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2006.10.08

今週のニュース(10/1~10/7)

今週も気になったニュースを取り上げて行きます。

1.公債の地方間格差出現、今後も拡大か

 地方自治体が発行する借金の公債は、いままではどこが出しても金利は同等でした。しかし、地方の信用力の格差を背景に条件設定の差が生じつつあります。

 各自治体は、国から地方交付税の給付を受けているとはいえ、一応は独立採算が建前です(東京都はもらってませんしね)。ただ、横並びの護送船団方式が長く続いていたため競争力格差を反映したものではなかったのも事実です。
 まあ、地域ごとの差と「同じ国内なんだから同じ」というある意味共同幻想を両方とも成り立たせるというのは古来から為政者にとっての難題でした。別の国なんだから、とやると義務的な面を課すことが出来ない(軍事とかね)、国家としての成り立ちを維持できないという面と、だからと行って儲かっている部分から採算が悪い部分への補填を厚くしすぎると国内での不満、分裂意識が高まってきます。現在は、「地域間格差やむなし」という形で是認する方向へ政策が動いていますが(給付する元がなくなったことが原因)、やりすぎると「じゃあ別の国でいいじゃん」になって国家間競争力に響いて来ます。競争意識を持たせつつかつ落っこちた部分へのセーフティネットをどうするか。制度だけでなく、モラールと動機付けをもたせるという双方に顔を向けた部分が大事なのでしょう(で、これって別に国の話ではなくて、強い企業(組織)を作るための条件と同じなんですよね。制度だけでは駄目、というのは)。

国家運営で企業運営と同様の内部駆動を行うには、実体である行政組織、そして構成員である国民、住民、それぞれに意識付けをして、前向きに生きる、でも弱者にはやさしく、ということを率先できるような「集まり」にしていくのが理想的なのでしょう。

2.生産履歴追跡システムの国庫補助、6件中止へ
 いわゆる食の安全・安心に絡み、生産履歴を追跡できるシステムの整備が叫ばれました(トレーサビリティといわれていますね)。そして、特に農産物について農水省の補助金でシステム整備が行われましたが、うち6件については不正受給、利用実態の不十分ということで中止に追い込まれています。

 これは、私は騒ぎの原因にマスコミも一因があると思っています。ルール違反は確かに良くないことですが、まるで毒物が入っている、食べたらすぐに死んでしまう、というように思わせるような報道が無かったか。違反の背景に何があるか。違反を起こさないようにするには生産者、流通、消費者全てにおいて何をしたら良いのか。という建設的な意見構築は一部を除けば無かったように思えます。

 まあ、消費者としては何か考えながら食べるのは嫌だ、という「安心」の部分が多いのは当然でしょう。これは生産、流通の仕事といえます。色々な事件もあり生産者側の信用も失われました。ただ、システムとして整備すべきだったかどうかはまた別の問題があると思います。特にコスト面で。

企業の生産品としてはシステム整備はマイナス面だけではありません。履歴がキチンとすることで生産工程内にあった無駄をあぶりだす事もでき、トータルとして利益に繋がる事もあります。ただ、自然生産品ではどうか。工業化を望むのか、特段加えないのを望むのか。定義が曖昧なイメージ先行であるがゆえに問題をはらんでいます。

トレーサビリティ整備そのものは悪い事ではないですが、ためにする事では誰も得しないということが今回の事例の一つの要因となっているように思えます。


3.日本食浸透でアジアへの食品輸出急増

日本の食品貿易といえばもっぱら輸入の話が多いのですが、昨年から今年にかけて農林水産物の輸出が前年比12.1%増と急増しています。これは、日本食の浸透、高級品としての認知が背景にあるようで農業振興も単に輸入品から護る、では無く貿易の活性化に力を入れるべきという見本ではないでしょうか。

今農村への補助をどうするかは国会でも論戦となっていますが、「農業」という産業の面で見るのか、「農業従事者が暮らしている状況」を見るのかで論点が異なっているようです。今は自民党が前者、民主党が後者ですか。特に「農業をしていることで補助金をもらっている兼業農家」の扱いですね。国際競争力をつけている農業従事者は、プロであり専業としてきちんとしているところが多いでしょう。フルーツなどの特産品を育てているところもこれにあたります。対して、米を中心に兼業で農地を維持している農家の場合、コスト、品質、ブランド維持という点では弱いように思えます。ただ、地域での従事者の数は後者の方が今は多いのかもしれません。

農業企業として成り立ち、そこへの従業員としての形が成り立つのか(小作・地主ではなくね)。新しいあり方をも模索するポイントと言えるでしょう。私は、プロ農業企業を育てる方向が望ましい、と思っていますけどね。


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