような発想がうまく機能しているように思えます。しかし、航空のような国際的な面についてはまるでだめ、というのが悲しいところです。

2005 02 16 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.15

無関心なビッグブラザー

近年、凶悪な事件が連続して起こっており何か悲しい状態になっています。そして、もし国民総背番号制と登録制度があったら、犯罪に対して抑止効果があるのでは、と思わざるを得ません。

以前、在日外国人に対して指紋押捺義務があり、これに対して反対運動がありました。しかし、国民総背番号と、偽造防止として生体認証情報を入れたらどうなるか。パスポートに対してこの情報を入れていこうとする動きがテロ対策としてあるため、逆にこの手の情報を拒むこと自体が反社会的行為、ということになると思うのです。

そして、本来は役所をネットで使い、そこでの本人認証を簡単にするための住基ネットであるはずなのですがこれもうまくリンクしていません。この場合は政府への不信感というよりも「役所」、「現場」への不信感という方が大きいように思えます。

理想的な民主主義においては自治体においても市民の監視が行き届いているのが前提ですが、お上とその下部機関としての役所、という形でしか役所自体も住民も認識していないため役所内部である意味好き放題ではないか、という不信感になってしまうと思うのです。

国民にとって信頼できるサービス機関であり、そのコストとしての税金をきちんと払おうとさせるようなマーケティング、カード払いとか口座振替とかコンビニ払いとかの支払うための利便性を上げるための合理化、間違った使い方をした際の厳正な処分(身内に甘い、ではだめ)、などの方策が必要なのでしょう。

奪い取るために国民総背番号制を導入、と思われるようでは国民の防御反応としての拒否感を招いてしまうと思うのです。「義務だから」ではなく、「払えばお得」と思わせるだけの努力、「日本国民でよかったね」と思われるようなサービス競争が、国際競争力を身につけていくことだろうと感じています。


(本エントリは週刊!木村剛への投稿でもあります)

2005 02 15 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.13

今週のニュース(2/6~2/12)

今週も気になったニュースをピックアップしていきます。

1.Yahoo!BBスタジアム、今度はスカイマークスタジアムに
 本名は神戸グリーンスタジアムな球場で、昨年まではYahoo!BBスタジアムと言われていましたが、今年からは3年契約でスカイマークスタジアムと呼ばれることになりました。いわゆるネーミングライツ、ということなのですが何度も変わるようだと意識の中で認識が狂ってくるように感じます。身売りによってダイエーホークスがソフトバンクホークスになる、というのはまだ判るのですが・・。
 「名前」をつけることで放送などで呼ばれる権利を買う、ということ自体は理解できますが、しっくりきません。

2.千葉県知事選、森田健作氏立候補か
 千葉県知事選については、既に現職の堂本知事が立候補を表明し、民主、自民両党ともに独自候補の擁立をあきらめています。そこへ、森田氏の立候補と、自民の「支援」というなんともいえない状況になってきました。
 これには、国会議員、県会議員、双方の立場と権力のあり方の変化も出ているのかもしれません。千葉県は、国会議員については都市部は民主党、郡部は自民党という状況であり、県議は自民党が圧倒的に強いという状況でした。そこへ前回無党派という形で堂本氏が当選し、県議はある意味立場がなくなってしまっています。しかし、独自候補を立ててというほどの力も当選見込みも無い、という情けない状態になってしまいました。そこへ自民党寄りの無所属という形で森田氏が出て、負けても痛まない「支援」となってしまっています。
 自治の強化で、県知事は独自性を発揮しやすい状況ですが、公共工事が減り、口利きや調整の対象にもしてもらえなくなると県議の存在意義が(かつての形では)なくなってしまっているのでしょう。

