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2006.08.31
ウオシュレットはYouTubeで広がっていく
日本では各家庭の標準装備品となりつつある温水洗浄便座(TOTOの場合はウオシュレット)、実はイギリスではまるで普及していないそうで、導入した日本食レストランが取材の対象になるほどだそうです。まあ、これだけなら単なる文化の違いとなるのですが、面白いのがYouTubeに体験を投稿しているビデオが多いこと。実感という意味ではこういった文章では出来ないパワーを持っています。
たとえばこれ
水が出てくるのがそんなに面白いのか、と思ってしまいますがやはり異文化としてとらえられるのでしょう。まとめサイトもこのような論調となっています。
YouTubeといえば著作権違反のコピーが多いのは確かですが、このような個人の映像でコミュニケーションを図るという本来の目的でもしっかり機能していますね。しかも、しちめんどくさいこと一切無しで簡単にBlogに貼れたりしますし。
映像のもつパワーをシンプルに感じさせられた出来事でした。
2006 08 31 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.29
50年前の予測は当たらずといえども遠からじ
1960年、当時の科学技術庁が21世紀初頭には実現しているだろうという項目を135個あげました。そして約50年を経過した今年、文部科学省系の未来工学研究所がその検証を行い、おおむね実現できているのは4割程度、と発表しました。
結果は見本として一部しかWebでは見られませんが、結果についてはまあ当たっているかな、という部分と少し見方が違うのでは、というところに分かれています。
特徴的なのは、当時は原子力にかなり期待があったこと。原子ランプ、原子力船など、エネルギーにおいて原子力に大きな期待があったことが伺われます。
また、電子技術としては、電子計算機としてアナログとデジタルの両方が併記されており、まだ計算尺が現役だったことがわかります。で、家庭のオートメーション化が×として一部でも実現されていないようにありますが、これは私はせめて△(一部実現)ではないかな、と思っています。洗濯、皿洗いはどは単能機としてはかなりの完成度になっていますしね。「しゃべる印刷物」が×というのも、製品としては無いけどスキャナ、OCR,PCの音声合成で十分できていますからこれも△程度はあるように思えます。
で、見本の最後には「立法司法行政における人工頭脳の活用」が×となっています。これも、「造ろうとしてないだけ」という気がするのですよね。まあ、検索エンジンが進んでいますから、法令・規則や判例を引き出してくるということはある程度可能になっているような気がしますので、×に近い△程度はつけても良いのかな、と思っています。
こうしてみると、IT関係の組み合わせシステムに関する評価が厳しいというかそのような視点で評価をしていないな、という感想を持ちます。未来を志向するのはシミュレートが重要、と小松左京も「SF魂」で書いていますが、評価も同様ではないか、と感じています。
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2006.08.28
福岡交通事故に思う
土曜日、福岡市で追突されて海に落ち、兄弟3人が死亡する痛ましい事故がありました。私も子を持つものとして、同情を禁じえません。
ここで思うのは、やはり飲酒運転の怖さです。追突した運転手は22歳。まだ怖さを知らない年齢といえるでしょう。私自身も、あの年齢の時は自信の方が先に出て、飲酒運転こそしたことはありませんが(下戸ですし)、注意不足だったか、と思うことは何度かありました。
今でもドライバーとしてかなりの距離は走っています。ただ、もう20年以上乗っているとさすがに無理はしない、反応速度の低下などを意識しつつ乗ることで、安全運転を心がけています。自分自身も子供のときに交通事故で入院したこともあり、車の怖さはある意味身にしみている部分があるからです。
自動車も最近は安全面での自動化も進み、追突防止などのレーダーもオプションで選べるようにはなっています。(例:ホンダ・ストリームでの追突軽減ブレーキ)。
ただ、あくまでも「補助」であり、今回のような自意識のないドライバーでは有効性も疑わしくなってしまいます。
