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2009.11.30

実物を見て買う意味

ちきりんさんの昨日の日記、JTBが支店を整理することはいよいよネットが消費行動の本流となったことを意味し、これは街の風景を変えることにつながる、というものでした。

考えてみれば、旅行商品はネットとなじみやすく(店頭でだってカタログ販売だし)、JTB自体も当初有料とは言え10年以上前からネット販売もやっていたわけです(私も会員で、何度か利用しました)。ただ、その後旅の窓口(今の楽天トラベル)やら、一休やらがメジャーになるにつれ、ネットでの購入経験者がどんどん増えていったのは事実です。特に旅行経験者が増えるほど、チケット手配程度では代理店の意味がなくなってきたというのが実情でしょう。


で、これが従来の実物志向の商品にまでつながるかどうか。ひとつはファッションですね。先日、ユニクロの20周年記念での早朝からのバーゲンで行列が出た、という話がありましたが、実はユニクロのネットショップでも数量限定品はともかく期間限定値下げ品については同価格で売っていました。近所のユニクロの前を通ると大渋滞を起こしていましたが、ものが分かっていればネットでも十分買えるのですね。

それから食料品。これも実のところリピート商材であればネットスーパーで十分(生協の宅配は通販ですからネットだろうがカタログだろうが同じ)、お歳暮等の贈り物にしても、内覧会といいつつこれもカタログ販売ですのでネットとなじみやすいわけです。

で、実店舗の意味はなにか。先のお歳暮売り場で疑問に思うのは、なぜ伝票は手書きなのか、ということです。もちろん、キーボードになじまない人もいるでしょうが、いまどきの高齢者だってケータイメールくらいはする人は結構います。となると、PCを並べて入力して貰った方が早くて便利、間違いもないということになるように思えます。

会員カードを作らせるのならば、これと過去のお届け先名簿をリンク(百貨店のWebショップではこれは普通)、そして実物見本を確認しながら、ということも利便性を上げるサービスだと思うのですよね(10軒に届けるのに10枚も伝票を書かせるなんてねぇ・・)

店頭に店員がいて、という意味を考えるとそこにある実物を見るのと同時にカタログのガイドをする(このカタログは本でもいいし、電子化したものでもよい)、ということだと思うのです。商店という形で生き残るのならば、カタログショップでもいいから提案力を磨いていくということしかないのかな、とも思っています。

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2009.11.28

金融が主役ではシステミックリスクは防げない

金融危機という状況が長く続いています。日本ではもう10年以上、世界的にも昨年のリーマンショックから、ドバイの破綻に近い状況まで、どちらもファイナンスの限界というところに突っ込んで閉まっているようです。リスクヘッジのはずの金融機関がどれもこれも逆にリスク要因となってしまっているのが共通の現象でしょうか。


まず、金融とは何か、とを考えた場合金はないけどアイディアはある、というところに対して後払いという形で融資をするというところが発端でしょう。谷をわたるための橋ですね・また、今はだめでも後から返す、ということでそのシステムが破綻するのを防ぐという一時的な借入、とういことでもあります。もちろん、未来はだれにもわからないので沈みっぱなしということも当然ありうるので、そのリスクも勘案した利子を取っているものと理解しています。

で、ここで問題になるのが金融機関自信が利益を追うようになるとどうなるか、ですね。もちろん企業である以上存続し続けるには利益が必要なのですが、いわゆる分を超えた形で乗り出していき、わざわざリスクを高くしているように思えるのです。

で、自らが失敗すると政府が助けてくれるというのは相当虫のよいシステムを作ったものだと思えます。

それでは、今後どのようなシステムが望ましいのか。経済成長を考えた場合、「強欲」なシステムはある程度許容していく必要があるでしょう。世の中きれいごとでは動かないのはまた事実です。ただ、マッチポンプ的な要素もどうか、とも思えます。

で、金融危機に戻りますが、これが「危機」なのはその破綻した企業に融資をしていてそれがだめになると、その金融機関から借りていた他の破綻とは無縁な企業にまで「貸しはがし」なり、「貸し渋り」といったことが起きてしまう、とばっちりを受けてしまうことが問題の一つでしょう。これは大手メーカーの倒産による取引企業の連鎖倒産、というのとは状況が異なっていると思えます。

極論ですが、融資相互に「ファイアーウォール」を設けて一つの破綻が他の企業に影響しない仕組みというのが必要なのかもしれません。貸し倒れ引当金がそうだ、といわれるでしょうが、実質機能していないようです。ましてや、CDSなどを作ってしまってむしろ相互関係が強くなってしまったことがより問題を大きくしているように思えます。

