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2006.10.29
今週のニュース(10/22~10/28)
今週も気になったニュースを取り上げて行きます
東京証券取引所は、上場の予定があったのですがシステムエラー等の不具合発生により見送りとなっています。また、現行のシステムの反応が遅い、昼に1時間30分も休憩を取るのは日本だけ、などコンピュータ化されたとはとてもいえないようなシステムが批判を浴びています。この上で、世界的な取引所の合従連衡も噂されている中の提携話ですが、どうも取り込まれてしまうような想像すらあります。
マネーの壁は、北朝鮮のようなケースもあり必ずしも完全になくなっているわけではありませんが、取引所のパワーがその国の市場のパワーに直結していることは重要であると思われます。
経産省は全国一律で決められている工場立地の条件を緩和する方向で検討を始めました。緑地率、敷地中の建物の割合など公害の反省を踏まえて細かく決められていますが、これを各地方で決められるようにするなど工場誘致をしやすくする方向で生産地の国内回帰を促す方向です。確かに、環境規制の強化によって以前と同条件にしなくても良くなっているのは確かです。また、工場自体の用地も効率化によって減少する方向です。これらを考えると、以前よりも緩めても環境上の問題は減っていると考えて良いでしょう。国内のパワーを維持するという面でも、環境規制という形で総枠管理が出来ていれば良いように思えます。あとは、各地方で自分達の環境を維持すると言う事が自立的にちゃんとできるか、ということが問題として残るのですが。
3.ソフトバンクモバイル、MNPダッシュ成功もシステムトラブルで停止
「予想外割」でゼロ円イメージの認知に成功したソフトバンクモバイル、店舗は顧客が溢れるくらいに活況だったようです。そして、この週末来訪客が多すぎてMNPの手続きが停止するところまでになってしまいました。以前からのソフトバンク(ボーダフォン)を知っている人、ケータイの料金システムを見ている人には不評とも言われている今回のゴールドプランと新スーパーボーナスですが、その場で払う金額がゼロ(一部を除く)のは確かなので、顧客が殺到したようです。これが長期割賦であるということがどこまで認知されているか、1年程度で機種変する際に、残金支払いの必要性があることを始めて知る、という事にならないか、不安を残した出発と言えるでしょう。
4.ファイターズ、地元で日本一達成
新庄の入団と札幌移転で強化と集客努力をしてきたファイターズですが、今年後半驚くべき強さを見せてそのままゴールという「劇的」な結果となりました。確かに選手が見られることで強くなっていくという結果が上手く出せたと思えます。すっかり引き立て役になってしまったドラゴンズが可哀想な気もしますがこれは勝負の世界。素直にファイターズを称えようと思います。
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2006.10.28
ソフトバンクの予想外割は法人市場目当てか?
携帯電話のMNPに対して、ソフトバンクモバイルがついにやってくれました。自社ネットワーク内の通信料金の無料化です。まあ、2年間(27ヶ月)のローンを組まされるとか、21時~24時は月200分までしか無料ではないとか細かい条件は色々ありますが、市場へのインパクトは相当あったと思われます。で、個人ユーザにとってはどうか、という議論は色々ありますが、これはある意味法人市場、それも無線LANとかの内線市場へのソフトバンク流の回答、という見方もできるのです。
現在、企業の内線電話などの電話ソリューションは旧来の交換機から、IPベースへ置き換わっています。これは多機能化と同時に、IP電話による通信料の削減が目的ですね。特に内線を自社内のネットワークで組めれば複数拠点についての通信費が激減できます。
ただ、同時にモバイルも普及している為、この通信をどうするか、ということが課題として挙げられていました。これに対し、構内は無線LANによる内線、構外は外部のネットワークを1台で済ませる、という回答が出ていましたが、今回ソフトバンクモバイルが自社内は無料、と打ち出したため、ある意味「全部うちのに切り替えれば内線も不要ですよ」というセールストークが使えるようになったわけですね。それもMNPによって番号はそのまま。
基本料金も最低レベル、自社内通話がどれほどかわかりませんが、ケータイを持たせている比率が多いほど、これはコスト削減を求められてる担当者にとっては魅力的な提案に写る可能性があります。企業ユーザは長電話はしませんし、夜間の時間制限もそう問題にはなりませんしね。