3.定額制携帯電話サービスが始まる?
 いわゆる無線LANの方式の一つを使った定額制の携帯電話について、ベンチャー企業の鷹山が名乗り出るとの報道がありました。まあ、発想としては十分ありだと思います。現在の音声通話に関しては、デジタル化されたIP電話が実用化されているため、これに必要な帯域さえあれば無線LANでも十分可能だからです。ただ、現在の企業活動に対して破壊力が大きすぎるのと、設備更新にコストがかかるため中々進んでいません。
 ただ、このような新しい形での通信ですが、ある意味WiFi機能を積んだPDAとソフトフォンのSkypeである程度のことはできてしまっています。使い勝手の点で問題があり、企業活動を成り立たせるためにコストをかけて使い勝手を良くしてもコストを回収できるかどうかは難しいように思えます。なにせ、コストダウンのための技術のため、絶対的な収入額が既に決まってしまっている状況に近いからです。
 「いつでもどこでもすきなだけ」通話ができるのはユーザにとって理想ですが、提供する側にとってはよっぽどうまくやらないと最初からコスト割れという事態になってしまうでしょうから。

2005 02 13 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.10

キャンプ中のプロ野球が地味になっている

長嶋茂雄氏の長男であり、元ヤクルトスワローズ(ジャイアンツという方が多いだろうけど)の長嶋一茂氏が、ジャイアンツの球団代表特別補佐、というあまり良くわからない役職についています。で、キャンプ中に宮崎市の小学校で公演し、プロ野球ファンが減ったことに驚いたそうです。

132人の児童中、ジャイアンツファンは、と聞かれて手を上げたのが10人、実際に野球をしているのが5人という状況だったそうです。対してサッカーをしているのは30人と、子供達の間でも野球離れが確実に進んでいることが一茂氏も実感したようでした。

プロ野球もかつては映画と同様、娯楽の王様的な地位にありましたが、マーケティング的にもサッカーに完全に遅れをとってしまったようです。サッカーはワールドカップもあり、世界のトップを目指す、という形ができていますが日本のプロ野球はメジャーリーグに勝てる状況とは言えず、有名選手が出て行くだけ、ということになってしまっています。

これで新規参入が無かったら、本当にネタ切れでプロ野球って何、という形になってしまった可能性があります。

私は野球自体は好きなのであまり衰退されても困るのですが、メディア(特に民放)がよくやるスポーツそのものの魅力では無くその他で目を引かせようとすることが悪くなっていく原因ではないかと感じています。


(NHKで今シルクロードの番宣を盛んに打っているのですが音楽と映像だけでナレーション一切無しなんですよね。これはNHKの常套手段ではありますが映像に自信が無いとできない大胆な手法と思っています。民放の「うるさすぎる」ことでは飽きられるのだけど、切ることに対する恐怖が先になっているのかもしれません)。


2005 02 10 [スポーツ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.09

金融戦争は厳しいなぁ

前回のエントリでの追記で書きましたが、ライブドアがニッポン放送を買収しようとしているのは、文字通りネットと従来メディアとのシナジー、それも今まであったような生ぬるい形ではなく、本当のインタラクティブとコミュニティを作ってしまおう、というものだとおもっています。
その一つの鍵が地上デジタルとそのセットトップボックス、そしてネットとの融合ではないかというように想像しています。

・・・などというエントリを書きかけていたところにR30氏のこのエントリ。私も釣られてしまったようです。

さて、通常M&Aとかは何らかのリアルビジネスの手段である、というのが常識でしょう。「買って何かをする」。買った会社を何らかの道具として使う、というように考えます(中には違うケースもあるでしょうが)。

しかし、企業の目的として「収益を上げる」をトップに上げ、その手段として色々な業態がある、と考えた場合、M&Aを繰り返すことで企業規模を上げ、収益規模を大きくしていく、ということ自体が本業である、というケースもありえるのかな、という気にさえなってきました。つまり、ITサービス会社の殻をかぶった金融事業会社であると。

今朝の日経産業新聞の3面に、「資金調達支える株式交換」という見出しで、おととしからの連続した株式分割により1株を1万株に増やすことで株式交換で発行する新株が取締役会で決定できる範囲を増やした、とあります。(新株発行が取締役会で決められるのは発行株式数の5%以内ですので)。

ただ、今回のようにCBを使った資金調達となると既存株主の価値を落とす、株式価値の下落を招く恐れがあるため、株ころがし手法がどこまで通用するか、ということもあります。

リアル世界での地道な世界がバーチャルともいえる金融世界での価値を高めていくという手法、バブル時の地価と同じで破裂する恐れもあるため、どこかで着地点がいるようにも思えます。ホリエモンももうマイナーなゲリラ、ともいえないくらいの大きさと知名度を得てしまいましたからこれまでのような機動力は得られないかもしれません。