融資案件ごとにマイクロバンクとして管理する、というのも極端なことでしょうけど(100%の引当金というのもね)、全部一体なので受け止めきれる限界を超えている、というのも問題である、というのが今回の教訓ではないかと思っています。

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2009.11.23

事業仕分は面白いけど

民主党政権になっての作業のある意味目玉である過去の事業の見直しが事業仕分という形で始まりました。人民裁判というか、無駄といわれている作業をばっさりと短時間で切っていくというのはTV的には絵になるものでした。ただ、今回に関してはやはり「どうしてその事業が仕分ショーの対象になったのか」が分からないのが最大の問題といえるでしょう。


政権交代が起きましたので、当然行政目標も変わりますので予算編成にあたって過去の採用結果がある程度ゼロベースで見直されるというのはやむを得ないし、予算要求側もプレゼンをゼロからしなおさなければならないというのも理解できます(やる方は大変なのもわかりますけどね)。今回の場合、財務省側はクライアントの事務局、という扱いで見ればビジネス的には分かりやすい構図になります。

で、民主党幹部が何度も言っている「22年度予算」。ここは自分たちが本当ゼロから作れる予算なのですが、どこから企画が上がって、どこで審査をして最終決定をするのか。今の流れの雰囲気では、党内議論がまともにできるのか不安を感じています。政府としては国家戦略局を作って(法的に認められる組織として形成し)、ここで基本戦略を作ってこれにあう方策を立てていくのでしょうが、それでは議員というのはなんなのか。特に政府に入っていない議員は各部会でまともな議論ができるのか(ノーと言えるのか)。なんとなく共産党的な科学的民主主義といわれる部分を想定してしまうのです。

過去、経済活動における社会主義はことごとく破綻しました。これは、現実の市場であり、国家社会は人が計画を立てて扱えるような代物ではないこと、モラルハザードを防止できなかったことなど人間の限界を露呈したものと理解しています。であるのに、国家という計画システムを全面に押し出すような流れを感じるというのは危険な兆候かもしれません。

族議員が跳梁跋扈するのもどうかと思いますが、企画段階では自由な議論ができる、そしてある程度これが表に出てくるようでないと崩壊してしまう可能性もあるように感じています。

(先日、近所の道の駅で地元の農家と思われる方々が「次は自民党に入れる」ということを言われているのを耳にはさみました。参院選はもめるかもしれません)。

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2009.11.14

総消費が増えないと意味がない

デフレねたも終息しつつありますが、思うところを。

インフレ・デフレと言いますが、これは現象であると思います。つまり、ここのリアルな経済行為の総体を表わしているということですね。統計を取ってモノの量が同じ(または減少)で必要な金額が減っていればデフレ、増えていればインフレ、と(かなり乱暴な見方です)。GDPの減少といっても良いのかもしれません。では、GDPとは何を表わしている数値なのか。国内総生産といわれますが、これも実のところ従属変数でしょう。

現在のビジネスをやっている人なら誰でも叩き込まれることでしょうが、「在庫は悪」です。つまり、売れる分だけ作るのが正しく、キャッシュの回収効率(量・時間ともに)を上げるのが正しいビジネスであるということですね。であるならば、効率が良くなればなるほど(ある時間単位での)生産量は消費量に近づいていきます。無駄な先行投資は無くなるのですね。

で、GDPの裏返しとしてGDE(国内総支出)という用語があります。ただ、ここで注意が必要なのが「投資」がこの中に含まれていること。投資というのは回収を前提とした支出のため、需要という面では先食いにあたります。で、需要の伸びが止まり完全なデマンド経済になるとどうなるか。その瞬間において先行投資の意味がなくなり(実物としては設備構築と稼働に時間差がどうしても生じるのでゼロにはなりませんが)、総支出が生産に対してマイナスになります(投資のオーバーシュート)。

このように生産と消費が平衡した経済というのは生産と消費がほぼイコールになりますので、どうやっても消費を増やさない限り生産も増えません。キャッシュはこの消費のためにバリューを数値化するための変換ツールですからマネーを単純に銀行に積んだって誰も使わないことになります。上記のように、企業側も投資の意味がない経済では金利分損をするだけですので融資を受けて(直接・間接を問わず)先行投資をすることはありません。
バブルというのはこの先行投資部分が過大評価されたオーバーシュートであり、消失は破裂による揺り戻しであると理解できるのでしょう。

このような平衡経済の中では金融政策の取れることと効果は極めて限られます。金利の上げ下げをしても、融資を受ける側でそもそも融資を使おうとする状況になければ何の意味もありません。となると、金融政策ではなく民間では取れない市場創造につながる投資が効果的となります。ただ、これもまた具体論になるとそんなアイディアあったら苦労しないということになるのですよね。