幼い子供たちの未来を奪ってしまった今回の犯罪、自動車という誰でも使える道具ゆえに、改めて注意を喚起するきっかけにでもならないと子供たちは浮かばれないようにすら思っています。
2006 08 28 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.20
今週のニュース(8/13~8/19)
今週も気になったニュースを取り上げて行きます。
阪神・淡路大震災から既に11年たっていますが、日本中どこでも大地震の危険性があることには変わりありません。そのために地震保険というものがあり、整備と普及が進んできたと思います。ただ、予想される関東大震災のような地震が来た場合、被害が大きすぎると保険金が不足して支払い不能になる可能性もありました。今回、このような事態に対応するために、地震保険を保険会社からさらに引き受ける日本地震再保険(株)が新たに首都圏地震を対象にした債券を購入することで保険金の支払いをより確実にしようとしています。
個々人の対応も大切ですが、保険が保険として機能するためのこういった地道な努力は素直に評価し、地震保険の加入率が増えて保険金が下がるという形に持っていければ、と思っています。
2.高額医療向けの医療保険、各社が相次いで発売
日本では医療と健康保険の普及により、一般的な病気はほとんど治る状態になってきました。しかし、どうしても治らない病気はあり、そのための治療は実験的だったり特別な設備がいるなど、どうしても高い治療費がかかってしまいます。そして、自由診療としてこれらに対応するためには当然健康保険では支払われないため個人で払うか、別途任意の医療保険を利用するしかありません。これらに対応するための商品が徐々に各社から出てきています。
医療側から見ると、民間の医療保険が増えてきた場合、医療費の値下げ合戦になってしまうのでは、という危惧があるようです。保険会社との交渉が大変、ということですね。
最終的には「命の値段」を誰がつける、ということになりますが、これは一般社会において死を遠ざけようと努力してきたことの代償なのかもしれません。
(こうなると、ブラックジャックの金の吹っかけ方もリアリティが出てきますね。20年前のマンガとはとても思えません。本質は同じだということなのでしょう)。
3.太陽系の惑星の定義づけを明確に。惑星は12個に増加か
太陽系をめぐる惑星は今までは9つとされてきました。しかし、「惑星」とは何か、というと実は今までは明確な定義はありませんでした。大きさで言えば冥王星は月より小さく、小惑星と言われている中にもかなり大きなものがあります。そこで、今回国際天文学連合で惑星の定義を明確にし、今後の新発見にも備える形にしました。その結果、12個になるというものです。これも、観測技術の進歩が生んだ結果であり、科学的知識が安定して固定したものではなく、常に見直しをされる動的なものである一つの証明と言えるでしょう。
・・・で、星占いの人はどうするんでしょうね。
2006 08 20 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.17
e-TAX導入開始
先日住基カードを入手したと書きましたが、続いて注文しておいたICカードリーダーが届きました。早速インストールして見ましたが・・・・これがまた面倒なのとユーザーフレンドリーとはとても言えないマニュアルと用語。お役所仕事を心から感じさせる仕様でした。
私個人は、比較的IT関係には強いほうだと自負しています。電子証明書だとか、フィンガープリントとかいきなり言われてもとりあえずまごつくことはありません。ただ、これを一般市民がはい、と渡されて使えるか、というともし民間企業の商品だったらお客様窓口はクレームの嵐ですね。
今日やったことといえば、
1.カードリーダーのインストール。これはまあ、普通にプラグアンドプレイでOKです。ドライバCDも入れておけばOK。
2.公的個人認証サービス利用者クライアントソフトのインストール
問題はこれ。何も考えなければOKを押していくだけでもできなくは無いですが、全般に不親切です。マニュアルもPDFファイルがあるだけでソフトのケースの裏に「取扱説明書をお読みください」とあるだけで、しかもそのマニュアル自体もわかりにくいこと。一見さんお断りの典型とも取れます。なんか、使うのはマニアか物好きと言わんばかりの出来です。まあ、実際のところバックグラウンドで動くものですので確かに派手にする必要は無いのですが、重要であればこそもう少し親切さは欲しかったですね。500円で付いてくるものに文句をいうな、とは言われそうですが。
