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2005.03.14

アマチュアが支配する国家

先週のニュースで、新薬を審査する独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」が今年の秋ぶんから相談の予約を受け付けていないことがわかりました。人材不足が原因のようです。現行の150人体制を200人に増員する予定でしたが、製薬会社からの手数料が思ったよりも入らないこと、審査官の報酬を出せないために(医師免許を持つ研究者が審査官になったら収入が半減したとか)、人員募集に応募者がいないことが原因のようです。このことにより、新しい薬の審査が遅れて患者に届かなくなる恐れが生じています。

このことについて、 Biotechnology Japan(日経 BP社の雑誌)の宮田編集長はメールマガジンで「素人集団が国家を経営し、外部の専門家は委員会制度という諮問機関に隔離し、実際の行政にプロフェッショナルが関与することを阻んでいます。」と断じています。そして、独立行政法人という名の下に一見独立しているようでありながら外部から招いた人の処遇を決めることができない、ともあります。

これらは、予算の硬直的な使い方が原因の一つでしょう。また、人材についても安価に使い捨てたり、名誉だけで酷使するような形で見返りを与えていない、ということもあるかもしれません。現場(キャリア官僚も実務をする人は現場です)を軽視し、計画や文書上の仮想空間での秩序の方を重視しているということもあるように感じます。
霞ヶ関は不夜城だそうですが、彼らの残業手当が出ているかどうかは・(こちらも参照してください)。

私個人は、官僚にも現場(与えられた仕事を実務として行っている、ということで)でしっかり頑張っている人たちには十分な処遇が必要と思っています。これは高級だろうが現業だろうが同じです。その上で、使途については厳しくチェックし、無駄の無いようにし、また無駄を省いたことに対するインセンティブ(浮いた予算に対する自由裁量を認めるとか)によってより有効な税金の活用を図っていく方向が望ましいと思っています。しかし、現場に対する責任も取らない「アマチュア」が支配しているのであれば、これは問題と感じます。

キャッチアップして作っていくだけであるならば自分で審査して切り開いていく必要はないのでしょうが、既にフロントランナーを競う時代であるならばプロフェッショナルとしての力量を維持し、戦略を立て、予算の重要配分を考えていくことが当然と思いますが、現状これにあたる手当てや戦略を持った行動を取れているようには思えません。そして、先頭を切っていくだけの人材を確保、育成はどうしていくのでしょう。お上御用、というだけで人が動く時代では無いと思います。

2005 03 14 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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