« 金を払ってでもほしがる情報 | トップページ | 設計マージンをどう使うか »

2005.04.28

品質管理手法と企業マネージメント

先週、2日かけてISO9000sの内部監査員要請講座に行って来ました。会社の要請なんですけどね。で、品質マネージメントシステムであるISO9000sを叩き込んできたのですが、ここで講師の先生と休憩時間に雑談で出た言葉があります。日本のQCは工場での現場力としてはすごいが、経営としてのマネージメントとは違うため設計力や経営資源を品質に生かしていくということには向いていないということです。

品質マネジメントシステムとしてのISO9000sは、トップマネジメントの関与を必須としています(これは環境マネジメントシステムのISO14000sも同様)。つまり、トップが経営という形を通して組織が作り出す製品の品質を担保し、かつ改善し続けて行くということで発想されているからです。したがって、「私は聞いていない」というトップでは務まらないのですね。

このあたりは、執行役と取締役が分かれているアメリカ式の統治システムと発想が同じかな、とも感じます。上記の日本のTQCは、現場の作業者のレベルを上げ、このことで工場全体のレベルを上げていくことに成功し、よって製品の作りこみでレベルを上げていくことに成功しました。ただ、これは設計レベルを上げていくことにはつながりません。さらには、経営が関与しないため企業価値を高めることにもつながって行かないのです。

単純にものを作る、作られたものがある、というだけの競争ではTQCの形で製品を作って行くことは有効なキャッチアップ手段であったでしょう。しかし、新たな製品を作り出して価値を高めて行く競争では、企業全体の力をいかに有効につかうかという指揮(マネジメント)の戦いが有効ではないか、と講義を通じて感じました。

TQCだけでなく、また単純なトップダウンでもない、両者を組み合わせて行って総合力を引き出して行く、ということでは日本企業もまだ競争力を伸ばす余地もあるでしょう。近年の過去最高益を出している企業が増えていることも、体質改善が進んでいる証拠のように感じました。

2005 04 28 [経済・政治・国際] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:

この記事へのトラックバック一覧です: 品質管理手法と企業マネージメント:

» TQC〜ISO考察 from 人生無常・・・ケ・セラセラ
日本の企業の衰退の原因の一つ。 TQC・・・内容は関係なく口や紙ベースでの発表を如何に上手くするかの奨励、これ以来、薄っぺらな口先人間が増えました。 ISO・・・TQCのボトムアップ方式で失敗し、今度はトップダウンに目先を変え、審査した処だけに限りと但し書き(何か不都合が生じた場合の逃げ道)をして審査をする。書類の辻褄合わせが上手に成ります。 TQCとISOを一緒に論じるのは無理が有りますが、根っこの所は同じ�... 続きを読む

受信: May 13, 2005, 9:13:15 AM

コメント