« マツダの復権とがけっぷちのフォード | トップページ | 今週のニュース(1/8~1/14) »
2006.01.13
年齢での単純なモデル化は間違いかも
今朝の日経1面に、今の40~60歳代は過去最も元気が良い世代ではないか、という記事がありました。成長期に家庭の仕事から解放され外遊びなどをしっかりやっているのも原因の一つだそうです。また、今の「中年」世代の元気のよさは、医療費を下げていく効果もあるのでは、とも考えられます。逆に、子供達が外遊びなどが減っている分体力や運動神経が落ちている、というものです。これらから考えると、単に従来型の「何歳代はこれくらい」というモデル自体が崩れているのではないでしょうか。逆に言えば、「年齢」というパラメータ自体も絶対的ではない、という事が言えます。
この事は、社会自体の変化を反映しているとも言えるでしょう。幼児~少年期の体力はこうだ、というのを自然のものと考えていましたが、運動量が減れば当然体力は落ちていきます。逆に言えば、今までは特に何も考えなくても自然に体を動かしていたのが、運動量を設定して鍛えていかないと必要な体力をつけることもできなくなる、という裏返しでもあります。
これらは、消費動向にも当てはめられるでしょう。20年前の40~50歳代に対するモデルは、当然ながらその時の社会や成長を経てきた人たちには当てはまっても、今の40~50歳代(20年まえは20~30歳代)には当てはまりません。食生活で言っても、今の40~50歳代はバブル期の素材の変化、円高の進行による輸入素材の普及に触れているなど、単に中高年だから和食、とはとても言えません。衣服もそうですね。いわゆるHanako族、男もポパイなども読んでいたので、ファッションって何?という世代ではありません。体格が急速に大型化したのもこの世代ですので、変化そのものを体現していると言ってよいでしょう。自動車だって最初から免許を取ってすぐに乗っている世代です。80年代の日本車の急激な進化を体験している世代でもありますので、なまじなものでは納得しません(だから、クラウンが「ゼロ」を標榜したともいえます)。
年齢モデルを単純に当てはめると危険ですし、さらに20年後を考えますと今の20代の体力状況、IT化の浸透を考えれば社会そのものがより変化していっていることが想定されます。政策はこの当然に予想できる変化を盛り込んだものであるべきなのですが、どうも旧来モデルを使っているようにしか思えません。年齢による人口構成比はさすがに盛り込み済みのようですが、たとえば単に「中高年はITなどの新技術が苦手」、「若者は新しいものにどんどん飛びつき消費をリードする」ということはいえなくなっているように感じています。
2006 01 13 [経済・政治・国際] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
この記事へのトラックバック一覧です: 年齢での単純なモデル化は間違いかも: