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2006.11.05
今週のニュース(10/30~11/5)
今週も気になったニュースを取り上げて行きます。
セブンイレブン内のあるATMを運用しているセブン銀行、この中間決算が発表され今年の最終利益が24%アップの75億円になる見込みであることが発表されました。
一般の銀行は個人ユーザー向けなどのリテールは縮小する方向です。ただ、相次ぐ詐欺事件の増加などで振り込み金額が制限されるなどコストアップの方向は否めません。ネットバンキングもユーザーはまだ少ないようですし、アメリカでは情報漏れの懸念から減少しているとの報道もあります。その中で、銀行としては小額かもしれませんが(メガバンクの利益は1兆円を超えます)、小さなことをこつこつ積み上げてきたこの利益は、コンビニ同様個人向けユーザーに特化した結果であるといえるでしょう。メガバンクが本来の業務である大企業向け融資を行い、業務用金融としていくと同時に、小売店として個人ユーザを拾っていくセブン銀行、通常のメーカーなどと同様に本来の棲み分けに近づいている現象の現れのようにも思えます。ただ、こうなると地域の昔からの金融機関(地銀、第二地銀、信用金庫)の立場が危うくなってくるのですよね。金融が何の為にあるのか、ということを改めて考えさせる状況だと思います。
平成13年より、保険会社の障壁撤廃により損保会社が第三分野といわれる生命、医療保険に参入してきました。しかし、各種オプションなどの煩雑さを店舗、顧客双方が理解していないことなどを理由に請求忘れ、勘違いなどで未払いが多数発生しています。
まあ、いままでは保険は加入は一所懸命にしますが払う段になると「言われなければ支払わない」という態度ですので、いかにしてわかりにくくするか、という事を頑張っているようにも思えます(Mr.インクレディブルでも似たようなシーンがありますね)。
で、未払い問題とあわせて「支払える可能性のある保険金」を事故請求時に会社から通知する、という形に改めているようです。
これらのことに共通するのは、「ユーザーは勉強しないと誰も助けてはくれない」ということですね。本来は全部はらってきちんと利益がでる保険料とリスク設定にするのが正しいのですが、予想外利益としての請求忘れに対するものが増えるとこういう事が起きてしまうのかもしれません。
3.貸金業法改正、グレーゾーン金利撤廃
いわゆるサラ金などでの金利は貸金業法で規制されていますが、これとは別に出資法での制限金利があってこの間の金利をグレーゾーン(借り手が認めたもの)としてきました。しかし、昨今の多重債務者の問題でこの金利が高すぎると意見がおおくなり、今回これも撤廃という形になっています。
ただ、冷静に考えてみれば20%という今の上限金利も十分に高いわけですね。一時的な逃げ(1ヶ月で数万円)ならばともかく、100万円借りて1年かけて返す、というのは普通は相当困難なわけです。また、逆にこれだけの金利をリスクとして取るというのは、焦げ付きが1割以上あるのが前提、ともいえるでしょう(保険料と同じですね。リスクが高いほど保険料も高い)。
まあ、優良な財務状況にある人ほど借金はしない、というのは企業向け金融と同様にありますので、いかにして「晴れの日に傘を貸す」という状況を作り出すか、返せる宛がある人に「ちょっとつまんでも大丈夫」という雰囲気を作るしか伸びる道はないとも言えます。各社が犬やダンスで親しみやすい雰囲気を作ってきたのもむべなるかなといえるでしょう。
実はこれはクレジットカード業界にもいえます。まあ、こちらの場合は利用料を店舗が負担する形ですので、一括払いであればユーザーに金利負担はありません(ポイントと言う形の実質値下げすらある)。で、こちらもクレジットヒストリーという形での「ちゃんと返しました」実績を積まないと上級カードがもらえない、というシステムになっています。
そして、中小企業の場合もいざと言う時の融資をしてもらうためには普段の融資と返済実績を残しておく必要があるため、無借金が可能でも戦略的に融資を受ける、ということがあります(トヨタくらいになると不要でしょうけどね)。
金融市場自体が自ら作り出したバブルと言える可能性があり、これが縮小したらどうなるか。関連業界も含めて注意してみていく必要があるように思えます(CM業界とか・・)
2006 11 05 [ニュース] | 固定リンク
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