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2005.04.15

広告産業もメディア業なので

ライブドアがニッポン放送株を買収した際、セットトップボックスとネット放送を組み合わせることでグーグルがやっているようなクリック保証型広告がテレビ型メディア(すいません、まだモデルができていないのと決まった単語ができないので)において可能になるのでは、と書いたことがあります。まあ、ライブドア自体はこういう実務的なことはあまり興味が無いのでしょうが、システムとして広告主の立場では魅力的と思わせる可能性があります。

というのも、今のテレビ広告は「視聴率○○%だから何万人が見た」としかまっとうな評価システムがありません。それで売り上げがどうあがったか、認知度が間違いなく上がったか、というのは単純に計れないところがあるからです。もちろん、効果があることは「なんとなく」認められています。また、知名度が低い企業がテレビという親しみのあるメディアで名前を何度も流すことで認知されることでユーザーの警戒感を下げる、という効果もあるでしょう。ただ、費用対効果の計算が難しいと思うのです。そのため、広告費をかけすぎたゆえにつぶれるパソコンスクールのアビバのような例が出てしまいます。事業としては本末転倒ですね。

 私はメーカー勤務ですので、どちらかというと広告主の立場で物を見ています。マイナー企業故に知名度や個々の商品に対する認知度は上げて行きたいと思っています。ただ、単純に名前が売れていれば良いか、というとそうではなくてみんなが知っているけどコモデティ化されたものとして価値を認めてもらえないケースも多くあります。大メーカーの量産品なんて、メーカー希望価格では絶対売れなくなっていますしね。

で、最近思っているのはワインについてです。私はワインに関しては素人です。ですので、ショップのお奨めを見ながら買うことが多くなっています。もちろん、ショップである、というバイアスはあるでしょうが単純に売らんかな、ではなくきちんと評価して美味しかった、どのようなものである、ということを見せて売る、というのは種類が怖ろしく多くかつ味という個人の評価が大きく分かれる商品には適した売り方だと思っています。数が少ないものであればなおさらですね。


こう考えていくと、ユーザー、メーカー双方がもっとも欲しがっている情報は、「信頼できる第三者による評価」なのでしょう。信頼できる、がどの程度なのかはさておき、某テレビ番組で「××は体に良い」と流れるとあっという間にスーパーで品切れを起こす、これはその某番組がその視聴者にとっては信頼度が高い(またはネタとして使えるというレベルでも)からだと思ってよいでしょう。

つまり、メーカーにしてもショップにしても必要なコンテンツは「適した言葉で語られた言葉」であり、商品設計においてもユーザーをひきつけられる語りを設けられるか、ということが重要になってきます。既にその価値を認知された商品ならば「どこにいくらで売っている」というだけでオーケーですが、新しいコンセプトの商品であるほどユーザーを教育する必要がありますので、語り(イメージでも良い)が必要でしょう。コピーライターという職業はこのためにいるようなものかもしれません。映画の宣伝もこのくくりになるでしょうしね(全部みせてからどうですか、とはいえないし)。

コモデティ化したCMと価値を知らしめるための戦略的CMではメーカーとしては出稿価値が異なっているはずなのですが、今は単純にメディアの特性で価格が決まっているようです。これはやむを得ないことかもしれません。ただ、メディア側もネットという新しいチャンネルを有効に生かした広告戦略を出していかないと、広告産業(企画、制作、露出)自体が広告主の方に握られる、という自体を起こしかねないのというのが、ネットがメディアを飲み込むという事の問題の本質ではないか、とも思っています。


2005 04 15 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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