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2006.10.14

グレートゲームの実感と悪魔のささやき

北朝鮮が核実験を行ったというニュースについて日本や北朝鮮の地政学的な意味を考える機会が多くなっているように思えます。北朝鮮の考えは何か、日本に与える影響は、と言った直接的な面から、さらには周辺国の思惑、そして状況に対するシミュレーションが行われ、これが公然と語られるようになりました。10年前であれば、「周辺事態」を口にするだけで政治的な大騒ぎが起きていたことを考えると、ある意味現実的になったとも言えますが、逆に「現場」を忘れることにもなりかねない危険な面もあるように思えます。

かつて冷戦時代にあったゲーム「バランスオブパワー」では地政学をベースに米ソそれぞれが覇権をかけて各地に干渉を行います。ただし、核戦争になったらゲームオーバー。いかに実力を使わずにという極めて難しい心理ゲームを強いられるわけです。そして、現在の北朝鮮をめぐる各国およびその国民はある意味このゲームに沿ったシミュレーションを強いられていると言って良いでしょう。そう、少なくとも民主主義国家においてはリーダーは民衆の意図する「雰囲気」に反することはそうはできません。メディアを使って方向性をつけることが出来ても、シミュレーションを行っている国民の心理そのものにも揺さぶられるわけです。

ただ、ここで危険なのはシミュレーションを行っている「私達」自身がゲームの盤上にいることを忘れがちになることです。ゲームをやっている状況では、ゲーマー自体にゲームの状況が影響を与えることはありません。だからこその「ゲーム」であるわけですね(ゲーム上で核戦争が起きたからと言ってゲーマーが死ぬわけでなし)。しかし、盤上にいる自分がまたシミュレーションを行って行動することが全体に影響することもあること、そしてその結果が自分に返ってくることもきちんと理解しておく必要があります。

現実論で言えば、北朝鮮に対する経済制裁、これを指示することは攻撃を受ける可能性を上げることにもなります。もちろん、攻撃をさせないように別の手で「釘をさしておく」というのは戦略の常道ですので当然行っていると考えられますが、だからと言って「自分は絶対安全」ということはありえないのですよね。リスクの上げ下げは出来るにしても、です。

現実的に考える、ということがどういうことか。ゲーマーではなく、盤上にいるプレイヤーであることは常に忘れないようにしておく必要はあるでしょう。リーダーがどういう命令を出すか、についてもです。



2006 10 14 [経済・政治・国際] | 固定リンク

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