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2009.10.13

首都圏の空港はなにがいいのか

本日、前原大臣が羽田空港のハブとしての重点開発を行う、との方針を示しました。具体的にはまだ分かりませんが、羽田は国内、成田は国際という機能での分割をやめる、ということでしょう。これ自体は合理的で良いと思っています。

ただ、現地に残ったしこりを解決する、という面ではこれから難問があるように思えます。


成田空港は、そもそも始まりから不幸の連続でした。地元での反対運動、ここに過激派が入り込んでより問題が複雑化してしまい、やっと無理やりながら滑走路が2本できる状況になったばかりです。そこへ無理やり国際線のメイン空港として位置づけたため、利用者の立場からすればひずみが大きくなってしまっています。

ただ、地元民からすれば空港というのは一種の迷惑施設です。自分の生活に対して直接のメリットはあまりない(間接的には経済的なメリットはとても大きいのですが)状況で、それを認めるにはいろいろな「感情的な面」を整理する必要が出てきます。特に、自分たちが一所懸命開墾した土地を取り上げるには、金だけではない部分も必要なのでしょう。

さて、ここで羽田をハブ化するとして考えた場合、再構成をどうするのか、というのが次の問題として考えられます。単純なこと(今の利用者から見たメリットを最優先)の場合は、羽田は国内の幹線+アジア各国の国際線+少々のアメリカ、ヨーロッパの直行便ということが考えられます。そして成田はアジアのその他、国際長距離いろいろ(貨物が多い)、国内の地方路線などが考えられます。羽田がメイン、成田はその他、ということですね。

この場合、成田へのアクセスが悪い中でどうするか、ということになります。ひとつは地方空港からの国内線+国際線のハブ化ですね。今は羽田へ行って成田へ移動ということですから不便なのが乗り継ぎがかえって便利になることがあり得ます。ただ、これがどこまでの需要があるのか。路線を維持できるだけの内容なのかが難しいところです(今の仁川便くらい集まればよいのですが)。

羽田もしかり。上記のような考え方では、ユーザーは首都圏メインです。アジア方面のビジネス客はそれなりに取れるでしょうが、単純な国際路線もどこまで取れるか。羽田枠と成田枠をどう振り分けるか、結構難しい判断を迫られるように思えます。

あとは感情の問題ですね。東北新幹線の東京乗り入れにすごくこだわりが見られたように(直通がないならば、上野で良いようにも思えますが)、上記方針を立てた場合はどうしても成田が二流と見られてしまう可能性が出てしまいます。こういった感情面を超えた運用を示せるか。民主党政権の運営に注目していきたいと思います。


(千葉県東部に住む個人としては、国内線を使うのに遠い羽田まで行かなくても済む方が助かるのですけどね)。

2009 10 13 | 固定リンク

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