ソフトバンクは直収の固定電話として日本テレコムもありますし、IP電話のBBPhoneもあります。「通話はとにかく無料」というソリューションを提案できる土台は出来たわけで、あとは信用、ということですかね。
2006 10 28 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.10.26
TB2のコンテナに情報レスキューをつけよう
国際救助隊「サンダーバード」、いわずと知れたスーパーレスキューチームであり、特に2号のコンテナから何が出てくるか、当時TVをみながらわくわくしたものです。 事件には自然災害あり、大火災ありと多岐にわたっていますが、さすがに当時の設定だけあって「情報トラブル」なんてのはありません。で、最近面白いものを見て、これならサンダーバード2号に入っていても良いのでは、と思ったのです。
みつけたのはこれ。ブラックボックスというプロジェクトだそうですが、この場合はデータセンター用途だそうですが、想像をたくましくすれば災害地での情報支援用途というのもありでしょうね。通信回線さえあれば、ともいえますが、現地で稼動させれば通信帯域の問題も減らせますし。マシンパワーのレンタル、という観点でも大規模災害にはこれくらいあっても良いのでしょう(中のソフトはあまり聞かないでね)。
発想の転換、ということをビジュアルで確認できた良い例だと思います。
2006 10 26 [パソコン・インターネット] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.10.17
企業PCの行方とマネージメント
IT Proに、最近「企業向けPCはなくなるのか」という趣旨の記事が何回か載っています。社員にクーポンを渡して自由に買わせることで管理から開放されるというのと、逆にシンクライアントが主流となり「PC」は姿を消すのでは、という意見です。これはある意味どちらも同じ面を見ているように思えます。すわなち、「社員をどう生かすか」、「生産的な業務に生かせるか」ということです。
PC、すなわちパーソナルコンピュータは、その元々の成り立ちから「自分でコンピュータのパワーを自由に使いたい」という立場です。往時、コンピュータは大きな部屋に鎮座しておりユーザは順番待ちをしたりして「自由に」は使えませんでした。管理は楽でしたけどね。そして、「PC」が普及する過程では、そのパワーに魅せられた人たちが沢山現れています。ビル・ゲイツもその一人と言って良いと思います。Windowsも出た当初セキュリティよりも自由度を重んじた構造をとっていました。どのアプリにも自由にアクセスできる、という発想ですね。攻撃者から見れば穴だらけですが、管理よりも自由を取った、という精神が根底にあると思えます。
翻って企業から見た場合、昨今の情報漏れ騒ぎなど「リスクマネジメント」という観点からはユーザの自由度は低いほうが良いわけです。「出来ること」を狭めておけば、それに反する「反社会的なこと」は最初から出来ませんから。ただし、同時に新しい発想を奪うことにもなってしまうでしょう。実験も出来ないわけですからね。
このように書いていくと、これらは「企業」という言葉で一括りにしてしまうこと自体に問題があるかもしれません。開発優先、EUCが発達している企業ではシンクライアントではその能力が落ちてしまうだけでしょう。逆に、本当にメールが出来てWebを通じた情報を見るだけ、というところまで行ってしまうとPCの自由度が逆に仇になってしまうケースが出かねません。
PCを使うということは、自由には責任が伴うという例の一つと考えれば、社員をその行動の動機付けを含めてきちんと管理できているか(縛る、では無くて信じられる、とういレベルになっているかという意味で)という面で、PCを使える企業か否かが決まってくるように思えます。
2006 10 17 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.10.14
グレートゲームの実感と悪魔のささやき
北朝鮮が核実験を行ったというニュースについて日本や北朝鮮の地政学的な意味を考える機会が多くなっているように思えます。北朝鮮の考えは何か、日本に与える影響は、と言った直接的な面から、さらには周辺国の思惑、そして状況に対するシミュレーションが行われ、これが公然と語られるようになりました。10年前であれば、「周辺事態」を口にするだけで政治的な大騒ぎが起きていたことを考えると、ある意味現実的になったとも言えますが、逆に「現場」を忘れることにもなりかねない危険な面もあるように思えます。
