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2005.03.19

金がものいう経済と物理空間にいる人間と

ライブドアによるニッポン放送株買収とこれに続くフジテレビ買収の動きがあります。これは、経済活動という面では特別問題ではありません。事業を株という形で分割し、広く資本を集めることができるようにして、個人から切り離しています。

ただ、ここで問題となるのは実際の経済活動を行っているのは物理空間に生物として存在している人間である、ということです。活動に限界があり、成長もすれば劣化もします。病気もすれば眠りもする。これらを前提としてチーム活動を行って、経済活動の主体たる企業は人間の変動を吸収するようになっています。

ただ、経営という点ではここが微妙に変わってきます。経営者、という個人に権力が集中する分、その個性が経営活動に多大な影響を及ぼします。ですから、経営者の交代が大きなニュースにもなりますし、交代が企業の存続にとって重大な課題となりますのでその方法も委員会であったり、株主総会であったり、取締役会でのクーデターであったりもします。

経営者レベルでないにしても、一般使用者としてのキャリアを考える場合、自身がビジネスユニットとして最適化すればするほど却って使い捨てにされる可能性があがってしまうようにも思えます。ただ、その個性の必要度があがる(個人への依存度が上がる)と、人間としてのリスク(病気になる、事故で業務不能になる)などがあるため、替えが無い、というリスクがあがってしまって逆にはずされてしまう、という現象もありうるのが難しいところです。

究極の形として、株主価値の最大化をはかるプログラムがあってそれにあった人材を部品としてその都度使い捨てにする、というのが古いB級SFのような発想としてありますが、現状、今の経済活動とそのルールはこのシステムが出来ても容認してしまうでしょう。今はその判定を人間がやっているというだけで。

デイトレーダーと言われる株主にとっては企業は株価の数値としてしか判定されていませんので中身がなんであろうとも関係ありません。ファンドマネージャにとっても同様でしょう。ただ、実際の人間の活動には金だけではどうしようもないわけですね。金をだしたら食料が買える、というのは食料があって始めていえるわけで、日本国民全員がデイトレーダーとなっては国が成り立たないわけですから(合成の誤謬というやつですな)。

金で置き換えられるキャリアと、現実空間で生きる人間としての価値とのバランスをとることは、今後もっと難しくなっていくように思えます。


2005 03 19 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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