3.e-Taxの申し込み。
これは税務署のページから申し込むだけですのでまだ問題はありません。これで税務署から書類が届くということですが、個人的には「メールアドレス入れなくていいの?」という気がします。このあたりが何事も郵送重視というか、アピールするメルマガを送るチャンスを逸しているというか(個人情報保護で管理が面倒だからしない?)、惜しいともいえますね。
こうして改めてお役所と付き合うようになっても、わざわざ市民を敵に回すような扱いというのはなんだかなぁ、というイメージです。うまくやればユーザーも増えてよいのでしょうが・・・
ま、ともあれハード、ソフト的な準備は整いましたので色々と使えるサービスを探して利用してみようと思っています。
2006 08 17 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.16
住基カードを入手しました
お盆休みで、役所が開いているときということもあって、住基カードを作ってきました。導入当初は発行にもトラブルがあったようですが今回は職員もなれていたためかスムーズに手続も終り、1時間程度でカードおよび電子証明の発行が出来ました。
あと、PCに接続するカードリーダーも値下がりしているようで接触式であれば3000円前後で販売されています。
その他詳しいことは公的個人認証サービスポータルに必要情報が載っていますね。
個人的には、どうせ非接触カードでもあるのだからPaSoRiで対応してくれればダブらなくて済む(普及率も高いだろうし)とも思うのですが、ここはISO準拠であるeLWISEカードを取った、ということでしょうね。Felicaはスピード重視ということも聞いていますし。
ユーザー数は現状ではSuica/Edy/おサイフケータイに代表されるFelica陣営が圧倒していますので、eLWISEカードは地味な存在となっています。ただ、電子政府(いわゆるe-Japan)は届出分野などでまだまだ実績が少なくかかったコストのわりに利用数がすくないという惨憺たる結果となっています。たとえば、税申請1件に経費4万円とか。
まあ、最初はこういうものだという言い方も出来ますが問題は社会そのものを変えていくという意気込みと普及、デザインの問題でしょう。ただ、やはり地道に進化はしているようで最近だと色々なことがネットで申請できるようにはなっており、役所に行かなくても済む、というのはシステム上は出来ています。普及させようとする努力はまだまだ少ないでしょうけどね。これはETCの時も感じました。
ETCの場合は民営化と同時にマイレージ、初回特典などある意味当たり前の普及策がとられています。となると、やはりここは「初年度税金割引」などでもあれば電子申請の普及が進むのかもしれません。
まあ、来年の確定申告まで出番はなさそうですが色々と試してみたいと思っています。
2006 08 16 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.15
首相動向と危機管理
8月15日の終戦記念日早朝、小泉首相は靖国神社に参拝しました。これは政教分離の原則からすると「公務」ではないでしょう。とすると、気になるのが「もし大停電が今日起きていたら首相はどうしただろう」ということです。
昨日の大停電の原因はクレーン船による単純事故でした。ただ、このことがわかるまで停電発生から1時間以上かかっており、また首相官邸の危機管理センターも動いています。今朝の参拝は7時40分、昨日の停電発生は7時35分ということで、もし1日ずれていたらまさに停電中に参拝することになってしまいます。靖国神社に入ろうとしたそのときに首相に報告が行く、ということになりかねません。この時点では首相は微妙な判断を迫られることになったでしょう。
まあ、結果的には停電は事件性も何も無く、1日ずれていたので本日の参拝や各種行事にも支障はなかったわけですが、危機管理的にはどうだったか。考え方としては、
1:とりあえず参拝をとっとと済ませてすぐに官邸に戻ってスタンバイ。参拝中の情報は側近に常にウオッチ。