とはいえ、やはりアイディアというのは色々あると思います。平衡状態を壊してイノベーションを進めていくということでしか消費の増大は見込めないと思いますので。

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2009.11.10

まずお腹を減らしてから

デフレだ、不景気だ、モノが売れないと色々言われています。マネーが不足しているから、と金利を下げても、インフレなどにはなかなかなりません。その中で、成功しているといわれている政策なりマーケティング策なりを考えて見ると「下取りキャンペーン」があることに気付きました。


今の時代、基本的にモノはあふれており結構「お腹いっぱい」な社会状況にあるといえるでしょう。もちろん、個々ではお金がなくているものも買えない、貧困の問題が顕在化しているというのもありますが、たとえば40年前と比べると圧倒的に満ち足りていると言えるのではないでしょうか。となると、そこでさらに「成長」を考えるにはまずお腹を減らすことを考えないといけないと思います。

もちろん、飢餓状態に持っていくわけにはいきません。となると、参考になるのは「ダイエット戦略」ですね。それも「食べるものは食べて、運動をしてかつ不必要なものを削っていく」ということになります。これを実行しているのが「スクラップ・インセンティブ」であり、「下取りキャンペーン」でしょう。

前者はもっぱら自動車で展開されていますが、資源の有効利用ということを考えると、スクラップを回していく産業を興すことを一緒にできれば「捨てる」ではないので買い替えに対して抵抗感がなくなるのでより回転が良くなることが予想されます。国の投資としても効率は悪くないのではないでしょうか。

単純にリサイクルを進めてそこに費用をとる、では長く使うことにインセンティブが働くため、経済全体としては主リンクする方向です。そこで、経済成長も、環境維持も、というある意味虫のいい話でありますが成長する可能性がある分野として有効ではないかと思っています。

2009 11 10 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009.11.02

巨大空港はどこまで便利?

首都圏の空港を考えた場合、羽田は国内、成田は国際と役割分担が固定されてしまっているために、海外に行く場合には飛行機を使うと羽田に来て、それから電車等で移動して乗り換え、となってしまい、非常に不便になっています。そのため、乗り継ぎを便利にしていこう、というハブ化は十分に理解できます。ただ、ではたとえば羽田をハブ化していくにしてもその規模はどの程度が適正と考えるべきなのでしょうか。


先日、羽田空港を利用する機会がありました。JALを使っので第一ターミナルです。発着が比較的端の方でしたので、結構歩きます。(10分程度?)。また、ターミナルから滑走路までも遠いため、地上を走る時間も長いです。C滑走路に降りて第一ターミナルまで行くと10分はやはり地上を走っています。

これが国際線のように5時間、6時間を飛んでくると考えるとトータル時間としてのロスは小さいと見ることができますが、日本の国内線のように新幹線と競争することを考えると、タイムテーブル+30分以上を見なければいけない羽田は結構不便、ともみられるのですね。しかも、これがD滑走路供用後はもっとひどくなることが想定されるのです。

今も混雑時間帯では、羽田の着陸待ちのために離陸を待たされることがあります。滑走路が増えて多少は緩和されるにしても、トータル時間で変わらなければあまり意味がないことになります。

となると、ひとつの空港を単純に巨大化するだけでなく、他の交通システムと一体となった戦略を考えていかなければならないでしょう。その意味ではハブ化するというのは航空だけでなく地上交通ともつなぐことを考慮しなければ意味がないことになります。

手荷物を含めて、トータルとして楽な旅行ができる交通システムとして整備してほしいと思っています。

2009 11 02 [経済・政治・国際] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009.11.01

100日は黙って見てろというものの

民主党政権が発足して1カ月半、色々と過去なかった騒ぎが勃発しています。不慣れなこと、対応がまずいことなどがいくつか見られますが、極端な破たんがないように見えるのは今までの政権が必ずしもすごくうまくやっていたわけではないということの表れでもあるでしょう。


どちらかというと、問題はその政権を選んで、かつ受け入れなければならない国民の方でしょう。特に国政案件にかかわる業種の人ほどそうなりますね。

今までの自民党政権では、継続性が重視され政権側で変わった方が良いことが分かっていてもしがらみなどで変えられないケースが多くあったのでしょう。そういう意味では、リセットできるという点で政権交代の意味があるでしょう。

となると、国民側は選んだ責任をとるという意味と、生活を政権交代によって振り回されないようなリスクヘッジも必要ということになります。となると、大きな政府を志向すればするほど政権交代リスクが生活において大きくなってしまうという逆説が成り立ってしまうのですね(変わった後のダメージが大きい)。

民間としては、振り回されないように自立し、「見守るだけの余裕」がないと政権交代すらできないということも認識しておかないといけないのでしょう。


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