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2005.06.30
消費者の顔の裏と表
有機野菜について色々な試みがされています。ただ、やはり問題は価格と流通の安定となっています。アンケートをとれば2割程度まではOK、というのがそれなりに高い割合になるのですが、ふたを開けてみるとそこまでは売れないのが通常です。これはマーケティングにおける典型的な市場調査の失敗といえるでしょう。
心理学でアンケートを取る際に注意しろと教授に言われたのは、「本音を書いてくるわけではない」ということです。統計学も同様で、人間の心理を理解して数値を見ないと、単純に教科書通りでは読み間違う、と言われました。「環境」や「有機」に関わるアンケートも同様で、「理解のある消費者」をつい演じてしまうということが出ていると思います。
また、最近の記事でもったいないといわれても、「私だけ」というように動いてしまう消費者の意識が大事だし、「売れないものは作らない」という企業の行動は理にかなっている、ということも挙げられています。
売れていない、ということは支持されていないということであり、理想論を語るだけではその理想を実現することも出来ない、ということでしょう。
本日お亡くなりになった小倉昌男氏(ヤマト運輸元会長)が近年行われていた事業に障害者によるパン屋というのがあります。そこで小倉氏が言われていたのは「事業として成功させる。そうでないと続かない」というものでした。さらに、「障害者のパン屋だから」というエクスキューズなしに売っていけるだけの品質とシステムが必要である、ということでもあります。
全体の意識が変わっていくなかでの売れ線の変化としていわゆる理想の方向へ動くことはあるでしょうが、そうなった場合でも競争原理が働くことは変わりません。そして、匿名の消費者の本音が表に出てきている言葉とは違うことも変わらないでしょう。政治家もマーケティングも同様に足元をすくわれないような努力が必要ですし、そういう消費者であることを認めた上で自分の理想を受け入れてもらっていく、という姿勢も必要なのだろうと思っています。
2005 06 30 [経済・政治・国際] | 固定リンク
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