かつて冷戦時代にあったゲーム「バランスオブパワー」では地政学をベースに米ソそれぞれが覇権をかけて各地に干渉を行います。ただし、核戦争になったらゲームオーバー。いかに実力を使わずにという極めて難しい心理ゲームを強いられるわけです。そして、現在の北朝鮮をめぐる各国およびその国民はある意味このゲームに沿ったシミュレーションを強いられていると言って良いでしょう。そう、少なくとも民主主義国家においてはリーダーは民衆の意図する「雰囲気」に反することはそうはできません。メディアを使って方向性をつけることが出来ても、シミュレーションを行っている国民の心理そのものにも揺さぶられるわけです。
ただ、ここで危険なのはシミュレーションを行っている「私達」自身がゲームの盤上にいることを忘れがちになることです。ゲームをやっている状況では、ゲーマー自体にゲームの状況が影響を与えることはありません。だからこその「ゲーム」であるわけですね(ゲーム上で核戦争が起きたからと言ってゲーマーが死ぬわけでなし)。しかし、盤上にいる自分がまたシミュレーションを行って行動することが全体に影響することもあること、そしてその結果が自分に返ってくることもきちんと理解しておく必要があります。
現実論で言えば、北朝鮮に対する経済制裁、これを指示することは攻撃を受ける可能性を上げることにもなります。もちろん、攻撃をさせないように別の手で「釘をさしておく」というのは戦略の常道ですので当然行っていると考えられますが、だからと言って「自分は絶対安全」ということはありえないのですよね。リスクの上げ下げは出来るにしても、です。
現実的に考える、ということがどういうことか。ゲーマーではなく、盤上にいるプレイヤーであることは常に忘れないようにしておく必要はあるでしょう。リーダーがどういう命令を出すか、についてもです。
2006 10 14 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.10.08
今週のニュース(10/1~10/7)
今週も気になったニュースを取り上げて行きます。
地方自治体が発行する借金の公債は、いままではどこが出しても金利は同等でした。しかし、地方の信用力の格差を背景に条件設定の差が生じつつあります。
各自治体は、国から地方交付税の給付を受けているとはいえ、一応は独立採算が建前です(東京都はもらってませんしね)。ただ、横並びの護送船団方式が長く続いていたため競争力格差を反映したものではなかったのも事実です。
まあ、地域ごとの差と「同じ国内なんだから同じ」というある意味共同幻想を両方とも成り立たせるというのは古来から為政者にとっての難題でした。別の国なんだから、とやると義務的な面を課すことが出来ない(軍事とかね)、国家としての成り立ちを維持できないという面と、だからと行って儲かっている部分から採算が悪い部分への補填を厚くしすぎると国内での不満、分裂意識が高まってきます。現在は、「地域間格差やむなし」という形で是認する方向へ政策が動いていますが(給付する元がなくなったことが原因)、やりすぎると「じゃあ別の国でいいじゃん」になって国家間競争力に響いて来ます。競争意識を持たせつつかつ落っこちた部分へのセーフティネットをどうするか。制度だけでなく、モラールと動機付けをもたせるという双方に顔を向けた部分が大事なのでしょう(で、これって別に国の話ではなくて、強い企業(組織)を作るための条件と同じなんですよね。制度だけでは駄目、というのは)。
国家運営で企業運営と同様の内部駆動を行うには、実体である行政組織、そして構成員である国民、住民、それぞれに意識付けをして、前向きに生きる、でも弱者にはやさしく、ということを率先できるような「集まり」にしていくのが理想的なのでしょう。
2.生産履歴追跡システムの国庫補助、6件中止へ
いわゆる食の安全・安心に絡み、生産履歴を追跡できるシステムの整備が叫ばれました(トレーサビリティといわれていますね)。そして、特に農産物について農水省の補助金でシステム整備が行われましたが、うち6件については不正受給、利用実態の不十分ということで中止に追い込まれています。
これは、私は騒ぎの原因にマスコミも一因があると思っています。ルール違反は確かに良くないことですが、まるで毒物が入っている、食べたらすぐに死んでしまう、というように思わせるような報道が無かったか。違反の背景に何があるか。違反を起こさないようにするには生産者、流通、消費者全てにおいて何をしたら良いのか。という建設的な意見構築は一部を除けば無かったように思えます。