2:参拝はあきらめてすぐに取って返して情報確認。参拝は落ち着いてから。
ということが想定されます。神社に午後には参拝しないもの、となると戦没者追悼記念式典がある以上スケジュール的には相当辛い状況ですね。この時間だと、1を選択するようにも思えますが(40分段階では停電が大規模かどうかもわからないため)。
歴史のイフとまでは行きませんが、小泉首相の強運としか言いようがないと感じています。
2006 08 15 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.14
都市システムの脆弱さ
8月14日早朝、東京の各地で大規模な停電が発生し、3時間近くの障害となりました。原因はクレーン船が旧江戸川を渡っている高圧線に接触したという単純ミス。しょうもないと言えばしょうもない事故ですが、結果的に出た被害は甚大です。万一病院などで死者が発生した、となると単純ミスでは済まされないレベルの事故でした。
さて、今年の2月に小規模な地震が起きた際にJRが止まったときにも書きましたが、物理的にはともかく、心理的に事故に対して都市住民が弱くなっているような気がしています。
まあ、今日の場合はお盆休み中ということ、早朝だったということもあり社会的な影響は比較的少なくて済みましたが、これが1週間ずれていたら大変なことになっていたでしょう。そして、「停電してもいいや」と思える余裕が今日はまだ比較的あったことが大きな被害が出なかったことにも繋がっていると思います。
しかし、こうして考えると電気はライフラインの根幹になっているといえますね。マンションなどでは水道も止まる、キッチンがガスであっても電気なしでは動かないシステムが多いようですし。地震のような大規模災害でなくても、ちょっとした事故一つで市民の生活は立ち行かなくなるほど都市そのものが「電化」されているのが今日の東京であると改めて実感しました。
そして、電力が重要であるからこそ大規模施設にはバックアップの自家発電なり、バッテリーなどの予備電源があるわけですが(羽田の管制塔、電池だけで1時間近く動くのですな)、一般家庭にはそんなものも無く、もし停電が丸1日を越していたら冷蔵庫の食料が全滅、この夏にエアコンなしでマンションにいられるかなど、かなりの被害となったことも想定されます。
都市そのものが電化され、家庭もその一環となるのはやむをえないとはいえ、サバイバルの一つとして電気なしでの対応を想定しておくのも各家庭でも重要となるのでは、と思いました。
で、私自身といえば地方で暮らしているため、ガスはプロパンで独立しているため熱源はOK、水は2日程度分は確保してある、車にもすぐ乗れるなど多少は有利かな、と思っています。
(独り言:テロを考える人には格好のネタを与えてしまったのかもしれない・・)
2006 08 14 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.08.08
大和と技術発展とそのマネージメント
週末から広島に帰省しており、その際新しく出来た呉市海事歴史科学館(通称:大和ミュージアム)に行ってきました。呉といえば戦前は世界的にも知られた軍港、そして呉海軍工廠は大和をはじめとした多数の軍艦を造ってきており、技術的にも相当レベルのものです。この博物館は一応「船の技術」を主題としており、大和についても戦闘や航海もさることながら、「どうやって造ったか」「大和を造ることで発達した技術」などの視点での紹介が多くされていました。これは、「戦争博物館」とは違う、「海軍工廠」にある博物館の特徴とも言えるでしょう。
で、大和を造るにあたってはプロジェクトマネージメントやら、重電技術、冷暖房などの弱電技術などが多く盛り込まれこれらが後の技術の基礎にもなった、という紹介があります。まあ、確かにそうでしょう。ある意味無謀ともいえる巨大戦艦プロジェクト、スピンオフ技術も多くあったと思います。ただ、「戦艦」としてみたらどうか。特に時代は既に航空戦が主体であることは日本海軍自体が証明しています。これは高度な技術と纏め上げる力がありながら、トータルとしてみれば失敗プロジェクトであった、という日本にありがちな現象を象徴的に見せている、という皮相的なシンボルとも見えてしまうのです。
技術の現場とそれを使うべき上層部との断絶を感じた展示ですらありました。