まあ、私なんかが危惧するよりも先のことを考えているようにも思えますけどね。


2005 02 09 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.08

インターネットもメディアなのだろう

既にあちこちで騒ぎになっていますが、ライブドアがニッポン放送の株式の35%を取得し、筆頭株主になりました。しかも、この株数は株主総会での議決への拒否権を持つため実質上支配下に置いたのと同じになります。そして、ニッポン放送はフジテレビの筆頭株主でもあるため、以前からニッポン放送を支配したものがフジテレビの支配者になるとしてねじれた親子関係が話題になっていました。(R30氏のこちらやライブドアニュースのこちらこちらをご参照ください)

で、ここでは政治関係の話はしません。ネット出身の企業が世間に認知されているメディアとのコラボレーションを行うとすればどうなるのか、を考えてみます。

まず、良くあるネタとしてテレビ放送をネットで再配信、ということですがこれは過去に成功例はありません。AOL-TIME WARNERでAOLが食われてしまったなど、失敗例は多数ありますが。もちろん、ダイヤルアップが主流の時代とストリーミングが普通になりつつあるブロードバンド時代との差はありますけどね。

次に、テレビやラジオとネットとの補完です。テレビは一過性ですが、ネットは双方向性であり、ストックが効きます。BSデジタルで最初、テレビで出た服やなにやらを通販で、というのもありましたがネットではこれがもっと強力にできます。で、これがもっと強力に効くのが「CM」の分野なのだと思います。

自分で考えてみた場合、ネットでの情報収集は主要な手段となっています。ただし、世間に散らばっているものに関して「裏を取る」という形が多くなっているように思えるのです。これはメディアの特性を考えてみれば当然で、15秒スポットCMでは商品名と印象くらいしか与えられないため、これをより詳しく知るためには従来は雑誌なり、店頭でのパンフレットしかなかったのですが、今はネットでそのメーカーサイトなどに行って調べる、という手段が取れます。今まではTVなどの既存メディアでのCMとサイト誘導とのリンクが取れていなかったわけですが、例えばテレビや新聞でQRコードによるサイト誘導を行っていけば、「どの広告を見てこのサイトに来た」というリダイレクト率が量れます。つまり、広告効果をより定量的に計ることができるのです。

QRコードによるアクセスはまだケータイが主流ですが、PC用の安価な入力方法があったら良いな、とは思っています(ライブドアさん、出しません?)。

広告の料金体系自体を変えていく大変動がこれから既存のメディア業界に起きるかもしれませんね。

(2/9追記。堀江社長のインタビューにDVDレコーダはPCである、との発言がありましたがライブドアってOS(Lindows(Linspire))を押さえていたんだですよね。となると、ブラウザとしてのOperaもあり、Skypeもあると。どこかのハード屋と組んでSTBを作って、ということであとは回線さえあれば前述の「サイト誘導保証型CM」の実現が可能になるってことなんだよな)


2005 02 08 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.07

娯楽の王様が復権か

最近は大作映画や、複数のスクリーンを持つシネコンという新しい設備の導入により、映画の観客数が増加傾向にあります。ハリウッドもそうですし、日本映画でも、「踊る大走査線」や、スタジオジブリ作品など、ヒット作が複数でています。中には佳作も出てきています。私も、以前よりは映画館に向かう回数が増えたかな、と感じています。

さて、かつて(もう40年近く前)、映画は娯楽の王様と言われており、日本からも世界的に評価される作品が多数出ました。黒澤明の作品、娯楽作品でも、殿堂入りしたゴジラなど、色々ありました。

しかし、70年代~80年代にかけて、テレビの普及により映画は斜陽を迎えます。ハリウッドでもこれは同様でしたが、スピルバーグ監督などの新世代が勃興し、再び復活を遂げました。

しかるに、日本映画はアニメ以外全滅、という状況が長らく続きます。ハリウッドがどんどん新しい映像表現や練りこまれた脚本などで勝負してきているのに対し、安易な続編、気の入っていない脚本、どうでもいい絵作りなど見る前から駄作だとわかるような作品ばかりでした。これは、映画会社が大きくなってしまってから作られるようになってから特に顕著に見られるようです。最近、映画会社系以外の作家が作った作品でやっといくつか良い作品が見られるようになりましたが。

これは、日本によくある「本家」「家元」などという意識が邪魔をしているように思えます。映画に関して言えば、観客は「○○流」に入門したつもりはさらさらなく、洋画も邦画も単に「面白いかどうか」だけが勝負になります。それが社内の政治力やらタイアップのネタだけで作られた日には、映画そのものの魅力が減ってしまうのは当然でしょう。

そして、テレビに今同様の現象が起きているように思えます。今、ドラマにしろバラエティにしろ、テレビで面白いものというのがほとんどありません。CSで「黄金の日々」(昔のNHK大河ドラマ)をやっていますが、これを見ると映像的には荒いものがあるにしろ、面白さに関してはこちらのほうが上なのです。

もちろん、かつてもつまらない作品は沢山ありました。今再放送がかかっているものは風雪に耐えて残った名作ですので、これらと今の新作が勝負して勝つのは難しいかもしれません(過去作には思い出というトッピングもかかってますしね)。しかし、チャレンジャーというよりは、決まったフォーマットにしたがって危険を冒そうとしない作品では、やはり魅力は出てこないと思うのです。

テレビがお茶の間の主役であった時代、というのがかつて映画が娯楽の王様であった、と同じ論調で語られるのは、守りに入ってしまったクリエーターたちの悲劇、といえるのかもしれません。


2005 02 07 [映画・テレビ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.06

今週のニュース(1/30~2/5)

今週も気になったニュースをピックアップしていきます。

1.一太郎、ヘルプのバルーンヘルプアイコンで松下に特許裁判で敗訴
 ワープロソフト「一太郎」を製造・販売しているジャストシステムが松下電器に特許侵害で訴えられ、東京地裁は松下電器の言い分を認め、ジャストシステムの製品の製造・販売を中止する判決を言い渡しました。ジャストシステムは直ちに控訴する方針です。
 この特許、バルーンヘルプに生えた毛のような特許ですが、一応成立しています。Windows標準のバルーンヘルプは文字のみですが、松下の特許は「アイコン」が加わっているのがミソのようなのです。知財戦略は大事ですし、法務部門が金を生むというのは確かですが、どうもやるせない気分になるのはなぜでしょうか。変な話、先日の青色LEDに関しては同じ会社の中だったため特許の効力の判定が安く見られますが他社になるとむしりとるような形になって行きます。最初の特許と、それを育てていく過程での労力とで見られる効力の考え方が他社になると無視されるようですね。まあ、これが独立してリスクをとったゆえの効果と言ってもよいのかもしれませんが。

2.キャッシュカード被害、法整備検討か
 キャッシュカードに関しては、現在もし盗まれて悪用されてもその責任は全て使用者にかかるような約款になっています。使用者側の「適正な管理」が極めて厳しく適用されているのです。クレジットカードなどでは、盗まれて使用されても保険の適用がきくことが多いのですが、キャッシュカードに関してはそれこそ脅迫されたなどの明確な証拠でもない限りは無理でしょう。ここでの「適正な管理」に関してはクレジットカード並みが常識のように思えるのですが、現行の約款はそうはなっていません。かといって、銀行側で偽造がしにくいカードにするのもコストの点でやる気が無い、とここへ来て個人ユーザの軽視が裏目に回っているようです。銀行が本当にユーザに優しい金融機関になれるのか、また一つの試練を迎えていると思われます。

3.憲法改正、9条に関して「自衛軍」の明記を検討
 通常国会での予算委員会で、民主党の鳩山議員の質問に応えて小泉首相が答弁しました。まあ、現在の世界を見る限り非武装中立は絵空事でしょう。武装は必要と考えます。そして、現在の自衛隊が軍備ではないと考えるのも無理があるのは間違いないため、憲法9条2項の改正は必要でしょう。ただ、ひとつ「軍」と言われて引っかかってしまうのは旧日本軍の行為に関するアレルギーのようなものかも知れません。これは、「軍務は全てに優先する」という旧日本軍の活動に起因すると思われます。もちろん、いわゆる有事の際に軍隊が軍務を行うのは当然ですが、そうでない時、例えば通常時に陸軍が地上を移動する際は信号を守って通常車両をどかせたりはしない、などのマナーをきちんと守った形が定着できるのか。現在の自衛隊は守っていると思いますので大丈夫と思いますが、平時の市民生活を侵害しない軍隊としてきちんと管理が行われている、ということが大切なのかな、と思っています