まあ、消費者としては何か考えながら食べるのは嫌だ、という「安心」の部分が多いのは当然でしょう。これは生産、流通の仕事といえます。色々な事件もあり生産者側の信用も失われました。ただ、システムとして整備すべきだったかどうかはまた別の問題があると思います。特にコスト面で。
企業の生産品としてはシステム整備はマイナス面だけではありません。履歴がキチンとすることで生産工程内にあった無駄をあぶりだす事もでき、トータルとして利益に繋がる事もあります。ただ、自然生産品ではどうか。工業化を望むのか、特段加えないのを望むのか。定義が曖昧なイメージ先行であるがゆえに問題をはらんでいます。
トレーサビリティ整備そのものは悪い事ではないですが、ためにする事では誰も得しないということが今回の事例の一つの要因となっているように思えます。
日本の食品貿易といえばもっぱら輸入の話が多いのですが、昨年から今年にかけて農林水産物の輸出が前年比12.1%増と急増しています。これは、日本食の浸透、高級品としての認知が背景にあるようで農業振興も単に輸入品から護る、では無く貿易の活性化に力を入れるべきという見本ではないでしょうか。
今農村への補助をどうするかは国会でも論戦となっていますが、「農業」という産業の面で見るのか、「農業従事者が暮らしている状況」を見るのかで論点が異なっているようです。今は自民党が前者、民主党が後者ですか。特に「農業をしていることで補助金をもらっている兼業農家」の扱いですね。国際競争力をつけている農業従事者は、プロであり専業としてきちんとしているところが多いでしょう。フルーツなどの特産品を育てているところもこれにあたります。対して、米を中心に兼業で農地を維持している農家の場合、コスト、品質、ブランド維持という点では弱いように思えます。ただ、地域での従事者の数は後者の方が今は多いのかもしれません。
農業企業として成り立ち、そこへの従業員としての形が成り立つのか(小作・地主ではなくね)。新しいあり方をも模索するポイントと言えるでしょう。私は、プロ農業企業を育てる方向が望ましい、と思っていますけどね。
2006 10 08 [ニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.10.02
トンデモ仮説:カワイイは年中発情しているからか
一般に大抵の生物は繁殖期と定常期が分かれています。鳥類でも、哺乳類でも、繁殖期は季節の一定の時期というのが多いですね。年中いつでも生まれているのはヒトくらいのようですし。で、これをもってヒトは他の動物とは違う、というのは良くある話ですが、もう一歩進めて考えて見ましょう。視覚情報でヒトがかわいいと感じる姿は共通点があります。逆に言えば、あるパターン認識回路が出来ているようにも思えるのです(裏とっていませんからね)。では、
なぜそこまで感じるのか。孫をかわいいと思えるのはなぜか。これも年中発情期、という所から説明がつくのでは、というトンデモ仮説が出てきました。
繁殖期というと、つい性交だけに眼が向き勝ちですが、子育てを考えると「子離れまで」がその期間であるといえます。たとえば、ホッキョクグマなどでは2年に1回繁殖し、双子を生んで2年後に子離れする、その間は次の妊娠はありません(これはホッキョクグマピースの番組を見て覚えた)。
つまり、サイクルが発情→性交→妊娠→子育て→子離れと出来ているわけです。まあ、ある意味当然ですね。で、子離れまでの期間は比較的短いわけです。
対してヒトの場合。生物学的に見ても、「子離れ」までには10年近くかかると見てよいでしょう。自立して食料を得るようになるまで、とだけ見ても10歳以下ではかなり難しいですよね。でも、次の繁殖はおおむね1年以内に可能になります。
(似たような論はこちらでも展開されています)
で、ここからが社会現象に踏み込むため多分にトンデモが入ってくるわけですが、この授乳期間でも次を妊娠するように出来ているヒトは、常に「カワイイ」ものを欲するようにできているからでは、ということを考えてみたわけです。おおむね「カワイイ」と視覚に訴えるものは子供の見かけと似ています。頭がおおきい、眼がおおきい、手足が短い、動作が穏やか、といえるものですね。で、先の子離れをする動物と違ってヒトは事実上いつまでも子離れをしない、つまりいつまでも「カワイイ」と感じ続けているからではないかすら思えてくるのです。
ま、子離れをするのは自分の子供が大きくなって子供の特徴がなくなり、その結果「カワイイ」と感じられなくなるため子離れをする、という見方もできます(根拠ありませんからね。為念)。
ただ、逆にある程度時間がたつとカワイイと感じる回路が消えるようになっているから、とすれば、ヒトは発情期が常にあるイコールこの回路が常に動いている、という理屈も立つのかな、とも思えてくるのです。こうしたことは、ペットを求めること、孫に対する情の深さに対する理屈のようなものと言えるかもしれません。
ということで、たまごっちやAIBOやペットを求める心はこういうところに要因があるのでは、とすればここを刺激する(かつ社会的に認知される)ようなものであれば売れるものになるのかな、というトンデモ妄想を展開してみました。
(ある種の思考実験ですが、息抜きということで)
2006 10 02 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
2006.10.01
今週のニュース(9/24~9/30)
今週も気になったニュースを取り上げて行きます。郵政
1.民間開放テスト、年金未納保険料徴収で民間がコスト3割減を達成
現在の官業のうち、民間委託が可能と思われるものについてテストが行われています。このうち、年金保険料徴収業務について、民間側が同程度以上の仕事を3割以上の低コストで実現しました。ある意味予想通りの結果です。最初は問題があるのではと危ぶまれていた駐車違反の取締りの民間委託もまずまず順調な滑り出しを見せていることもあり、現業部門の民営化はより進むものと思われます。
かつて三公社五現業(リンク先はWikipediaによる解説)といわれて国が直接経営していた団体がありましたが、公社3つの鉄道、電話、専売は全て民営化され、5現業も郵政は民営化、造幣、印刷、アルコール販売は独立行政法人化され、残るは林野事業のみという状況です。さらに、これらに含まれなかった国と地方が運営する各種事業も、民営化するほうが妥当ではないか、という状況かと思われます(水道とかね)。
公共団体でないと重要インフラだからだめ、というのは電気などを考えれば当てはまらないでしょう。地域独占に近いとは言え、電気は最初から民営です。通信もNTT民営化後既に20年、競争とともにサービスと価格の高品質化が進んできました。
過疎地などに住む人々への国民としての「標準レベル」を維持していくことへの国家施策というのはあっても良いのかな、と思いますが(国家が国家であるための意識を保持していく為にね)、宅配便や携帯電話など新サービスがインフラ化していくことを妨げてはならないと思います。そして、これが安倍政権の言うところの「イノベーション」であるが故に、政府は少なくとも政府機関のために民間企業の足を引っ張らない、という事を徹底して欲しいと思います(税金を稼ぐのは政府では無くて民間なのですからね)。
2.厚労省、健康保険証に2次元コード義務付けへ
健康保険証は、ある意味身分証代わりに使われるくらい重要なものですが今のところその書式や内容の妥当性などを担保するシステムははなはだ弱いとしかいえません。また、電子化にも向いていないため、医療機関側で転記ミスなども起こりえる状況でした。ここに、二次元コードに期限や運営者などを入れることで入力の簡便化と期限の把握などを出来るようにする方針です。現在、世帯ごとから個人ごとのカードに順次切り替えつつある保険証、システム的には住基カードと一体化が望ましいような気もしますがどうでしょうかね(年金、納税などもなんですが、壁があるが故に利益を得ている人などは嫌がるだろうな・・)
阪神大震災以降注目されている地震保険ですが、今までは地域ごと、木造か鉄筋か、という程度しか区別がありませんでした。これを、免震構造が証明できれば3割引、古い建物も現行基準をクリアできれば1割引など、リスク細分型に移って行く模様です。日本にいる限り地震は避けて通れません。そして、もし起きた時の被害を少なくし、そして被害があった場合でも速やかな復旧の経済的な裏づけとなる地震保険が円滑に運用できるようにするための背策として評価できると思います。
自動車事故も、防止するのに一番インセンティブがある組織は保険会社です。少なければ少ないほど全部利益になりますからね。同様に、地震についても防止システムを強化すればするほど支払いが少なくなるというインセンティブが保険会社には働くわけです。
もちろん、これは加入者にもいえます。被害は「無いほうが良い」のが保険のベースですから、少なくするようにすれば保険料が下がる、というのはインセンティブとして働いてきます。地震国であり、その他の自然災害も多くある(台風13号による保険金支払いは1000億だそうで)中、保険加入者が多くなるほど保険金は下げられますし、同時に対策も進みます(意識が高まれば、ね)。ハザードマップの公開など、災害が起こる事を前提としたシステムが強化されていくのは現実的であり良いことであると思われます。
(銚子でも災害メールシステムが動いており、先日の集中豪雨でも配信されていました)。