4.サッカー日本代表、北朝鮮戦前にシリアに快勝
 FIFAワールドカップドイツ大会の最終地区予選の北朝鮮戦を前に、シリアとの練習試合が行われ、3対0と快勝しました。発足当時は中々勝てなかったジーコ監督率いる日本代表チームですが、国内組を中心にチームを纏め上げたようです。ジーコの手法は精神論から入るため結果が出にくいと思いますが(アントラーズを作るときも「プロ意識」を叩き込むところから始まった)、一旦できてしまえば選手個々人が独立して力を発揮できるため崩れにくいと感じています。9日の試合も楽しみにしています。


2005 02 06 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.05

そもそも国家とはなにか

と、いきなり大上段に構えてみたりします(笑)。日本人にとっては、普段「国家」というのはそんなに意識はしていないと思うのですよね。普段あるのは国家ではなく「お上」。国家という場合は、「外国」があって「わが国」なのですが、日本人の普段の生活で外国を意識することはほとんど無いとおもうのです。これは実は自治体でもあまり変わらない。まあ、変わらない(自治体間の格差をつけない)ようにしてきた、というのもあるのでしょう。

で、あるのは「お上」とそれにかかわる「庶民」。通常意識しているのはこれくらいではないか、と思うのですよね。で、庶民はお上にはかかわらない(かかわるとろくなことが無い)というのが生活の知恵として染み付いているため、政治的な行為自体が悪、責任を問われるようなことをしない、という事になってしまっているのではないでしょうか。そこへ、「民主主義=自己責任」を問われてもねぇ、というのが「庶民」の実感ではないか、と思います。

地方自治は民主主義の学校、という言葉があります。そして、隣町と自分の町は違う、というところを意識する所、そしてこれを「自分達の力で」なんとかしようとするところから民主主義は育っていくではないのかな、と感じています。

で、突然Jリーグの話になるのですが、Jリーグ以前、外国というのはイコールアメリカ、と言ってよい状況でしょう。テレビで外国人の話も出ないし、日本国内で名前のある外国人はプロ野球の「外人助っ人」くらいしかなく、彼らはほとんどがアメリカ人だったからです。
 ところが、サッカーの世界は違います。ヨーロッパと南米が主力であり、それぞれが多くの国を抱えています。ユーゴスラビアの内戦、というよりも、ストイコビッチの国が大変、という方がわかりやすいということでしょう。カメルーンという国も、地理の授業以外出てこないような状況から、少なくともエムボマの国、中津江村で騒ぎを起こした国、という程度には知られるようになり、それぞれ「生きた人のいる国」というようになってきたと思います。
 そして、逆もまたいえるでしょう。ソニーとホンダの国ではなく、ナカタの国、というように顔が感じられる国になっているのでは、と思っています。

 ヨーロッパが大欧州に向けて動いており、アメリカの1極化が逆に世界の分裂に向かわせる可能性がある今、日本が顔のある国に向けて他国を実感として感じられる国になることが重要になっているように思います。

2005 02 05 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.02.01

夜走り始めました

先日、スキーに行ったとのエントリをあげました。ただ、そこで感じたのは「体力落ちているな」ということです。ゲレンデで滑っていても、太ももがすぐに悲鳴を上げる状況で、コントロールが効かなくなります。息もすぐに上がってしまうし。

ということで、夜に少しずつランニングをすることにしました。まあ、前にも少しやっていましたので感じはつかめています。最初に2km弱走ったときはすぐに息があがるは、3日は筋肉痛はするは、普段のなまりを実感させられましたが、筋肉痛から明けてからは少しずつ調子がつかめてきています。

息の上がり方もおさまってきて、足の運びも少しは軽くなった感じです。また、距離も2.5kmに伸ばし、まだまだいけそうです。4~5km程度をほぼ毎日走れるようになれば、減量にもなるのかな、と思っています。


2005 02 01 [スポーツ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック